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「あちぃ…ただいま」(小声)と「おかえり!」(大声) ──編集長より最新号発売のご挨拶

2018年07月24日

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こんにちは。
列島は夏本番。あちらからもこちらからも、猛暑の情報がはいってきます。
今年は、本当に異例の暑さですね。どうしちゃったんだろう、地球?
『暮しの手帖』編集部も、みんな涼しい建物の中にずっといられたらよいのですが、雑誌づくりはそうは言っていられません。
面白いものは外にあるもの。机の上や、パソコンの中ではなく、空の下にあるもの。誰かと出会って生まれてくるもの。
というわけで、今日もそれぞれが入れ替わり立ち替わり、出ていっては現れ、現れては出ていきます。
汗びっしょり、「あちぃ…ただいま」と息も絶え絶えに戻ってくる仲間を見ると、いつも以上に「おかえり!」ってしっかり声をかけます。熱波と闘って、よくがんばったね!
仕事場なので、今回の特集の一つのように「まずはビールを」なんて言うわけには行かないけれど、まずは急いで冷たいもの飲みな!
(実際みんな冷蔵庫に向かう)

と、そんななかでようやくお届けする夏号です。
全員でがんばりました。
詳しい中味は、これから順次、各担当者がご紹介を始めます。
しばしおつきあいください。

そして! イベントふたつ、ご案内です。
本誌と同時期に出る『戦中・戦後の暮しの記録』完成記念イベントが、東京にてふたつ。

7/27(金)には、銀座・教文館にて「ちいさな朗読会」を開催、申し込み受付中(残席わずか)です。
女優の紺野美沙子さん、キムラ緑子さん、本上まなみさん、アナウンサーの魚住りえさんたちが、企画に賛同、急きょ駆けつけてくださる、戦争体験記の朗読の夕べです。
http://www.kurashi-no-techo.co.jp/blog/information/180720

8/3(金)には、代官山・蔦屋書店にて、トークイベント「『戦中・戦後の暮しの記録』ができるまで」を開催。
こちらは、暮しの手帖社OBにして投稿者のお一人、河津一哉さんをお招きし、査読者の勝屋なつみさん、編集長の私や編集部員が登壇し、1968年の『戦争中の暮しの記録』や、それから50年を経た今回の最新刊をめぐって、お話をします。
この2年間、どうやって1冊にまとめたか、とっておきのエピソードトークを準備しておきますね。
http://real.tsite.jp/daikanyama/event/2018/07/-70.html
こちらもお申し込み受付中です。

また、7/26(木)から同書店では「暮しの手帖編集部が選んだ戦争の本フェア」も開催されます。
あなたの「心の戦争本」、この1冊って何でしょうか?
お近くの方、あるいは東京にお越しの方は、ぜひお立ち寄りください。

編集長・澤田康彦

「若葉のころ」といえば…… ──さわだ編集長より最新号発売のご挨拶

2018年05月25日

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風薫る5月。緑輝く、若葉のころ。
あ!「若葉のころ」なんていってしまうと、すぐにビージーズの歌、そして映画『小さな恋のメロディ』について語りたくなる。
今、ちらりと何人かの若い編集部員に聞いてみたのですが、みんな「知りません」と「?」顔で、答えました。ビージーズは?「うーん……」
編集者なのに! と編集長はいきどおるものの、あれは1971年、もう50年近く前の映画です。ムリもないかあ。編集長にはつい昨日のことなんですが。
あの日々、女子はダニエル(マーク・レスター)に、男子はメロディ(トレイシー・ハイド)に心奪われたものでした。いつか大好きなあの子と、トロッコで、地の果てへ!(ぼおー)

……と、本誌そっちのけで「語り」にはいりそうなので、ここで切り上げますが(編集部員、安心)、ふと計算してみると、あのころぼくは14歳。
おお、それって、今回の巻頭記事、フジコ・ヘミングさんが絵日記を描かれた歳と同じではありませんか!
1946年の夏……といえば、敗戦翌年、フジコさんのいた東京は、がれきの町。お金どころか、もの、食べものさえろくにないとき。2年後に出る『暮しの手帖』創刊号の言を借りれば、《お互いに、生きてゆくのが命がけの明け暮れ》。
その中にあっても、フジコさんの絵日記には明るい希望が溢れます。ときには笑いも。
戦争が終わった喜びもあるのでしょうが、それ以上に、「今」を生きる14歳の少女が見事に投影されているのです。
きっといつの時代も変わらない、可愛いものを愛する感覚、お洒落に惹かれる心、美しいものの希求……。すなわち、今のフジコさんがそこに見られるのです。永遠の少女なんだなあ。
それにしても、とても端正な凜とした佇まいの日記。フジコさんの若葉の時代は、うすらぼんやりとしていたぼくの14歳とは全然ちがいます! ぼくはあの日々、夏休みにどんな日記を書いていたのでしょうか?(記憶のおよぶ限りですが、実に「しょぼい」「いいかげんな」やつだったと思います)
上記のように夢見がちではあったんですけどね。

さあ5月から、もうすぐ6月へ──そうしたら夏です。
若葉はぐんぐん繁って、濃い緑に変わります。
太陽よ、がつんと来い。
今号の『暮しの手帖』は、夏を迎える元気の素をいっぱい用意しました。
どうぞ本屋さんで手にとってごらんください。

編集長・澤田康彦

はるのうた はるのごう

2018年03月23日

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はるのうた はるのごう
──サワダ編集長より最新号発売のご挨拶

10年ほど前、娘が生まれて、なりゆきで主夫をやっていた頃。
父として以前に、親として何をすればよいか、何もわからず、おろおろあたふたの連続で、さしあたってしていたことと言えば、おむつのとりかえと、何か食べさせること、そして寝かしつけることでした。
0歳のときも1歳も2歳も3歳も……なかなか寝つかない、義母が言うには「目がかたい子」だった娘とふとんで、不器用なとうさんはただ歌っていましたっけ。
思い出すと、春の歌が多かったなあ。
明るい感じがよろしいのと、どっか眠たくなる要素があるんだよね。そしてこっちも眠くなる。
12月、冬生まれの娘だったから、誕生日のあとに、じわじわとめぐってくる新しい春の陽ざしがとてもうれしかった、そんな記憶が濃く残っています。

「どこかでは〜るぅが」「はるはなのみの かぜのさむさや」「は〜るよこい は〜やくこい」「は〜るのおがわは」「は〜るがきた は〜るがきた」「さいた さいた チューリップのはなが」「は〜るのうら〜ら〜の」「なないろのたにをこえて〜」「なのは〜なばたけ〜に」「あわきひかりたつ に〜わかあめ」
(みなさんはそれぞれの正式タイトル、言えますか? 答えはうしろに)

「つぎはあれ、うたって!」なんて、ぼくのへたくそな歌を次々聴きたがってくれるのは、世界で娘ひとりだったことでしょう。
彼女は今は11歳で、もうそんなことは言ってくれないから、あれはとても貴重な日々だったと思います。
こないだ寝るときには、4歳の弟に、彼女が「は〜るよこい」って歌ってやっていましたっけ。なんか、うれしくって、にやにやしちゃいましたよ。

って、すみません。わたくしごとの、前置きが長くなりました。
まためぐってきた、春!
最新の『暮しの手帖』春号をお届けします。
仲條正義さんの表紙絵がこんなに明るいのは、例年以上に寒く厳しかったこの冬のせいでしょうか? 鮮やかな黄色のカバーの一冊、ぜひ店頭でお手にとってごらんください。
巻頭のお弁当特集から、ワンピースみたいなエプロン、塩豚料理、イカ料理……たっぷりの「げんきの元」を用意しました。
今日からしばらく、編集部員たちの報告がはじまります。
どうぞお楽しみに。
どなたさまにも、よい春のたよりが舞いこみますように。

編集長・澤田康彦

答●「どこかで春が」(作詞:百田宗治/作曲:草川信)●「早春賦」(作詞:吉丸一昌/作曲:中田章)●「春よ来い」(作詞:相馬御風/作曲:弘田龍太郎)●「春の小川」(作詞:高野辰之/作曲:岡野貞一)●「春が来た」(作詞:高野辰之/作曲:岡野貞一)●「チューリップ」(作詞:近藤宮子/作曲:井上武士)●「花」(作詞:武島羽衣/作曲:滝廉太郎)●「花の街」(作詞:江間章子/作曲:團伊久磨)●「朧月夜」(作詞:高野辰之/作曲:岡野貞一)●「春よ、来い」(作詞・作曲:松任谷由実)

最新刊『暮しの手帖のおべんとうのおかず196』

2018年03月09日

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春といえば、お花見? ピクニック?
あたたかな陽気に誘われて、お弁当を持って、外で過ごすのが心地よい季節です。
そして、春は新学期、新生活もスタートします。
「春からは、お弁当作りを続けるぞ、始めるぞ」
そう意気込む人は、少なくないでしょう。
とはいえ、「おかずがマンネリ化しがち」「献立を考えるのにひと苦労」と、お弁当作りへの悩みは次々と出てきます。

そんなお弁当作りが楽しくなるレシピやアイデアを集めて刊行した別冊『おべんとうのおかず196』(2014年)を、内容はそのままで単行本化しました。

料理は、瀬尾幸子さんに「多彩な定番おかず」、脇雅世さんに「作り置きおかず」、そして松田美智子さんに「カロリーオフおかず」と、家庭料理に定評のある3人の料理家に、合わせて196品のレシピをご提案いただきました。
多種多彩なレシピを「メインおかず」「サブおかず」「付け合わせ」に分けて単品ごとに紹介。また、料理の素材からおかずを選べるように、「素材別さくいん」があるなど、お弁当作りのさまざまなニーズに合わせて、ご活用いただける内容になっています。

お弁当作りに気負わず取り組める一冊として、ぜひ書店でお手にとってご覧ください。
詳しい内容は、下記のリンクより。(担当:矢野)
https://www.kurashi-no-techo.co.jp/books/b_1181.html

この雪の向こうに、春が?

2018年01月24日

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サワダ編集長より最新号発売のご挨拶

「この雪はいっしょに見てるっていうのかな 電話の向こうで君がつぶやく」
とある友だちがむかし詠んだ短歌です。
一昨日、イベントのご案内でも書いたように東京は雪で、京都の家族に電話したら、あちらも雪。
「こっちも降ってるよ! おとうさん」と娘。
おお、いっしょだね。
で、上の短歌を思い出したのでした。

この雪の向こうに、春が待っているのでしょうか?
それともまた別の雪が舞ってくるのでしょうか?
Listen, the snow is falling♪
とか、雪の降るまちを~♪
とか、さらには
なごり雪もぉ♪……

と、編集長はすぐ古い歌を口ずさみ、編集部ではケムたがられる傾向にあるので、この話はこれくらいにして。
と書いていたら、隣で局長の久我翁が
雪が降る~♪
とアダモうたいだしました。

さあ「早春号」、いよいよ発売です。
2018年の1冊目。昨秋から準備し、編んできた1冊。
どうぞお手にとって、どこからでもお読みください。
編集者の手帖(編集後記)でも書いておりますが、たっぷりの「きらきら」、たくさんの「うわあ!」を用意したつもりです。
お気に入りの頁はありそうですか? これは使える、という頁は?
さらに今年はこんなのをやって! という企画はありませんか?
(毎度繰り返して恐縮ですが)広告を入れない雑誌です。
本屋さんでの売れ行きだけが頼り。スポンサーは読者のみなさんです。
ご感想ご意見ご提案をいつもお待ちしています(巻末に切手不要の葉書もありますよー)。

明日から編集部員たちが、ひとつずつ、それぞれ担当の特集頁のご案内をさせていただきます。
本誌とは別の側面がご覧いただけると思います。
ぜひおつきあいください。

編集長・澤田康彦

『子どもに食べさせたい すこやかごはん』

2017年12月04日

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毎日のごはんで元気なからだをつくる。
健康に育つカギは「和食」にありました。

 子育て真っ最中のおかあさんのグループ「おかあさんの輪」が、ついに待望の「ごはんの本」を完成させました。
前作の、素朴で安心な手作りおやつのレシピ集『子どもに食べさせたいおやつ』(2007年刊)は、「これなら私にもできる」と思える手軽さとユニークなアイデアから、現在も多くの読者の支持を得ています。これまで編集部には「今度はごはんの本を!」というご要望がたくさん寄せられていました。
 そんな読者の信頼のあついおかあさんの輪のみなさんですが、集まるようになったきっかけは、自身の子どもがアトピー性皮膚炎や気管支ぜん息、鼻炎などのアレルギー体質だったことからでした。「薬にばかり頼りたくない」、「もっと強いからだになってほしい」、そんな同じ思いを抱えるおかあさん仲間なんです。
「からだをつくる毎日のごはんで、体質を改善させたい」。そう願って毎日試行錯誤のくり返し。お互いに食の知識を深め合い、励まし合い、学び合うなかで、子どもにアレルギーがあるかないかにかかわらず、その輪は次第に広がってゆきました。今では、小中学校で食育の授業や、調理の指導をする活動も行っています。
さて、おかあさんの輪が考える子どものからだに良いごはんとはいったいどんなもの? おかあさんの輪は、素朴な疑問に着目しました。
「子どもたちの世代にアレルギーが増えてきているのはどうして……?」。そして、シンプルなことを実践してみることにしたのです。それは「アレルギーが今ほど多くなかった頃のごはん」に戻ってみよう! ということ。つまり、日本で昔から食べられてきたごはんの食べ方、「お米、味噌汁、お漬け物」を土台とした、穀物と野菜が中心の食事。たんぱく質も昔のように、魚や豆のおかずから。油や砂糖は少しだけといった具合です。
これを基本にして毎日のごはんを作り続けたおかあさんたち。すると、ゆっくりではありますが、からだの根本が整うようにして、子どもと、一緒に食べていた自身の体調も良くなっていったと言います。
本書では、そんなおかあさんの輪が日々試行錯誤してたどり着き、子どもにも好評だったと太鼓判を押す86品を紹介しています。野菜たっぷりの滋味豊かなおかずや、良質なたんぱく質を摂るための魚介と大豆のおかず。どれも身近な食材で、かんたんな調理で作れます。また、ぬか漬けの作り方や、だしの取り方、おすすめの調味料や油のこと、おべんとうのアイデア13種類なども。
あたたかくて優しいイラストをお寄せくださったのは、小学校の国語の教科書(光村図書)でお馴染みの大野八生さんです。
子どものすこやかな成長を願う方々に、ぜひご活用していただきたい一冊です。
詳しい内容は、下記のリンクよりご覧ください。(担当:村上)
http://www.kurashi-no-techo.co.jp/books/b_1180.html

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港港に友のあり──編集長より最新号発売のご挨拶

2017年11月24日

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コンニチハ。
みなさんはどんな秋をお過ごしでしたか?
ぼくの秋は、京都、滋賀、徳島、高松、盛岡、三浦半島……と、公私ともどもけっこうあちこちしましたよ。
狭い日本ですが、タテには長いので、季節の変わり目はその違いが如実に出ます。
先日、京都で迎えた朝、めずらしく娘を小学校まで見送りがてら一緒に歩きました。娘はまだ手をつないでくれますが、友だちを見かけるとぱっと手を離す、小学5年生です。大きくなっちゃったなあ。
……なんて話はともかく、京都の寒い寒い早朝、凍えるような舗道には、イチョウの葉が今を盛りと真っ黄色に色づき、朝の陽光を浴びてきらきら輝いています。
一方で東京はというと、まだこれから。そう、東京の町が黄色く色づく盛りは12月なんですよね。

盛岡は、花森安治展があって9月の末に訪ねました。いつもはどこに行っても、呼び出すのが「その地の友人」というやつですが、盛岡の友は全員東京に出ているので、ああさびしく日帰りかあ……なんてがっかりしていたら、講演会に突然現れたのがIくん。もう10年ぶりくらいかなあ。以前ぼくが遊びで短歌会をやっていたときに知り合った仲間です。
なんだあ、今は盛岡なのかあ!「ちょっと太ったねえ」「サワダさんこそ」「講演後、飲みに行かへん?」「いいっすよー」
と、まことに軽いやりとりで、こういう感じ、ぼくは好きだ。
Iくんは、「12万キロ走った」という軽自動車で市内を案内してくれたあと、〈光原社〉にもつきあってくれ、さらに駅前の〈ぴょんぴょん舎〉へ。焼き肉と冷麺に、なつかしい友人という、うれしい夕べ。結局新幹線の終電近くまで相手をしてくれました。こういう展開、大好きです。
港港、町という町に友のあり、が人生の醍醐味であると、ぼくは信じて生きる者です。
先日はその盛岡の友から「雪でタイヤを履き替えました」なんて報告あり。ああそちらはもう冬なんだね!
友がいると、遠い町が近くなり、想像力、思いを馳せることができます。遥かな町の天気予報も他人事ではなくなるものですね。

さあまた新しい号の発売です。
『暮しの手帖』は、全国誌。港港、町という町の多くの書店に運ばれてゆきます。
その先の、会ったことのない読者のことを思い描きつつ、編集部員たちはいろいろな特集を編んでいるのです。今回は、やりたい企画が多かったので、一気に増頁、特大号としました。ボリュームのある一冊になったと思います。
ぜひお手にとってご覧ください。
週明けからしばらく、編集部員たちがそれぞれの担当頁の報告をさせていただきます。編集長は「面白いことを書くように」とだけ命じております。本欄をどうぞお楽しみに。
よい冬をお迎えください。

編集長・澤田康彦

最新刊『わたしの暮らしのヒント集3』

2017年11月22日

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すてきなあの人、気になるこの人。魅力にあふれ、注目されている方は、何かしらの気づきや心がけている習慣をお持ちです。それが、「暮らしのヒント」です。毎日の暮らしをスムーズなものにし、心豊かに過ごすためのコツともいえる大切なものです。
おかげさまで、別冊『暮らしのヒント集』シリーズは、号を重ねるごとに、たいへん多くの読者の皆様にご購読いただいております。この3冊目も、既刊の2冊と同様に、このたび、長く、より多くの皆様にお読みいただけるように、単行本化しました。

この本にご登場いただいたのは、ヤエカのデザイナー井出恭子さん、料理家の大原千鶴さん、コスチューム・アーティストのひびのこづえさん、建築家の中村好文さん、画家の安野光雅さん、家事評論家の吉沢久子さん……。取材当時30代から90代まで7世代17人の方々にお話をうかがいました。
取材をお願いすると、みなさん最初は「ヒントになるようなことは特に何もしていないですよ」とおっしゃいます。でも、よくよくお話をお聞きすると、いくつもいくつも出てくるのです。ご自分では何気ない、毎日の当たり前のことでも、他人から見ると、「なるほど」とひざを打つ、感じ入ることばかりなのです。今日からすぐできる小さなアイデアから、奥深い生活信条まで。誌面の中から拾い上げて、あなたの暮らしに取り入れていただきたいヒントがたくさんありました。暮らしのようすを切り取ったたくさんの写真とともにご紹介しています。衣食住にわたる多彩で充実した内容の一冊です。

巻頭特集は、「有元葉子さんの『料理じょうず』になるヒント」。毎日、切れ目なく続いていく料理だからこそ、「書いてあるレシピ通り」に作るだけではなく、「自分のものにする」ことが大切。おいしい食卓をつくるには何が大切かを教えていただきました。
「岡尾美代子さんの靴とバッグ」は、人気スタイリストの岡尾さんならではの、ファッションだけではない、センスあふれるものの選び方、ものとの付き合い方をご紹介いただきました。

詳しい内容は、こちらをご覧ください。(担当:宇津木)

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「澄んだ空に 大きなひびきが」  ──編集長より最新号発売のご挨拶

2017年09月25日

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「いつの間に もう秋! 昨日は
夏だつた……おだやかな陽気な
陽ざしが 林のなかに ざわめいてゐる
ひとところ 草の葉のゆれるあたりに」
    (「また落葉林で」立原道造)

8月が終わり9月となって、まだ続く夏の名残の陽気のなかで、真っ青な空や、夕焼け雲を見たり、虫の声を聴き、昼の短さや風のつめたさを感じる日々。
どの瞬間にも自動的に上の詩の一節が降りてくるのです。
「いつの間に もう秋!」
若い詩人が、秋の到来に感嘆符までつけて、びっくりしています。
戦前の繊細な詩人と同列で語っては叱られるのですが、本当に夏ははかなく、秋ってやつは、あっというまに忍び込んでくる(春の到来より圧倒的に早い)。
昨日は夏だったのに……とぼくもそう思う者です。毎年、まいとし。
わあ、もう二学期かあ、とびっくりしてきたのです。
わあ、あの子はもう長袖だ! とかね。

そして『暮しの手帖』も、もう秋号! であります。
このひと夏、この新しい秋のためにみんなで企画、準備し、紡いできた1冊をお届けします。
どの特集がみなさまのお気に召すでしょうか? ぜひお手にとってご覧いただければ幸いです。明日からしばらく、編集部員たちがそれぞれの記事のご報告をいたしますので、どうぞお楽しみに。

ところで、立原の上の詩にはこんな一節もあります。

「澄んだ空に 大きなひびきが
鳴りわたる 出発のやうに」

この詩はボードレール「秋の歌」に由来する。

「昨日は夏だった 今はもう秋!
不思議な音が鳴り響く 出発のごとく」(澤田訳)

詩人たちは、どんな音を秋の日に聴いたのでしょうね?
それも毎年、ミステリーのように思うことです。
その音は、ぼくには計り知れないけれど、「出発のやうに」や「COMME UN DEPART(コム・アン・デパール)」って唱えてみて、背筋のしゅっと伸びる、気持ちのいい季節。
90号、出発です。

編集長・澤田康彦

「まぶたににじんだ夏 早く来い」

2017年07月24日

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 ──編集長より最新号発売のご挨拶

先日、無事に最新号89号を校了して、雨上がりの明るい夕暮れ、編集部から外に出たら、会社の前庭で一匹のセミの声がシャーシャーと響きました。初鳴き(初聞き?)。
わあ、これは「おつかれー」って歌ってくれているんだなあ、と勝手に思ったものです。
ありがとうね。
君もようこそ、地上へ! いい娘(こ)と出会えたらいいね。
ぼくの夏はいつもセミの声から始まります。
「くらしのてちょう、でたよ~」のセミしぐれのなか、あの町この村で、新しい夏の『暮しの手帖』をお手にとって、ご覧くださいね。
(仲條正義さんの今回の表紙絵はホタルです!)

さあ、夏!
「もういくつ寝ると」と数えるのはお正月ですが、ぼくの感覚では「夏休み突入」のカウントダウンの方がより興奮度が高いのです。
おかしいですね。いまだに学生の気持ちが残っていて、なんか梅雨が明けるこの時季はそわそわします。
ぼくはもうとうに(三十数年前から!)社会人で、梅雨が明けたといったところで、仕事はやっぱりたんとあるのですが、なんなんでしょう、この解放感。
7月下旬の、やったー、1学期が終わったー! って幸福感。
しばしサヨナラ、教室よ! って、寂しいような、ほっとするような。
こんなウキウキ感覚のまま、毎年夏を迎えてきたのであります。

 約束を二十分過ぎ二杯目のミュスカデの先 夏月浮上  やすひこ

ぼくがずっと前、夏に詠んだ素人短歌です。お題は「きいろ」。昔からお酒好きでした。ミュスカデは、さっぱり系白ワイン。
って話はともかく、短歌の友人から返ってきた「きいろ」がこれ。

 開けた窓昼寝の2人陽のきいろまぶたににじんだ夏 早く来い  ねむねむ

素敵ですね。「まぶたににじんだ夏」って。
忘れられない、好きな歌です。
ぼくのまぶたには、陽のきいろだけではなく、過去の夏のいくつもの絵、シーンがにじんで残っています。きっとみなさんのまぶたにも。
2017年の夏も、いいシーンが記録できますように。
たくさんいいこと、ありますように。

さあ明日からしばらく、各編集部員がゆっくりと中味のご紹介、ウラ話をお届けしていきます。どうぞお楽しみに。
(『暮しの手帖』巻末には切手不要のアンケート葉書がありますので、ぜひご感想をお寄せください。)

編集長・澤田康彦

編集部、だれもいない!──編集長、最新号のご挨拶

2017年05月24日

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ぼくの住まいは、北新宿。会社の近くです。歩いて5分。
家族は京都で、ぼくは単身赴任。
となると、物理的に家は仕事場=事務所みたいになってきています。
会社のパソコンと家のパソコンはまったく同じiMac、21.5インチだったり。
帰ってまた仕事を始めるときに、ありゃりゃと思ったりすることもしばしばです。あのファイルがない! とか。そうか、会社のほうだったなー、とか。
ともかくなんだか仕事ばかりしているのです。
特に原稿書きの仕事が多い(この文章もそうだ)。
1年半前の入社以来、極力編集部にいることにしていましたが、みんなが次々と相談ごとにやってくるので、楽しいけど、純個人作業である執筆には不向きであるということに気づきました。
原稿というのは、できれば一気呵成に書いたほうがいいと信じる者ですが、それがまったくはかどらないのです。
ハンコだけでも一日何度押していることでしょう。
試作だって気になりますよね。「コロッケ、試食お願いしまーす」って。それでなくても気が散る性格なのに。
ですので、最近は午前中を「自宅原稿書き」「講演用の原稿作成」等に使うということがけっこうあります。
昨日も、朝から3時間ほどかかって、とても面白い(気がする)原稿をしあげました。昔なら、原稿用紙をとんとんとそろえて、ふー、てなところです。
そのあとは急いでシャワーを浴びて出社です(原稿を書いたあとはくさくなっている気がなぜかするのです)。
編集長決裁の案件も多いはず。みんなが待ってくれているだろうなあ、すまんすまん、なんて思いながら、急ぎ足で4分、古いビルの3階の編集部まで駆け上がります。
ドアを開ける。
しーん──
だ、だれもいない! 昼の1時過ぎにだれも!? 今日は月曜日なのに。16人が消えた?
一瞬、ドッキリ? サプライズ? とも思いましたが、ぼくの誕生日は10月ですし、うちの編集部員はそんなにヒマではありません。
かろうじて発見したアルバイトさんに聞くと、「みなさんお昼ごはんです」と教えてくれました。
たまたまのからっぽ、だったんですね。
次の号の準備や撮影で忙しく、お弁当率も低いのでした。
ホワイトボード《行動予定表》の写真をおさえました。
どうですか、ずらりと「おひる」「おひる」「おひる」(1名「腰痛のためお休み」)。
面白いなあ。ぼなぺてぃ!
急いでやってきて、ちょっとだけソンした気がする編集長でした。

さあさて、というわけで、最新号発売です。
スタッフのみんな、お疲れさま。88号もたっぷりの試作、検証をやったね!
ピッツァも、9種のやきそばも、切り身魚も、確かにおいしかった!
ハギレで作る小物、すばらしく美しいね!
等々、読者のみなさん、じっくりと184ページ、ご堪能ください。
ご感想もお寄せくださいね。

澤田康彦(本誌編集長)

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別冊『家事じょうずの暮らし』が本日発売になりました

2017年04月14日

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本日は、別冊『家事じょうずの暮らし』の発売日です。
この春、新生活が始まった方、またこの季節に、新たな心持ちで毎日を送ろうと思っている方。ぜひこの本をお読みいただけたら、と願っております。
日々の暮らしのありようは、それを営む住まいに表われます。忙しい毎日のなかで、身のまわりのあれこれに目をつぶってやり過ごしていると、住まいは雑然としてきて、居心地のよい空間ではなくなってしまいます。そんなときは、どうしたらよいのでしょうか。
わたしたちが、さまざまな取材でお話をうかがったり、暮らしぶりを拝見したりするなかで、そのヒントを見つけました。それは、自分らしく生き生きと日々を暮らし、美しい住まいに暮らしている方々は、「家事じょうず」な方ばかりだということです。
料理、掃除、洗濯、整頓……。毎日の暮らしを整えるのは、「家事」なのです。しかも、根を詰めて取り組む、というよりも、家族の生活に合わせて、無理せず自分らしく工夫する。そんな家事の知恵とアイデアの数々をうかがうことができました。教えてくださったのは、11家庭の15人の方々です。
そのほか特別企画は、愛用の調理道具とレシピをご紹介いただいた「飛田和緒さんの道具と料理」、スタイリスト・高橋みどりさんの、ふだんの食卓をさらに楽しく豊かなものにするための「みどりさんの器の楽しみ」、サイズも使い方も自分の住まいに合わせて作れる「帆布で作る収納ボックス」。書き下ろしエッセイは、アナウンサーの有働由美子さん、漫画家の吉田戦車さん、ヤマザキマリさんです。本の詳細は下記のリンクから。または、書店でぜひご覧ください。(担当:宇津木)
http://www.kurashi-no-techo.co.jp/bessatsu/e_2096.html

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暮しの手帖社 今日の編集部