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隠れた魅力を探しに

2017年12月13日

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隠れた魅力を探しに
(91号「今日の買い物 名古屋へ」)

突然ですが、昨年行われたあるアンケートで「もっとも魅力に欠ける都市」の第一位に選ばれたのはどこか、ご存知ですか?
実は、名古屋市なのだそうです。
連載「今日の買い物」の取材で全国各地を訪れている編集者の岡本仁さんは、この結果に首を傾げてしまったといいます。なぜなら、モダニズム建築やパブリックアートに興味のある岡本さんにとって、「名古屋はただ歩いているだけで、宝物だらけの都市」とのこと。
名古屋取材から戻った岡本さんの写真を見せてもらうと、地下鉄のコンコースやホームの美しい壁画がずらり。こんなにすばらしい壁画にあふれているなんて……! とびっくりするとともに、目線を少し変えるだけで、街の印象は大きく変わるのだと実感しました。
つづけて岡本さんが見せてくださったのは、滞在中に何度も食べたという「きしころ」(きしめんの冷たいものをそう呼ぶのだそう)の写真や、いろいろなお店で食べ比べたというモーニング、鮮やかな色合いの有松鳴海絞りの手ぬぐい――。
岡本さんのお話を聞き終える頃には、すっかり名古屋に行きたくなってしまったのは言うまでもありません。(担当:井田)

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新しい家庭の味に出合いました

2017年12月12日

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新しい家庭の味に出合いました
(91号「リゾットの新提案」)
本格的なリゾットが、おうちでも簡単に作ることができたら、なんて嬉しいのだろう。という思いからはじまった企画です。
ブイヨンやダシを使わず、お鍋ひとつで仕上がる手軽さで、具材も入った、食べごたえのあるリゾットならば、きっと素敵な食卓になるだろう。
と、編集部でのイメージはどんどんふくらんでいきました。
そんな多くの問題を解決し、素晴らしいレシピを教えてくださったのは、料理家の脇雅世先生です。家庭で身近な食材を使い、ダシを使わず、米を洗わず、お鍋ひとつで完成するボリュームのあるリゾットは、まるでチャーハンを作るような手軽さです。
具材のうま味が、ふっくらとしたお米にしっかり馴染み、ほおばるごとに笑顔になれる、あたたかなリゾットを、ぜひご家庭でお試し下さい。(担当:山崎)

人はいろいろ、家族もいろいろ

2017年12月08日

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人はいろいろ、家族もいろいろ
(91号「家庭教育支援法案から考える 家族ってなんだ」)

「家族なのに」。「家族だから」。よく聞く言い回しですよね。でも、こういう言葉を耳にするたび、私の心には、言いようのないモヤモヤが立ち込めます。「なのに」「だから」。これらの言葉の選択が、「家族」にまつわる、ある一定の価値観やイメージの強要を象徴しているように思えるからです。
たとえば「家族なのにつめたい」と言うとき。そこでは「家族はあたたかいものだ」という前提が共有されています。
あるいは、「家族だから助け合う」と言えば、「そうするのが当然だ」というニュアンスが伝わりますよね。
でもでも、とそこで私は思うのです。「家族」はひとつひとつ、そして人それぞれに違うものなのだから、そういうふうに十把一絡げにすることなんか、本当はできないんじゃないかしら、と。
今回の企画は、そんな私の「モヤモヤ」から生まれたものです。現在準備されている、「家庭教育支援法案」という法律案を切り口に、「個人と家族」の関係性や、「社会と家族」の位置づけ、あり方について、改めて考えます。
コラムニストのジェーン・スーさん、作家の山崎ナオコーラさん、同じく作家の佐川光晴さん、社会学者の岸政彦さん、文筆家のアーサー・ビナードさんに、「家族」について語っていただく頁もあります。皆さんがいま一度、「私の家族」について考えるきっかけになれば幸いです。(担当:島崎)

すてきで便利な、この冬の相棒。

2017年12月06日

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すてきで便利な、この冬の相棒。
(91号「ふたりの手袋」)

このところぐんと寒くなり、手袋の出番がやってきました。
みなさんはどんなものをお使いですか?
ニット作家のすぎやまとも先生は、「手袋を編むのなら、指にフィットしてあたたかい5本指が断然おすすめ」と言います。
わたしは人一倍手が小さいので、既製品では指先が余ってしまい、悲しい思いをしてきました。ですから、自分の指にぴったりに編めると聞いて、ときめいたのです!(もちろん、長くも、太くも、細くも編めますよ。)
それならば、と、さらに先生にリクエストをしてみました。
「手袋をしたまま、指先が自由に使える工夫ができませんか?」
こうして特別に考えていただいたのが、今回の手袋です。
ポイントは指先のカバー。一見普通の5本指ですが、カバーをはずせば指が出て、携帯電話の操作などができる優れものです。
5本指を編むのは難しそうに思うかもしれません。
わたしも初めはそうだったので、試作を繰り返し、写真をたくさん使って丁寧に作り方を解説しました。この通りに手を動かせば、いつの間にか慣れて、編むのが楽しくなると思います。
女性用、男性用のすてきな編み地をご紹介しています。贈り物にもぜひお役立てください。(担当:平田)

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そのまま食べておいしい、作りおきにもうれしい

2017年12月04日

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そのまま食べておいしい、作りおきにもうれしい
(91号「まとめて蒸して、どう食べる? いろんな蒸し鶏」)

「今日、なに食べたい?」
と聞くと、週に一度は、「蒸し鶏!」と返ってくる鶏好きの家族のおかげで、すっかり蒸し鶏マスターになりました。でも、毎週食べていると、タレを変え、付けあわせを変えても、どうしても飽きてしまうし、保存しておいた蒸し鶏もうまくアレンジできない……。

そんなわが家の事情からうまれた企画ですが、料理家の堤人美さんが教えてくださった蒸し鶏は、わが家の食卓への登場頻度が週に一度から二度に増えてしまいそうなくらい、とびきりおいしいレシピでした。

これまでは鍋で茹で蒸ししていましたが、今回のレシピではフライパンで手軽に、さらにおもいきって、4枚の鶏肉をまとめて蒸してしまうのです(26cmのフライパンはぎゅうぎゅうです)。

2枚はあたたかいうちにいただき、残りは冷蔵(冷凍)保存。アレンジレシピは、ポトフに、チリソース、和え麺に、サンドイッチとさまざまな料理に変身します。火が通っているので、フライドチキンだって短時間で作れます。
お正月にぜひ作っていただきたい、むね肉入りの「大根とにんじんのなます」。まろやかな味わいで、酢のものが苦手な子どもや男性でも食べやすいでしょう。

わがスタッフも、この撮影以来、毎週蒸し鶏を作っているとのこと。
本当に、心からおすすめします!(担当:小林)

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編集部員がおすすめ本を紹介します。

2017年12月01日

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編集部員がおすすめ本を紹介します。
(91号「本屋さんに出かけて」)

「最近、本が読まれなくなった」と聞きます。たとえば電車では、たくさんの人が手にしているのはスマホです。インターネットは便利でコンテンツも豊富ですから。でも、同じ車両に数人は、本を開いている人が必ず数人はいます。少なくなりつつあるのかもしれないけれど、まだまだ本は読まれているし、これからも読まれていくことでしょう。もちろん、私たち出版社は、これからも魅力ある本を作っていかなければなりません。

などと書いている私は、10代後半までほとんど本を読まない子どもでした。でも、ある作家の作品に出合い、小説をよく読むようになり、歳を追うごとに、いろいろな作品へと読書の幅は広がっていきました。心の成長と感受性が変化する年頃で、よいタイミングだったのでしょう。みなさんもそんな出合いがありませんでしたか?

さて本題です。「本屋さんに出かけて」のページは、編集部員の皆が最近読んだ本を、それぞれが読んだ感想を含めてご紹介するものです。小誌は隔月刊ですから、2カ月に一度、ひとり数冊ずつ提案して、その中から毎号8冊を選んでご紹介しています。実際に本屋さんの店頭で出合った本を購入して読んでいます。
一般的に雑誌などの書評欄というのは、文学者や批評のプロの執筆者に依頼して、書いていただくというのが多いでしょう。それを、編集部員が担うというのは、いささか不相応の感があります。でも、だからこそ、本の読者のひとりとして、わかりやすくお伝えできるのではないか、と考えています。

今号でご紹介しているのは、谷山彩子さんの『文様えほん』、佐藤雅彦さんの『新しい分かり方』、寺本紗穂さんの『あのころのパラオをさがして』、若菜晃子さんの『街と山のあいだ』、在本彌生さん写真の『熊を彫る人』、阿部岳さんの『ルポ 沖縄 国家の暴力』、『山の家クヌルプ』、『お父さん、だいじょうぶ? 日記』の8冊です。絵本から社会派ルポまで、多彩なラインアップ。それぞれ、編集部員の心に響いたのは何なのか、私たちの言葉で素直にご紹介しています。

また、毎号誌面ではご紹介しきれなかった、すてきな本がたくさんあります。それらは、小社のウェブサイトの「Blog 手帖通信」とフェイスブックにも、web版「本屋さんに出かけて」でご紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

そういえば先日、吉祥寺の書店で、小学生くらいの女の子が、佐藤雅彦さんの『新しい分かり方』をとても熱心に立ち読みしていて、戻ってきたお母さんに「これすごくおもしろいよ!」とちょっと興奮気味に話しているシーンに居合わせました。たぶん、そのあとお母さんは買ってくれたのではないでしょうか(と思いたい)。この本の内容からして、まさに知的好奇心に目がキラキラ! という感じで、なぜかとてもうれしくなってしまいました。
偶然、本屋さんで出合った本。そのページをめくるたび、少しずつ世界が広がる。それは何歳になっても経験できる、素晴らしい体験ですね。私たち編集部員は、今日も本を読み、そこのすばらしさをお伝えしたいと考えます。ぜひ皆さんも本屋さんへ足を運んでみてください。(担当:宇津木)

みんなを助けてくれる「良い魔女」のようです

2017年11月30日

動画は取材時の様子を5分弱にまとめたものです

みんなを助けてくれる「良い魔女」のようです
(91号「松岡享子さんと雪のブローチ」)

この企画は、児童文学者の松岡さんの「雪のブローチを作っているのを、ぜひ紹介してほしい」というお話から始まりました。東日本大震災後に陸前高田を訪問した松岡さんは、市内の小友(おとも)小学校に毎学期訪問して本を贈っています。ブローチの売り上げが、その活動の費用に充てられているのです。

撮影に伺ったご自宅は、かつては、子どもたちがやって来て、本を借りたり、お話を聴いたりする「松の実文庫」でした。黄色の外観は親しみやすく、ピアノと暖炉のある部屋と本棚にいっぱい書籍が詰まっている部屋があり、どちらも窓からは光が入って、とても居心地がいいのです。トップのブローチや人形、裁縫道具など、それに松岡さんご自身を撮影しました。

手芸好きの松岡さんは、「こんなに楽しいこと、みんなも作ればいいのに」とおっしゃいます。材料は古着のセーターやフェルト、刺しゅう糸、牛乳パック、ブローチピンなど手に入りやすいものばかり。ブローチの直径は4~5センチほど。撮影の合間にも、松岡さんはどんどん手を動かして作っていきます。習いながら、雪の結晶を刺している私たちは、その手の速さにまったくついていけません。見る間に、雪の結晶が出来上がり、魔法のようです。

5頁で松岡さんが手にしているネコの人形は、出てきた時はひげが少しとれていて、しょんぼりしているふうでした。ところが、松岡さんが箒から1本抜いて、さっとひげをつけてあげると、ネコの表情が生き生きとしてきました。即興でネコと女の子になって話す松岡さんの声は、会話とは違う張りと表情があります。すっかり引き込まれてしまいました。

子どもの頃から、本を読むのも、友人にお話をするのも、手を動かして手芸をするのも大好な松岡さん。古着のセーターと余り布から作った人形で、子どもたちにしていたお話が本になった『なぞなぞのすきな女の子』など、大好きなことすべてが現在につながっていることを実感しました。まるで、みんなを楽しくするものを出してくれる、童話の「良い魔女」のようです。

ただし、お金は魔法のようには出てきません。松岡さんが創設者のひとりとなっている、東京子ども図書館は公的助成金がなく、出版や人材育成などの事業収入と、寄付やバザーの売り上げなどで活動しています。「良い魔女」の活躍を私たちも助けることができます。

「松岡享子さんと雪のブローチ」をご覧いただき、魔法の一端に触れてください。(担当:高野)

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白菜、大根……丸ごと買っても大丈夫!

2017年11月29日

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白菜、大根……丸ごと買っても大丈夫!
(91号「野菜を丸ごと使いきりたい」)

スーパーや八百屋で、いつも迷うことがあります。
それは、野菜を丸ごと買うべきか、はたまた1/2などカットされたものにするべきか……ということ。
もちろん前者のほうが新鮮でおいしいのですが、「今日も白菜、明日も白菜だと飽きるかな」という思いが脳裏をかすめ、あらかじめカットされたものを選ぶことが多くなっていました。
野菜が新鮮なうちに、飽きずに食べきるにはどうしたらいいのだろう。
そんな問いに対して、料理家のウー・ウェンさんはほがらかに笑いながら、
「わが家では、どんな野菜でもあっという間に食べきってしまいますよ! その秘訣は、切り方にあるんです」と話してくださいました。
白菜といえば鍋ばかりのわが家でしたが、ウーさんにレシピを教えていただいてからは、葉と軸に分けて、葉はセンイを断ってざく切りにして豆腐とともに蒸し煮にしたり、軸は細切りにして花椒(ホワジャオ)を効かせた炒めものにしたり、ぐんとレパートリーが増えました。
白菜のほかにも、大根やごぼう、長いもなど冬においしい野菜を通して、ウーさんの多彩な切り方とレシピをご紹介しています。切り方によってさまざまに変化する食感と味わいを、ぜひお楽しみください。(担当:井田)

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私にも、詠めるかも

2017年11月28日

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私にも、詠めるかも
(91号「奥村晃作さんのただごと歌」)

とつぜんですが、皆さん、「短歌」にはどんなイメージがありますか? 「高尚そう」? 「難しそう」? 「あれ、川柳や俳句となにが違うんだっけ」、なんて方も、いらっしゃるでしょうか。
なじみのない人にとっては、ちょっと遠いもののように感じられるかもしれませんが、歌人の奥村晃作さんは、「短歌は誰でも詠めるものですよ」と仰います。「人の心は常に動いています。大きな感動でなくても、小さな心でも、歌にすることはできるんですよ」。
現在81歳。奥村さんは、自分の作品を「ただごと歌」と呼び、身の周りにあるもの、日常に起きることを題材に、平易な言葉で短歌を作り続けています。本号の企画「奥村晃作さんのただごと歌」では、奥村さんに、短歌のおもしろさや奥深さ、ご自身の創作について伺いました。

ひとつ、ふたつ、奥村さんの作品を紹介してみましょうか。「ただごと歌」がどんなものか、お伝えするには、きっとそれが一番です。
まずは、私が大好きな歌を。

犬はいつもはつらつとしてよろこびにからだふるはす凄き生きもの

なんだか、とても可愛い歌だと思いませんか。ストレートな描写から、犬のさま(いつもニコニコしてこっちを見てる!)や手のひらに伝わる体温がまざまざと思い起こされますし、それを「凄き生きもの」として、奥村さんがいちもく置いている様子なのも、ほほえましく思えます。

 もう一首。

海に来てわれは驚くなぜかくも大量の水ここに在るのかと

いくつのときに詠んだ歌なのかは、わかりません。でも、もちろん、大人になってから詠んだ歌のはずなんです。なのに、子どもみたいに、まるきり新鮮に海を受け止めている。この歌に接して、私は、「短歌というのはこういうふうに、目を見開いて、世界に感動することからはじまるのかもしれないな」と思いました。

奥村さんのように、まっさらな目で日常を眺め、小さなことも心に留めて、それを伝わる言葉で表現できたなら。きっと、すてきですよね。
ということで、今回の企画では、皆さんからも短歌を募集することにしました。特集をお読みになって、奥村さんの世界を堪能したら、ぜひ、皆さんもご自身の「ただごと歌」を模索してみてください。お題や投稿のルールなど、詳細については誌面でご確認を。個性あふれる作品を、楽しみにお待ちしています。(担当:島崎)

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あなたはフランス料理を作ったことがありますか?

2017年11月27日

あなたはフランス料理を作ったことがありますか?
(91号「こんなフレンチ、知っていますか?」)

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あなたは、フランス料理を作ったことがありますか?
いやいや、それはレストランで食べるものでしょ……と思う気持ち、わかります。
私もまさに!そうでした。
でもそんな方にこそ、ぜひご紹介したいのがこのフレンチです。
教えてくださったのは、料理家の渡辺麻紀さんです。
渡辺さんは、フランス料理研究家・上野万梨子さんに師事後、料理学校の名門ル・コルドン・ブルーに勤務し、フランスとイタリアへ料理留学されました。
料理するのはもちろん、食べるのも大好きで、世界各国のおいしいものの話をして盛り上がると、勢い余って目の前の人をハグしてしまうような、朗らかなお人柄が魅力です。

「クラシックなフレンチといえば、数時間かけて肉や野菜を煮込んでフォン(ダシ)をとり、たっぷりのバターと生クリームを使って濃厚なソースで仕上げるもの。
でも、1970年代にヌーベル・キュイジーヌ(フランス語で、新しい料理の意)が提唱されると、調理時間は短縮され、あっさりと軽やかな味わいになりました。
そしてさらに、最近は、しょう油やみりん、海苔、麹など、和の食材を使って作る新しいフランス料理(言ってみれば、ヌーベル・ヌーベル・キュイジーヌ!)が、北欧やオーストラリア出身のシェフによって生み出され、世界各地で広がりを見せています」

「素材の組み合わせ方が新鮮で、個々の味が引き立ち、それもおいしい。
皿にアシンメトリーに盛りつけられた様子は、美しくて、心も華やぐのよ」

「絵を描くように盛りつけたら、料理って楽しいなあ……って、心の底から感じられると思う。肉じゃがを作れる人ならみんな作れる位、ほんとうに作りやすいレシピを提案して、毎日、家族のために料理してきた人に、作ってほしいな」

編集部一の田舎育ち、フレンチをいただいた経験もそう多くなく、作ったこともなかった私が、試作を重ね、わかりにくい箇所の書き方について、何度も先生にご相談して記事にまとめました。

試作した料理を盛りつけ、編集部のみんなに出して、「きれい!」「おいしい!」と言ってもらえたときの、うれしかったこと!
幾つになっても、「初めて」を経験するドキドキとワクワクは、いいものです。

4品から成るコースが、3時間かからずに、完成します。
この冬、ぜひとも腕を振るってお楽しみください。

※写真を撮影してくださったのは、長嶺輝明さんです。
お料理の美しさ、お皿に映るドラマチックな陰影も、ぜひぜひ堪能していただけたらうれしいです。
(担当・長谷川)

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小さな姫君に心うばわれて

2017年10月12日

ものえらび

小さな姫君に心うばわれて
(新連載:ホルトハウス房子「もの選びのまなざし」)

 今号より始まった新連載「もの選びのまなざし」は、料理家のホルトハウス房子先生がその審美眼で選び、ずっと大切にしてきた品々をご紹介するものです。

 ご紹介する品は毎号ひとつ。なのに、器や花器、台所道具から根付まで、先生の口から語られる愛用品の物語は、どれもすてき、どれもおもしろく、とっても選び難いのです。

 今回、さんざん迷った末に選んだのが、木彫の小さなお人形「あすか姫」でした。

 先生とこのお人形との出会いは、なんと60余年前、先生がまだ二十歳の頃でした。

 光明皇后(聖武天皇のお后)の幼少期を象(かたど)ったというその姿は、童女でありながら妖艶で、目が合うと、ちょっとドキドキさせられてしまう。

 「そうね、どこか艶めかしいわね。それでいてやはり、愛らしいでしょう?」と先生。

 小さな姫君は先生とともに、いったいどのような年月を重ねてきたのでしょう? 

 本誌をお読みになったら、いま一度、写真をじっくりご覧ください。姫君の肩のあたりに、その歴史が刻まれているのがわかるはずです。(担当:北川)

人生の最初の、しあわせな3年間を

2017年10月11日

ひきだし

人生の最初の、しあわせな3年間を
(90号ひきだし「乳母車の子育て」)

 ものづくりをなさっている方や、長くひとつのことを続けている方の、心の“ひきだし”を覗かせていただく、生き方や暮らしに迫るドキュメンタリー連載「ひきだし」。

 20回目の今回は、オリジナルの籐の乳母車を制作・販売する「東京乳母車」の横田建文さん、晶子さん夫妻にお話しをうかがいました。
 
 長男が生まれた30年前、ショーウインドーの展示品だった乳母車に魅せられてしまった晶子さん。すでに椅子型のベビーカーが出回っていた当時、乳母車を手に入れることは難しく、都内ではどこにもみつかりません。

 あきらめかけていたころ、建文さんが出張先で偶然みつけた乳母車で、晶子さんは長男、長女との幸せな時間を過ごしました。

 そして二男が生まれたとき、研究肌の建文さんは「乳母車を自分で開発してみよう!」と思い立ちます。さて、その行方は……。

 取材中、乳母車を使っている双子連れのご家族にもお話しをうかがいました。乳母車の広いバスケットの中は、すっかり子どもたちの世界。それぞれ好きなオモチャを持ちこんで、座ったり立ち上がったり寝転んでみたり。

 2歳頃まで、ベビーカー嫌いだったわが子も、この乳母車だったらもしかしたらニコニコ遊んでいたのかなあ。

 「乳母車で過ごすのは、人生の最初の3年間」

 たったの3年間という短い時間が、きらきらした思い出になるように、横田さん夫妻は今日も乳母車を作り続けます。(担当:小林)


暮しの手帖社 今日の編集部