続けるということの尊さ

2020年02月03日

湯町窯DSC_0213

続けるということの尊さ
(4号「湯町窯の画家を訪ねる」)

島根県・松江の玉造温泉駅を降りて2、3分ほど歩いたところに、
「湯町窯」はあります。
大正11年から日用食器を作り続け、かつて、
バーナード・リーチや濱田庄司らも訪れたという窯元です。

画家の牧野伊三夫さんが初めてここを訪れたのは、
なんと30年以上前のこと。
湯町窯特有の、イエローオークルの黄釉の色合いと
三代目の当主、福間琇士さんの人柄に惹かれ、親交を深めてきました。

牧野さんはある日、この窯の事務所で一枚の絵を目にします。
今回の記事は、その絵を描いた琇士さんのお父さんと
湯町窯をめぐるお話です。

取材中、琇士さんがコーヒーカップに取っ手をつける作業を
見せてくださいました。
その時の力強い手と美しい所作が、脳裏に焼き付いて離れません。
その姿からは、何かひとつのことを続けるということの尊さが感じられたのです。

仕事をする時は鋭い目で寡黙な琇士さんですが、
ふだんはやさしい笑顔で、時折ダジャレも飛び出します。
誌面では、そんな琇士さんと牧野さんのやり取りも、
お楽しみいただけたらと思います。
(担当:井田)


暮しの手帖社 今日の編集部