あの日々を身近に感じる4編です。

2018年06月11日

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あの日々を身近に感じる4編です。
(94号「『戦中・戦後の暮しの記録』掲載作の4編をご紹介します。」)

昨年の3月より、「戦中・戦後の暮しの記録」の原稿募集をはじめました。ふたたび戦争をくり返さないために、残しておきたい、残しておくべき一冊(単行本)を作りたいと考えてのことです。
本号では、応募総数2390編のなかから、掲載決定作とした以下の4編を一部割愛してご紹介しています。

「約束の椰子の実」 投稿者・綿森淑子(73歳)
綿森さんは、3年前に押し入れの整理をしていると、出征していた父からの軍事郵便(絵葉書)を見つけます。1944年5月の消印の絵葉書。宛名には当時生まれたばかりだった綿森さんの名前が――。

「みっちゃん、早よう」 話し手・宮内道子(93歳)、聞き手・宮内元子(36歳)
道子さんが体験した1945年7月26日に起きた松山大空襲での悲劇を、孫の元子さんが聞き書きをしてお寄せくださいました。

「愛犬アドヴィン号」 投稿者・毎田至子(87歳)
我が家は女児ばかりで出征兵士を送ることは出来ないからと、軍用犬を育てて奉公する家族のお話。「アドヴィン」と名付けたシェパードは、みんなに可愛がられて育ち、別れの時がおとずれます――。

「親子丼ひとつ」 投稿者・添岡睦雄(74歳)
子ども4人を、女手一つで育てていた母が仕事中に倒れます。そこへ町に一軒しかない食堂から親子丼がひとつ届きます。戦後の食糧難のなか、玉子は貴重で、一年の内、何回も食べられるものではなかったのですが――。

単行本『戦中・戦後の暮しの記録 君と、これから生まれてくる君へ』は、7月下旬発売予定です。どうぞご期待ください。

(担当:村上)


暮しの手帖社 今日の編集部