気負いなく作れる、華やかなお菓子です。

2019年03月28日

マンディアンDSC_0090

気負いなく作れる、華やかなお菓子です。
(99号「絵を描くような渡辺有子さんのマンディアン」)

「マンディアン 」とは聞き慣れぬ名ですが、
今回ご紹介するのは、デパートや洋菓子店などで時折見かける
ナッツやドライフルーツをのせたあのチョコレートです。
写真を見れば、思いあたる方もいらっしゃるかもしれません。

料理家・渡辺有子さんオリジナルのマンディアンは、
なんでも忘れられない美味しさらしい……と聞いて買いに走ったのは数カ月前のこと。
板チョコ状のマンディアンを割って食べてみると、
カリッとしたナッツの食感、ドライフルーツの酸味や甘みがチョコレートと合わさって、
渾然一体の味わいと言いましょうか……うーむ、これはびっくりする美味しさ。
絶妙な味や食感のバランス、そして華やかな見た目にも、
渡辺さんの工夫がぎゅっと詰め込まれているような気がしました。
どうしたらこんな風においしく作れますか? というのが、この企画の始まりです。

今回は、基本のナッツとドライフルーツに加え、
渡辺さんならではのトッピングのアレンジ4種と、ベースのチョコレートをとびきり美味しくするテンパリング(チョコレートの温度調整)の作業もご紹介。
難しいと思われがちなテンパリングですが、
おいしいマンディアンを作るためには、ぜひトライしてほしいところ。
というのも、滑らかな口どけや風味の良さ、パリッとした食感など、
チョコレートの美味しさはテンパリングによって生まれるからです。

温度計を使い、チョコレートを混ぜるヘラの感覚に意識を向ければ、
このくらいかな、という勘どころはきちんと掴めるのでご安心を。
それに、もし失敗してしまっても大丈夫。水分が混ざらない限り、何度でもやり直せます。この安心感に試作中、何度救われたことでしょう……。

テンパリングをして、トッピングをのせる。
たった2工程ですが、おいしく、美しくなるように、と集中して作業すると、作っている方も満たされた気持ちに。粉を使う洋菓子よりも気負いなく作れて、描くような楽しさがあるのが何よりも良いところだなぁと感じます。

ちなみに、編集部で試食をした際は、実山椒と粗塩の組み合わせがいちばん人気でした。
甘いものが苦手な方も食べやすく、お酒と合わせるのもおすすめです。他の4品も、必食ですよ。ぜひ渡辺さん直伝のコツをご覧になって、作ってみてくださいね。
(担当:佐々木)


暮しの手帖社 今日の編集部