メッテさんは日本文学の火付け役

2019年09月27日

メッテ_DSC7076

メッテさんは日本文学の火付け役
(2号「村上春樹の翻訳家 メッテ・ホルムさんと桐生の暮らし」)

デンマーク人の翻訳家メッテ・ホルムさんは、1995年に村上春樹の小説『ノルウェイの森』に出会って以来、20年以上も村上作品をデンマーク語に翻訳してきました。
村上作品はこれまで世界50以上の言語に翻訳されてきましたが、そのほとんどは英語からの翻訳というもの。でもメッテさんは違います。直接日本語からデンマーク語へと訳すのです。
村上作品はデンマークでも大人気で、とくに2001年にメッテさんが翻訳して出版された『ねじまき鳥クロニクル』は爆発的な人気を博しました。
「翻訳家は作家ではなく、他人の言葉や考えを再構築する仕事」と語るメッテさん。
村上作品が世界中で愛されている背景には、メッテさんのような方がひたむきに支えてくださっているからなのだと気づかされました。そんなメッテさんですが、今夏から一年間母国デンマークを離れて、群馬県の桐生市で暮らしているんです。
とにかく彼女に会いたいと、桐生のお住まいにおじゃまして、
なぜ桐生? どんな暮らしを? お仕事は? といったさまざまなことをうかがいました。
その起源は奈良時代から、絹織物の産地として栄え続け、いまも古き良き街並みが残る風情ある桐生と、メッテさんをあたたかく迎え入れているあたたかいご近所の方々、そして何より、何事にも好奇心いっぱいでキュートなメッテさんに魅了され、楽しい取材となりました。(担当:村上)

※翻訳作業に奮闘するメッテさんの姿を追った
ドキュメンタリー映画『ドリーミング村上春樹』が、まもなく公開となります。
村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』に向き合う貴重な映像です。
ぜひ、こちらもぜひご覧になってみてください。
https://www.sunny-film.com/dreamingmurakami


暮しの手帖社 今日の編集部