思いがこもったスープをあなたに

2020年10月05日

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思いがこもったスープをあなたに
(8号「李映林さんの思いやりのスープ」)

みなさんには故郷の味がありますか?
その味にまつわる思い出はありますか?

料理家の李英林(り・えいりん)さんは、韓国・済州島出身です。
自然の恵み豊かな島で、新鮮な海の幸・山の幸に囲まれて育ちました。
お母さまが作ってくれた四季折々のスープを、やがて日本で暮らすようになっても、
子どもたちへ伝えるために作り続けてきた李さん。

取材中、李さんが何度も何度も口にしたのは、
「食べる人のことを思いやり、心を込めて作れば、その思いは伝わるはず」という言葉です。

李さんは料理研究家のコウケンテツさんのお母さまでもあります。
わたしは以前、コウケンテツさんに『暮しの手帖のクイックレシピ』で「豆乳チゲ」を教わりました。
簡単にできるのに驚くほどおいしいので、これまでくりかえし作ってきたお気に入りのレシピです。
今回、李さんに教えていただいたのは、その原点といえる「豆乳の白いチゲ」。
李さんのお母さま、李さん、ケンテツさんへと受け継がれ、変化してきたそのレシピに、
味が伝わる、文化が伝わる、とはこういうことなのだ、と深く感動しました。

李さんのお話を聞いて、私も改めて、家族とともにした食事を思い出し、
台所に立つということに、思いを馳せてみました。

これから肌寒くなる時期に、おいしく滋養に満ちた3種のスープとともに、
李さんの心あたたまるお話を、ぜひ味わってみてください。(担当:平田)


暮しの手帖社 今日の編集部