いびつでヘンテコで、愛しい家

2021年02月01日

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いびつでヘンテコで、愛しい家
(10号「ミロコマチコさんの家づくり」)

本誌の連載「ミロコマチコ奄美大島新聞」第7回(8号)で、
家づくりの様子を綴ってくれた、画家のミロコマチコさん。
「私たちらしく、いびつでヘンテコにできて、
ますます愛しい家になってきている」

そのおおらかで楽しそうな様子に惹かれ、
ミロコさんと親交のある写真家・平野太呂さんとともに、
奄美大島を訪ねました。

家づくりの現場に到着すると、
床に所狭しと積まれたたくさんのコンパネにびっくり。
さらに、引き戸を開けるとカニがいてびっくり。
(連載でも書いていたように、
目の前の海から、カニがやってくるのだそうです)

驚いてばかりのこちらをよそに、
ミロコさんと夫のマサシさんは、
キッチンを設置する壁にタイルを貼ったり、
コンパネで収納を作ったり、
時々お互いの様子を覗いておしゃべりしながら、
和やかに作業を進めていきます。

ここは、もともと二人にとって地縁のない土地でしたが、
次第に島の人との交流も生まれ、
今では、作業中に集落の人が不意に訪ねてくることもよくあるのだとか。

ミロコさんとマサシさんの様子を見ていると、
知らない土地で暮らし始めることも、家を自分たちで作ることも
なんだか特別なことではないような気がしてきて、
不思議と元気が湧いてきました。

年始にミロコさんから届いたメールによると、
無事に家づくりが終わり、新居へ引っ越したとのこと。
でもきっと、ちょっとずつ手を加えたり、屋根を塗り替えたり、
二人の家づくりはまだまだ続くんだろうな。
そんな気がしています。(担当:井田)

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本誌の連載中の「ミロコマチコ奄美大島新聞」


暮しの手帖社 今日の編集部