奥が深い味噌の世界へ

2022年01月26日

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奥が深い味噌の世界へ
(16号「『手前味噌』は楽しい」)

「これ、よかったらどうぞ」
2年ほど前、写真家の尾嶝太(おさこ・ふとし)さんから手渡されたのは、
半紙で包まれた、小さな保存容器でした。
半紙には、「osako. organic miso」という消しゴムハンコの文字。
中身は文字通り、尾嶝さんが前の年に仕込んだという、
こっくりした色合いの味噌でした。

家に持ち帰り、さっそく味噌汁に使ってみると——。
これが、驚くほどおいしいのです。
同じく味噌を手渡されたほかの編集部員も、
惜しみながら少しずつ大事に使っているとのこと。

すっかり「オサコミソ」のファンになってしまった私たちは、
尾嶝さんがどんなふうに味噌を仕込んでいるのか知りたくなり、
下田市にある小さな工房を訪ねました。

このとき仕込んだ味噌の量は、なんと50kg!
その量に圧倒されつつも、作業を見守っていると、
大豆と麹、塩の割合や、それぞれの工程に、
職人気質で勉強熱心な尾嶝さんならではのこだわりや、
家庭で味噌を作る時にも生かせるポイントがたくさんあることに、気がつきました。
そして、尾嶝さんに話を聞けば聞くほど、味噌は奥が深いなぁと、実感。

1月から2月は、味噌作りに絶好の季節。
記事には、家庭向けの材料の分量も記していますから、
今年は、「手前味噌」を仕込んでみませんか。(担当:井田)


暮しの手帖社 今日の編集部