いっしょに旅するように

2022年02月08日

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いっしょに旅するように
(16号 新連載「ふたつの中心」)

こんにちは、編集長の北川です。
今号の巻頭記事「結んで、開いて、旅をする」は読んでいただけたでしょうか?
この記事の主人公、写真家で映像作家の茂木綾子(もぎ・あやこ)さんは、ふしぎな魅力をもつ人です。まるでノマド(遊牧民)のように世界を旅しながら写真を撮り、スイスでアーティストたちと共同生活を送ったのち、淡路島に移住し、廃校を改装して拠点を築く……。そんな短いプロフィールを聞くと、ちょっととんがった芸術家なのかと思いきや、実際の茂木さんは気さくで親切で、あったかい笑顔を浮かべる人。淡路島でともにアート活動をした人たちに、頼られ、慕われたのがよくわかります。

今号から始まった「ふたつの中心」は、そんな茂木さんの写真と文章で構成する見開きの連載です。妻であり、母である茂木さんですが、いまは二人の娘さんもそれぞれの世界に巣立ち、自分の創作のためだけにめいっぱい動ける時間を手にしました。
さて、何をやろう。どこへ行こうか。
この連載のひとつのテーマは「旅」で、茂木さんが各地を旅しながら撮った写真と、そこから想起した言葉とで紡がれます。第1回目は、過去に家族で旅したピレネー山脈の写真より。
ほとんどの人は家族をもち、そこでの役割をはたしながら日々を生きています。でも、妻・夫、母・父といった役割をもちながらも、心のうちには変わらぬ「わたし」がいて、純粋な目で世界を見たり、感じたことを素直に言葉にしたいと欲しているのかもしれない。連載のやり取りを通し、そんなことを考えました。
茂木さんといっしょに旅するように、この連載を楽しんでいただけたらうれしいです。(担当:北川)


暮しの手帖社 今日の編集部