「おしゃれ心」に 灯をつける一冊です

2022年06月15日

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『暮しの手帖』の創刊者である大橋鎭子と花森安治。
二人がはじめて手掛けた雑誌は、
女性のためのファッション誌『スタイルブック』でした。
衣食住、すべてが足りない戦後の暮らしのなかで、
タンスに眠る古い着物をほどいて作れる
「直線裁ちの服」を提案し、
全国から本の注文が殺到したそうです。
この本の始まりに、こんな一文があります。

かなしい明け暮れを過してゐるときこそ
きよらかな おしやれ心に灯を點けよう

戦後と今の暮らしを比べることはできませんが、
長いステイホーム期間を経て、
この言葉がじんわりと沁みてきます。
「たとえ人に会う機会がなくても、
自分を保つために、前を向くために、
おしゃれは必要なことなんだ」
そう感じたことから、今回の別冊
『おしゃれと暮らし』の制作が始まりました。

なかでもお読みいただきたいのが、
「配色レッスン 2022年版」という特集です。
これは『スタイルブック1946秋』にあった
「たのしい配色表」という企画に触発されて生まれたもの。
当時の誌面は、今回の本の表紙にも使われています。

ズラリと並んだ配色案を眺めるだけで、
おしゃれしたい気持ちがウズウズしてくるはず。
お気に入りの配色を見つけて、手持ちの服で
“一人ファッションショー”をしてみてはいかがでしょうか?

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『スタイルブック』の意思を引き継ぐ企画がもう一つ。
「石徹白のはかまパンツ」という、直線裁ちで作る日常着の特集です。
教えてくださったのは、
岐阜県の石徹白という集落に住む平野馨生里さん。
平野さんは、地元の人々が作り続けてきた衣服を
現代ふうのデザインに作り直し、今に伝えています。
布の無駄が出ず、動きやすさも抜群の「はかまパンツ」、
ぜひお好きな布で、作ってみてくださいね。(担当:田島)


暮しの手帖社 今日の編集部