暮しの手帖社 | 花森安治が最後に伝えたこと

花森安治が最後に伝えたこと

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花森が遺した画を表紙に使った第2世紀53号

『とと姉ちゃん』の最終週、いかがご覧になりましたか? 戦争特集号を世に送り出して高い評価を得た『あなたの暮し』でしたが、いよいよ体調が悪化した花山が、珍しく常子にお礼を言ったり、常子の仕事ぶりを認めてほめたり、読者に向けた遺言のような編集後記を口述筆記で託したり。そして、赤い服とベレー帽の女性を描いた表紙絵。常子は、「すてきなひとですね」と見入りました。そして、ついに花山は息を引き取り、常子は遺志を継いで力強く走り続けます。
『暮しの手帖』第2世紀53号(1978年)。これこそ、花森が亡くなったすぐ後に刊行された号で、その表紙画は、「何かあったときに使いなさい」と言われて、とってあった絵です。そして、その号の編集後記の「編集長 花森安治のこと」という文章のなかには、花森から読者に向けた遺言が、実際に掲載されています。
ドラマでは戦争特集号を、花山の仕事の、最後にして最高のクライマックスとして描いていました。実際には、一冊まるごと「戦争中の暮しの記録」の特集号を刊行したのは、花森が亡くなる10年前の1968年でした。それと並んで、花森の代表作と言われるのは、『一銭五厘の旗』という本です。1971年に刊行し、第23回読売文学賞を受賞しました。花森が、『暮しの手帖』で書いてきた文章のなかから、みずから選んだ29編を収録しました。この本には、庶民、ことに女性たちのひたむきで力強い生への礼賛、戦争や公害などへの確固とした対抗姿勢などが、花森のやさしく温かなまなざしとともに、強く厳しい筆致でつづられています。なかでも表題作「見よぼくら一銭五厘の旗」にこそ、「暮しを最優先し、ペンの力で守る」という花森の強いメッセージが込められています。ドラマにも出てきた「庶民の旗」。『暮しの手帖』の精神の象徴、ぼろ布をはぎ合わせた旗が表紙に使われています。また、実際の一連のエピソードは、別冊『「暮しの手帖」初代編集長 花森安治』に詳しく掲載しております。ぜひご覧ください。(担当・宇津木)

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かつて社屋に掲げられていた「一銭五厘の旗」。別冊『「暮しの手帖」初代編集長 花森安治』より

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単行本『一銭五厘の旗』は、いまも刊行しております


暮しの手帖社 今日の編集部