1. ホーム
  2. > 単行本
  3. > 「暮しの手帖」とわたし

暮らしのヒント集

“空襲があったとき延焼を止める、との理由で、私の家も壊されることになってしまいました。
びっくり仰天しました。それも一週間ぐらいしか時間がありません。(……)そのへん一帯が立ち退きですから大変なことでした。長年、住んでいた家を、太い綱を二階の柱に結びつけて、陸軍のトラックが引っぱって、ガッと一気に壊すのです。悲しくて、一部始終を見ていました。ガリガリ、ガリガリ、ガタン、ガタンと、毎日住んでいた家が音をたててくずれ、つぶれていきました。その五カ月あとに戦争が終わることとも知らず、わが家は消えていきました。”


暮しの手帖社 今日の編集部