1. ホーム
  2. > 単行本
  3. > なんにもなかった

暮らしのヒント集

「まさに殺人列車」
“夕暮れの上野駅に着いて驚いた。人の黒山、大きな荷物を持った人達でごった返していた。この人混みの熱気は、敗戦ですべてを失った廃墟から復興に向かって、懸命に明日に生きる人達の姿と見る事が出来た。反面、「おじさん何かくれよ」と寄って来るボロ着の浮浪児、物乞いする白衣の傷痍軍人の姿には、これも敗戦の置き土産かと、悲しい涙が出て来た。”


暮しの手帖社 今日の編集部