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暮らしのヒント集

「肉片を集める」
“今回の現場は爆弾攻撃を受けた製鉄工場だった。「おーい! 皆集まれ」と「むしろ」を五、六枚もった班長が叫ぶ。防空補助員となった学生達(十六~十八歳)を、爆撃でバラバラになった死体の近くに集めた。頭や手足は形が残っているが、腹など柔らかい部分は拳くらいの大きさになり、爆風で生き埋めにされた防空壕の周りに飛び散っていた。十数人集合すると、持ってきた筵を等間隔に並べ、飛び散った肉片を指差し、「一人ずつ揃えて恰好をつけろ」と命令された。”


暮しの手帖社 今日の編集部