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読者投稿 ―この社会のどんなことが気になりますか?―

「任期制」研究者の不遇

2025年07月23日

私は研究者として働いています。研究者の職には「任期あり」と「任期なし」の二つの雇用形態があります。「任期あり」の雇用形態のことを任期制と呼びます。

近年の研究者公募では、助教、講師、准教授といったポジションの多くが任期制のもとで募集されています。これらのポジションは、20代から40代の研究者が対象となります。女性にとっては出産などのライフイベントと重なりうる時期です。

任期制のもとでは、子どもが1歳6ヶ月に達する前に任期が終了し、その後の任期更新の可能性が明示されていないような場合、育児休暇を取得することが難しい場合があります。また、任期制の研究者にとって研究業績は、任期更新や次の職を得る際の重要な評価対象となります。そのため、出産、育児によって研究活動に制約が生じることは、キャリア全体に重大な影響を与えます。

助教以上の任期制のあり方を見直すことが、女性研究者の増加と安定したキャリア形成に必要だと考えます。

 

澁谷顕一(しぶやけんいち・読者)