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ふかふかの履き心地をお試しください

2023年12月01日

ふかふかの履き心地をお試しください
(27号「ルームシューズをあの人に」)

寒さが増してきて、編み物が楽しい季節がやってきました。「今年は何を編もうかな?」と考える時間も楽しいですね。そんな編み物好きの方におすすめしたいのが、今号でご紹介している「ルームシューズ」です。
ニットデザイナーのサイチカさんに、「丈夫で暖かく、すてきなデザインのルームシューズを考えてください」とわがままな依頼をしたところ、すばらしい作品を考えてくださいました。
誌面の編み図を見ると、難しそうに思えるかもしれませんが、解説通りに編んでいくと、あら不思議、思ったほど難しくなく、編むのが楽しくなってきました。編集スタッフは既に3足編み、飽きることがない、と言います。足にぴったりとフィットし、底がふかふかしていて気持ちよく、本当に暖かくて、幸せな気持ちになります。
誌面でルームシューズ着用のモデルを務めるのは、5世紀4号から本誌の1頁目の写真を撮り続けてくださった写真家・砺波周平さんのご家族。ご自宅で履いてリラックスして過ごす様子が写真になっています。
ルームシューズは2つの形で、サイズを調整できます。ご自分のためや、大切な方へのプレゼントに編んでみてくださいね。(担当:平田)

今年もこの季節がやってきました

2023年11月30日

今年もこの季節がやってきました
(27号特別付録「世界を旅する猫のカレンダー」)

2022年版からはじまった、年末年始号の特別付録のカレンダー。
3作目となる今回のテーマは「旅」。料理人でイラストレーターのトラネコボンボンさんに「世界を旅する猫」を描きおろしていただきました。
トラネコボンボンさんらしいチャーミングな猫が、シロクマや大きなクジラに会いに行ったり、イタリアで優雅にパスタを食べたり……自由気ままに世界各地を旅してまわります。

コロナウイルスによる制限が落ち着いても、悲しいかな、円安などの影響もあり、まだ海外旅行は遠のいたたまま……という方もいらっしゃるのではないでしょうか。のびのびと旅を楽しむ猫さんを眺めて、わたしならここでこんなことをしたいと想像しながら、ご一緒に、心を旅させてください。

カレンダーを綴じこんだ袋は、プレゼントの包装紙をイメージして作りました。旅する猫がちりばめられつつ、来年の干支の辰もしっかり登場しています。

こぶりなサイズの壁かけタイプで、どんなお部屋にもなじむ、シンプルなデザインのカレンダーです。毎年飾ってくださっている方は定位置に、はじめての方はお気に入りのスペースにぜひ。(担当:空地)

ゴミ捨てを制すれば、暮らしが快適に

2023年11月29日

ゴミ捨てを制すれば、暮らしが快適に
(27号「暮らしを変える、ゴミの捨て方」)

ゴミを分別していると、判断に迷うことはありませんか。
「プラスチックのシールは、はがしたほうがいいの?」「食用油のびんは?」「びんの内蓋は取る?」……そんな小さな「もやもや」を一掃したいと思い、この企画を考えました。

私たちがゴミを出したその先のことは、よく知らないことが多いものです。たとえば、リサイクルされるびんや缶、プラスチック類などは、「きれいなもの」であることが条件となっていますが、それはどの程度きれいで、どれほど分別されていないといけないのでしょうか。
取材を進めると、大抵のものは「人の手」によって分別作業が行われていることがわかりました。汚れのついた適さないものなどを手作業で除去することで、リサイクル率は高まり、質のいい資源となるのです。そうと知ると、家庭での分別がいかに大切かがよくわかります。

また、良かれと思ってしていることが、逆効果なこともあります。たとえば、PETボトルやプラスチック製容器包装は、どうしてもかさばって家の中でも場所を取るのが、悩みのたねです。そこで、これらを細かく切って袋に入れるという方もいるようですが、これはNG。切り口で袋が破れたり、リサイクル工程の途中でうまくまとまらなかったり、識別マークがわからなくなったり……と困ることがあるそうです。

そのほかにも、紐を使わない段ボールのまとめ方や、生ゴミなどの可燃ゴミを出すときのマナーなど、知っておくとためになるコツなども紹介しています。

日本のゴミ問題はとても複雑で、調べれば調べるほど規模は大きく奥は深く、この企画も一体どうやってまとめようか……と頭を抱えました。でも、まずは自分ができる身近なところからと考え直し、家庭ゴミにしぼってまとめました。
かつての私のような、ゴミの捨て方に関心のない方にこそ、ぜひ読んでいただきたい記事です。暮らしがぐんと快適になりますよ。(担当:小林)

オーブンで焼いたり、煮込んだり

2023年11月28日

オーブンで焼いたり、煮込んだり
(27号「豚かたまり肉のごちそう」)

クリスマスや忘年会、お正月などの食卓に、かたまり肉の料理はいかがでしょう。
大きなお肉を切り分ける時のなんとも言えないワクワク感は、賑やかな集まりにもぴったりです。
今回は、手に入りやすく、価格も手頃な「豚肩ロース肉」を使い、調理方法や味わいの異なる4つのレシピを料理研究家の若山曜子さんが考案してくださいました。
その中でも、編集部のキッチンで試作をした際に大好評だったのが、「ローストポークとトマトハーブご飯」です。軽くゆでて味つけしたお米の上にかたまり肉をのせてオーブンで焼くと、2品が同時に完成するという嬉しいレシピ。シンプルな味のローストポークとハーブのきいたご飯が、ほんとうによく合う! ぜひ試していただきたい一品です。

「かたまり肉は、多少加熱時間が長くなってもかたくなりにくいのがいいところ」と、若山さんは言います。4つのレシピを試してみると、調理方法によってかたまり肉の食感がずいぶん変わることに驚きました。低温のオーブンでじっくり焼くと「しっとり」、コトコト煮込むと「ホロリ」、蒸し煮にすると「プリッ」と。かたまり肉ならではの、そんな違いも楽しんでいただけたらと思います。(担当:田村)

蒸し料理は、いいことづくし

2023年11月27日

蒸し料理は、いいことづくし
(27号「ウー・ウェンさんのかんたん便利な蒸し料理」)

「ヘルシーなのはもちろん、蒸し時間さえ守れば失敗もないし、まとめて蒸しておけば次の日の料理にも使える。ね、いいことづくしでしょう?」
打ち合わせの時、そんなふうにいきいきと蒸し料理の魅力を語ってくださった、料理家のウー・ウェンさん。
この企画では、里いもやれんこん、鶏ささ身、鶏むね肉、鶏もも肉などを蒸して、出来立てをシンプルな味つけで楽しむ方法を教えていただきました。塩と好みのオイルでも充分おいしいのですが、塩パセリダレや薬味しょう油ダレなどの自家製ダレを合わせると、飽きがこなくてよいものです。誌面では、12種類の自家製ダレをご紹介していますが、どのタレも絶品! ぜひ、お好みのタレを見つけていただけたらと思います。
また、2日目以降は、蒸しておいた鶏肉を使って、バンバンジーや炒めもの、炒飯がパパッと作れるのもうれしいところ。ウーさんの言葉通り、まとめて蒸しておくと重宝しますよ。(担当:井田)

本棚はその人の内面を映す?

2023年10月11日

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本棚はその人の内面を映す?
(26号「あの人の本棚より 特別編」)

さまざまな分野で活躍する方のご自宅や仕事場を訪ね、本棚の中から思い出深い本や心を刺激した本などをご紹介いただく、本誌の人気連載「あの人の本棚より」。
今号は「特別編」として、以下の5名(登場順)がそれぞれのテーマをもとに本を選び、その本にまつわるお話をしてくださいました。

・角田光代さん(作家)/生きづらさをやわらげる本
・五味太郎さん(絵本作家)/傍らに置いて何度も読む絵本
・益田ミリさん(イラストレーター)/“未来”が待ち遠しい本
・安田登さん(能楽師)/“女性の時代”を振り返る本
・しりあがり寿さん(漫画家)/なんだかよくわからなくて面白い本

国内外の小説、エッセイ、絵本、漫画など、いろいろな本を紹介いただきましたが、選書テーマにも、その人らしさや関心のある事柄が表れていて面白いですよね。取材の前後は、寝ても覚めても読書に追われていました。とても大変ではあったのですが、ふだん自分では手に取らない分野の本や、いま話題の漫画も読むことができて、大充実の読書体験に。
それぞれの方の本との付き合い方や、読書と暮らしのかかわりなどについてもお聞きしています。興味深いお話がたくさんありますので、どうぞご覧ください。(担当:田村)

一人ひとりの暮らし

2023年10月10日

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一人ひとりの暮らし
(26号 特別付録 創刊75周年記念ポスター)

創刊75周年を記念し、絵本作家のヨシタケシンスケさんにお願いして大判のポスターを制作しました。
モチーフは、30組の暮らしの様子。一人ひとりにそれぞれの暮らしがあり、大切にしている何かがある、というメッセージのようにも受け止められます。イラストをいただいたとき、ほわっと温かい気持ちになりました。
裏面は初代編集長、花森安治による創刊号の表紙画です。戦後間もない時代から現代まで、『暮しの手帖』が大事にする心を一枚に込めました。(担当:中村)

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「今」を感じるお二人の話です

2023年10月06日

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「今」を感じるお二人の話です
(26号「これからの暮らしの話をしよう」荻上チキ×村田沙耶香)

評論家、ラジオパーソナリティなど、多方面で活躍中の荻上チキさん。連載「みらいめがね」では、毎回、これまでにないものの見方、考え方を教えてくれます。
そんな荻上さんの対談相手は、友人で小説家の村田沙耶香さん。芥川賞受賞作『コンビニ人間』や『地球星人』などを通して、社会や他者が押し付ける「幸せ」に対して疑問を投げかけてきました。
「こうあるべき」にとらわれないお二人に、日頃のSNSとの付き合い方や、インターネット上の言論空間、社会規範へのアンチテーゼなどを語り合っていただきました。
対談は、伸びやかで、自由。わたしが印象的だったのは、本との出合いがお二人の考えの基盤になったエピソードです。ぜひお読みください。(担当:中村)

優しい時間が流れる場所で

2023年10月05日

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優しい時間が流れる場所で
(26号「これからの暮らしの話をしよう ミロコマチコ×カプカプーズ」)
連載「ミロコマチコ奄美大島新聞」で、島での暮らしを伝えてくださっている画家・ミロコマチコさん。彼女には、2カ月にいっぺん、飛行機に乗って訪れる場所があります。それは、横浜にある喫茶店「喫茶カプカプ」です。

「喫茶カプカプ」では、「障害がある」とされる人たちが働いています。彼らは店名にちなんで、「カプカプーズ」と呼ばれています。「私はこの場所に助けられている」。ミロコさんにそうまで言わしめるこの店は、いったいどんなところなのでしょう。

本企画では、店を運営する鈴木励滋さん、スタッフのすずきまほさん、ミロコさんが、誰もが安心して存在できる場所づくり、社会のあり方について話し合いました。ミロコさんと「カプカプーズ」が12年間続けている、ワークショップの模様もお伝えします。(島崎)

武田さん、沖縄を訪ねる

2023年10月04日

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武田さん、沖縄を訪ねる
(26号「これからの暮らしの話をしよう」武田砂鉄×上間陽子)

自分の暮らしはこの社会と地続き、そんな観点から見えてくるものとは――。
特集「これからの暮らしの話をしよう」では、本誌で連載中の著者3名が、今会いたい人に会いに行き、語り合いました。

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まずは、連載「今日拾った言葉たち」の著者でライターの武田砂鉄さん。沖縄へ、教育学者の上間陽子さんを訪ねます。上間さんは、県内の風俗業界で働く若い女性たちの支援・調査に携わり、3年前に発表した著書『海をあげる』では、沖縄に存在する暴力の連鎖、その不条理を広く世間に伝えました。その1年後に10代の妊産婦のためのシェルター「おにわ」を立ち上げ、支援活動を続けています。

対談内容は、「おにわ」の活動や、沖縄と東京の関係、ここ最近の政治の動きなど。そう聞くと、日々の暮らしとは別次元の問題のように思えるかもしれません。でも、取材後に対談の音声データを繰り返して聴くうちに、これらの問題は遠からず自分とつながっていると、わたしは感じました。ぜひ、みなさまのご感想をお聞かせください。(担当:中村)

あの日々を振り返って、今思うこと。

2023年10月03日

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あの日々を振り返って、今思うこと。
(26号「コロナ下の暮らしの記録」)

今年5月の連休前、ホームページやSNSを通じて、「コロナ下であなたが経験した、日常の暮らしについてお書きください」と呼びかけました。新たな感染症が発生し、日常が一変してから、早3年半。この間、みなさまはどのような毎日を送り、何を考えて過ごしたのか。大きなニュースの影で続いてきた、ひとりひとりの暮らしを知りたいと考えたのです。
日々を振り返って文章にまとめるのは手間がかかりますから、どのくらい集まるだろうかと、正直不安に思っていたところ、ひと月のうちに170編のお原稿が寄せられました。ご投稿くださったすべての方々に、この場を借りて心よりお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

誌面には、そのうち18編を掲載しています。できるだけいろいろな地域や職業の方のお話を載せたいと考え、編集部で繰り返し読み、悩みながら選びました。

エッセンシャルワーカーとしてドラッグストアの店頭に立ち続けた。自営のお店をたたんだ。一斉休校をきっかけに子どもが不登校になった。オンライン授業の運営に奔走した。コロナ下での出産や介護、闘病体験、海外との行き来で困難に直面したなど。
暮らしを変えざるを得なかった当時のことを素直に綴った文章は、何度読んでも胸に迫るものがあります。少し意外に感じたのは、どんな状況でもささやかな幸せを見つけ、前向きに生きていこうとする内容が多かったこと。それに慰められる一方、子どもや学生、新入社員など、年若い方々の苦労も忘れることができません。

現在も続いている「コロナ下」。18名の記録をご覧になって、あなたの暮らしと、その時の社会はどうであったか、振り返るきっかけになればと願っています。
そしてまた、新型コロナウイルスの感染により亡くなられた方のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。(担当:佐々木)

昨日の晩ごはん、何食べましたか?

2023年10月02日

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昨日の晩ごはん、何食べましたか?
(26号「ずっと、食べていく 大原千鶴さん」)

「家のごはんは、昨日何食べたか覚えてへんくらいでいいのよ」
そう言うのは、3人のお子さんを育ててきた料理研究家の大原千鶴さん。もうそれぞれ大きくなって、毎晩家族で食卓を囲むことも少なくなったそうですが、お子さんが小さかったころや食べ盛りのころなどは、さぞ大変だったことは想像に難くないでしょう。

「大原さんの撮影は、本当に早い」というのは、編集部内でも有名な話。手際がよいのはもちろん、料理の手順も調味料もシンプル、それでいてとてもおいしい。やはりそこには、これまでの経験が詰まっているのです。

今回は教えていただいたのは、”おうちごはんならではのレシピ”。
たとえば、スーパーのおつとめ品で安くなっていたパックのお刺身。おいしく食べるコツは、そのままではなく、塩水やしょう油ダレに1分漬けること。たったこれだけで、生臭さがなくなっておいしくいただけるのです。
もうひとつ、これはわが家の子どもたちがたいそう気に入ったのですが、パックに入っているツマごと、煮立たせたあんに入れて作る、海鮮あんかけ丼。お刺身なので小骨などの心配もなく、子どもたちにも安心ですし、ダシ香るあんがやさしく染み入ります。

そのほかにも、少ない調味料でジャッと炒める3皿や、ダシいらずのダシ巻きふう玉子、余りがちな香味野菜のおいしい食べ方など、目から鱗のうれしいレシピを紹介しています。
心がじんわり温まるおうちごはんを、ぜひお試しください。(担当:小林)


暮しの手帖社 今日の編集部