新刊のご案内
編集長より、最新号発売のご挨拶
2026年07月23日

――編集長より、最新号発売のご挨拶
こんにちは、島﨑です。やってきましたね、とうとう夏が。全国的に大変な暑さです。皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。
7月24日は、小誌最新号(43号)の発売日です。
本号は、「紙が好きなもので」と柱を立てて、3本の特集を組みました。
デジタル全盛の現代に、紙媒体を作りつづける『暮しの手帖』編集部が、紙の本や紙そのものを愛する皆さまへお贈りする企画です。

巻頭特集では、「紙好き」を公言する劇作家・小林賢太郎さんにご登場いただきました(「小林賢太郎さんの紙遊び」)。小林さんが創作活動を行う「森のアトリエ」を訪ね、大切に保管されている「かわいい紙」のコレクションを拝見したり、「ミウラ折り」の折り方を教わったり。この「ミウラ折り」というのは……、という詳細は、ぜひ、誌面でお確かめください。もはや芸術品と言うべき小林さんの「紙遊び」をお目にかけます。25日に公開する取材風景の動画も、どうぞお見逃しなく。
このほか、「紙が好きなもので」には、昭和の時代に一世を風靡した、紙製の着せ替え人形を特集する「いずみさんとわかばさんの着せ替えごっこ」(花森安治デザインの着せ替え人形つき!)や、誌面を切って組み立てると一冊の絵本が完成する「奥見伊代さんと作る のぞきからくり絵本と平和への祈り」も。紙だからこそできること、紙ならではの面白さを堪能していただけたらと思います。
さてさて、長くなってきましたが、もう少々お付き合いくださいね。
話題は変わり、過日、私は生まれて初めて(!)、日本武道館に足を踏み入れました。2人組のバンド「Bialystocks」のライブを拝見しに伺ったのです。客席はステージ裏までソールドアウト、23曲が立て続けに披露される圧巻の2時間でした。
「Bialystocks」のボーカル兼ギターの甫木元空さんには、本号で、写真家の石内都さんと対談していただきました(「戦争──わたしが見たもの、ぼくが聞いたはなし」)。甫木元さんは、34歳。ご自身のルーツのある高知県で、「ビキニ事件」の被害について聞き取る活動をしてこられました。ビキニ事件とは、1954年にアメリカがマーシャル諸島のビキニ環礁で行った水爆実験によって、多くの地元住民や漁船の乗組員が被曝した事件。恥ずかしながら私は最近まで知らずにいたのですが、静岡県の「第五福竜丸」だけではなく、事件の被害者は全国におられるのです。一方、甫木元さんのお父さまと「4歳違い」という石内さんは、ライフワークとして広島平和記念資料館に通い、原爆被害者の遺品を撮影しつづけています。対談では、そんなおふたりに、ご自身の活動について語り合っていただいています。

武道館のすぐそばには、靖国神社。横目に見つつ、私の胸をふさいでいたのは、戦争を経験していない人ばかりとなりつつある今、いかに国の過去を自分ごととして引き受けて、あるべき未来を作っていけるか、ということ。どうか、この対談を入り口に、皆さまと問いを共有できたらと思います。
もちろん、本号も、さっと作れるレシピを揃えた「わたしのおそうざい丼」に、豚しゃぶ肉の意外で工夫に満ちた活用法をご紹介する「豚しゃぶ肉で和洋中の夏おかず」といった料理企画、少しずつ縫いすすめて楽しめる刺繍「カンタ」の特集などなど、実用記事も充実しています。ぜひお手にとって、ご覧くださいね。ご感想、お待ちしています。
『暮しの手帖』編集長 島﨑奈央
43号の目次は下記のリンクよりご覧いただけます。
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