古人の暮らしに思いをはせて

2025年02月04日

古人の暮らしに思いをはせて
(34号(「古美術好きの問わず語り」)

38年前に岡山・倉敷で生活雑貨メーカー「倉敷意匠計画室」を立ち上げ、作家や工房と共にたくさんのオリジナル商品を生み出してきた、タナベシンスケさん。4年前、60歳を迎えたことを機に同社の代表を退き、若い頃からの「古いもの好き」が高じて、古美術店「画室」を営み始めました。

古美術品について語る時のタナベさんは、とても楽しそう。古美術品は専門知識がないと難しくて理解できない趣味の世界……と思っていましたが、タナベさんの解説を聞いた後に見ると、私たちの日常と古人の暮らしがつながっていることがわかり、古美術品が魅力的に映ります。
新しい生活雑貨を生み出す時も、奥底に古いものへの憧憬があったと聞いて、タナベさんの「目」を通した古美術品と現代の生活雑貨の共通点を、文章に綴っていただけないかとお願いしました。

文章のあちこちに登場する、「巧みな傑作」「枯れ味がたまらない」「儚なげで愛おしい」といった言葉からは、タナベさんの「もの」に対する深い愛情が感じられます。
読み終わった後、ものに向けるまなざしが少しだけ変わったらいいなと願って編んだ頁です。タナベさんと同じく古いものを愛する写真家・大沼ショージさんによる写真にもご注目ください。(担当:田村)


暮しの手帖社 今日の編集部