いま、「一銭五厘の旗」を立てるなら
親密な関係
2025年07月23日

異性が恋愛をして、結婚をする。それこそが一対一の関係において最上で、特別で、尊く、祝福されるものだという社会のあり方に違和感を持っている。
「私とお父さんがいなくなった後に、ひとりでいて欲しくないのよ。だから結婚して。あなたは大切な友だちは多いけれど、その人たちは一生そばにいてくれるわけじゃないのよ」。
古希に近づく母に、何度も告げられている言葉だ。
生きてきて、たしかに人間は孤独な生き物なのだと感じる。さびしさも感じるし、だからこそ、人といっしょにいたいとも思う。でも、そのあり方は、恋愛をして結婚をすることだけなのだろうか。恋愛をする人もいれば、しない人もいる。性自認も性的指向も人それぞれだ。だから、どんな一対一の関係も、固有で、尊いものだろう。
もしこの先、自分が恋愛や結婚を選択しても、そういった前提は、忘れずにいたい。社会の中でも、そのように扱われていてほしい。
有吉宣人(ありよしのぶと・読者)
