「人生は乗り換えの多い旅、人はそれぞれ乗り換え切符をしっかりとにぎりしめて、新しい線に乗り継ぎ乗継してゆく」
1980年から1991年まで『暮しの手帖』に連載した随筆のうち、1985年以降のものをまとめました。
田辺さんは、硬軟取り混ぜたテーマを取り上げ、鋭さをやわらかな大阪弁につつんで筆をふるっています。ことに、ふるさと大阪への愛情、幼い日のことや当時の人々への思いがあふれています。
[目次]
私のスクラップブックから/女の自然/シンプル対ゴテゴテ/町を走る女たち/老いをすてきに/毎年、桜に思うこと/Tシャツとわたし/レマルクとシャクナゲ/乾盃の音頭とり/
過ぎた小さなことども/老いの先達/子供が叱られるとき/ヨメ飢饉について/髪を洗う/人の思い入れについて/「好きゃねん大阪」について/家刀自パワー/乗り換えの多い旅/変わり身/若者は変わってゆく/西郷サンと煙草/世間とちがう歌/老いの現場報告/「へーえ」の銀婚/むかし子供のはるあき日記