レシピの数だけ、思い出がある。

2025年04月15日

レシピの数だけ、思い出がある。

「あなたが何度も作っている『暮しの手帖』のレシピはありますか?」
この別冊では、作家や料理家、スタイリスト、イラストレーターなどさまざまな分野の愛読者、そして書店員の方々にそう尋ね、心に浮かぶ料理を教えていただきました。
今の自分へとつながるレシピや、幼少期から長年にわたって食卓にのぼってきた味、料理の楽しさを教えてくれたレシピなどなど……。それぞれの方のお話に耳を傾けていると、レシピの数だけ、作る人、食べる人の思い出があるのだとあらためて感じます。

そして共通しているのは、シンプルな手順で作りやすく、どこかほっとする味わいのものばかりだということ。だから、くり返し作られ、それがいつしか「わが家の味」に育っていくのでしょう。

漫画家のヤマザキマリさんのインタビュー「母のアップルパイ」や、パリに暮らす猫沢エミさんのエッセイ「巴里の空の下オムライスのにおいは流れる」なども、読み応えたっぷり。表紙には、猫沢さんが現地でくり返し作っているというオムライスの写真を掲載させていただきました。香味野菜たっぷりのチキンライスを半熟の玉子で包んだオムライスは、絶品ですよ。

そのほかにも、編集部員の食卓にたびたび登場する料理を厳選してご紹介するとともに、植松良枝さん、麻生要一郎さん、馬田草織さんに、家族からリクエストされたり、忙しい日でも手早く作れたり……そんな心強いレシピを教えていただきました。

この中の料理が、みなさまにとっても「くり返しレシピ」となりますように。

そんな思いを込めて1冊を編みました。いつか、みなさまそれぞれのレシピにまつわる思い出も、お聞かせいただけたらうれしいです。

『暮しの手帖』編集部 井田亜美

暮しの手帖のくり返しレシピ