いま、「一銭五厘の旗」を立てるなら
「かわいい!」はもうそろそろ
2025年07月23日

人は言葉に左右されがちだ。言葉も生きている。
今や世界共通語になった「かわいい!」がいつから流行っていたのか調べてみたが、よくわからなかった。20年くらいは聞いてきた気がする。最近ではかわいい→かわちいと言われ始めた。なんにでも「ちい」をつけ始めるのか? おいちい、うれちい、かなちい、完全に赤ちゃん言葉だ。そんなのかなちい。
もしも、この20年くらいの間に、例えば「たおやか」という日本語が流行っていたら世界はどうなっていたのだろう。日本人の雰囲気も変わっていたのではないかと思う。かわいいは非常に嬉しい言葉ではあると思うが、なんでもかんでもかわいくなくて良い。たおやかなキティーちゃんだって、見てみたい。幼児化する日本人と言われる前に、たおやか、美しい、麗しい、風情がある、情緒豊か、などの言葉を流行らせる術はないものか。かわいいはほんの小さい子どもや、愛らしい生きものやその様子に使うだけにして、美しい、綺麗、しなやか……たくましい、でも良いと思う。
感性を作り上げるのにそれを表す言葉は常に大切なものであるからこそ、そろそろかわいいからアップデート? を願いたい。
武田貴子(たけだたかこ・読者)
