新刊のご案内
初めての、「本」にまつわる別冊です。
2025年10月16日

1冊まるごと、「本」に関する記事を集めた『別冊暮しの手帖 あの人の読書案内』ができ上がりました。
表紙には、漫画家の朝倉世界一さんが描いてくださった、寝転んで本を開く女性の姿。幸せそうな表情に、「どんな本を読んでいるんだろう?」と想像が膨らみますね。
巻頭特集「わたしの本棚」では、2020年から始まった『暮しの手帖』本誌の人気連載「あの人の本棚より」から厳選した12名の本棚の写真と、その中から自由に選んでいただいた3~5冊の本のお話をご紹介します。新たに、中島京子さん(作家)、東直子さん(歌人)、酒井駒子さん(絵本作家)、永井玲衣さん(作家)の本棚に並ぶ書名をずらりと抜き出したリストを作成。本好きなら、書名を目で追っているだけであっという間に時間が過ぎてしまうことでしょう。
また、特集の初めには、ライター・武田砂鉄さんの寄稿文を掲載。武田さんが「雑誌やSNSにうっかり映り込んだ本棚をチェックするのが好き」と語る理由とは……?

ほかにも、読みごたえのある記事が盛りだくさん。その一部をご紹介します。
作家の小川糸さんと、医師・作家の稲葉俊郎さんの対談「人はなぜ、本を読むのでしょう。」では、お二人の幼少期からの読書体験や、読書を通して自分とは異なる視点を得ることの大切さなどが語られます。
「ユーモアは大事だと教えてくれた絵本」「気づきをくれた漫画たち」は、さまざまな分野で活躍する方々が、とっておきの絵本や漫画と、それに紐づくエピソードについて語る特集です。
「おすすめ文庫本交換会」では、エッセイストの古賀及子さん、作家の長嶋有さん、詩人の向坂くじらさん、エッセイストのスズキナオさん、校正者の牟田都子さんの5人が、プレゼント交換のように互いに文庫本を推薦し合い、感想文を綴ります。
また、全国各地の書店の個性あふれるブックカバーを紹介する「書皮図鑑」、小説家の朝井リョウさんが東京・神保町のシェア型書店を訪ねる「朝井リョウさん、話題の本屋へ!」など、今すぐ本屋さんを訪ねたくなる記事も。

さらに、特別付録として、絵本作家・きくちちきさん描き下ろし「リバーシブルブックカバー」をとじ込みました。きくちさんの創作を支えるあれこれについてお話を伺ったインタビュー記事、「暮らしの中で物語が生まれる」をお読みいただくとともに、植物やきくちさんの愛犬・くろが生き生きと描かれたブックカバーを本にかけて、特別な読書時間を過ごしていただけたらうれしいです(私もさっそく使っていますが、外出先で読書をするとき、周囲に自慢したくなるくらい素敵です!)。
読んだ後に、もっと読書をしたくなる、本屋さんに行きたくなるーー。そんな一冊をめざして、本が好きな方はもちろん、これから読書を楽しみたいと考える方にも興味を持っていただけるよう、さまざまな記事を編みました。私自身も、読書の楽しさ、本屋さんの魅力を再発見する日々でした。
お近くに本屋さんがある方は、ぜひ応援も兼ねて本屋さんでお買い求めいただけたら幸いです。
『暮しの手帖』編集部 田村恵子
