新刊のご案内

編集長より、最新号発売のご挨拶

2026年05月23日

――編集長より、最新号発売のご挨拶

こんにちは、島﨑です。日の光がきらきらと輝き、緑の風が吹き抜けて、とても気持ちのよい季節。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

先日、5月25日に発売となる最新号(42号)が刷り上がり、編集部に運び込まれてきました。山と積まれた本。あわただしいときでも、目をやるたびに、なんだかフッと心が和むのは、そのかわいらしい表紙のせいでしょうか。
気鋭のイラストレーター、藤本巧さんが描いてくださったのは、伊万里焼きを思わせるお茶碗。器が好きで、蒐集したものからインスピレーションを受けて創作なさっているそうなのですが、絵柄がポップで愛らしくて! タイトルは『おしゃべりな金魚』。2匹の金魚のとぼけた表情に、思わず笑ってしまいます。

この号の校了作業(編集の仕上げ)をしている頃、私には「これが終わったら、あれをしよう……」とワクワクしていたことがありました。それは、リリアン。リリアンって、あの? そうです、昭和の時代、子どもたちの間で一世を風靡した、あのレトロなリリアン。というのも、本号で、「紙糸」とリリアンを使って作る、夏のアクセサリーをご紹介しているのです(「おとなのリリアン」指導=森田千晶さん)。

子どものとき以来、実におよそ35年ぶりのリリアン。はて、糸の掛け方も忘れてしまっていましたが、それは本誌にていねいに紹介されているので大丈夫。少しむつかしかったのは、糸の引き締め具合でしょうか。和紙から作られる「紙糸」には弾力がありませんから、いかにちょうどよく、糸を緩めるかが鍵のようです。しかし、慣れてしまえば、スイスイスイ。やり残している仕事や家事を思いながら、「もう1周編んだら」「あと5分」と止まりません。おとななのに、まったく困ったものです。

昭和レトロといえば、本号には『花の圖案集』という付録をつけました。この図案集は、1947年、小誌の初代編集長・花森安治が、稀代のデザイナー・山名文夫さんに依頼して制作したものです。山名さんのお名前をご存知ない方でも、「資生堂の唐草模様」「新潮文庫の葡萄マーク」を手掛けた、と申し上げればきっと、「ああ、あの!」と思われることでしょう。

山名さんが描きおろしてくださった花の図案は、制作から79年を経た今、その昭和の佇まいが懐かしく、なおいっそう愛らしい。これはぜひ、読者の皆さまにもお目にかけたい。そしてこれらの図案を使ったちいさな手仕事もご紹介したい……! 編集部員のそんな声から、このたび、『花の圖案集』を完全復刻したのです。「山本祐布子さんと楽しむ、『花の圖案集』」と題して、図案を暮らしに取り入れる方法も掲載しています。ステンシルの技法で図案をカードにしたり、トレーシングペーパーで写して包装紙を作ったり、はたまた刺繍してピンクッションに仕立てたり。植物をこよなく愛する画家・山本さんならではのアイデアで、この図案集を堪能いただけたらと願っています。

そのほかにも、日々の食事作りをより楽に、よりシンプルにするための知恵をお伝えする「野﨑洋光さんの気楽な和食」。蒸し暑い日の食欲増進におすすめのレシピを献立としてご紹介する「キム・ナレさんのごはんどろぼう」。読書ガイドとしても読み物としても楽しんでいただきたい「昭和・平成・令和の傑作エッセイ本」などなど。いつにも増して盛りだくさんの42号を、ぜひお楽しみください。

『暮しの手帖』編集長 島﨑奈央


42号の目次は下記のリンクよりご覧いただけます。

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