新刊のご案内

編集長より、最新号発売のご挨拶

2026年09月24日

――編集長より、最新号発売のご挨拶

こんにちは、島﨑です。
東京では、1週間ほど前から風にのってふうわり、金木犀が香るようになりました。皆さまのお住まいの地域では、いかがでしょうか。

明日9月25日は、小誌最新号(44号)の発売日です。
見本誌が社内に搬入された日のこと。ご来社されたお客さまが刷り上がったばかりの最新号をめくって、つぶやかれました。「はっ、そうきたか!」
そうおっしゃるのも、わかります。というのも本号の巻頭企画は少々『暮しの手帖』らしくない、かもしれません。

読書の秋、食欲の秋。
ということで、本号は、「読んでおいしい、作って愉し」と題して、「漫画と食」をテーマにしたふたつの企画を組みました。巻頭特集「お腹がすいては漫画は描けぬ」では、「幸せのひと皿」をテーマにした、描き下ろしの漫画3作品を掲載しています。描いてくださったのは、谷口菜津子さん(『じゃあ、あんたが作ってみろよ』)、安倍夜郎さん(『深夜食堂』)、のもとしゅうへいさん(『おばけのおいしいひと休み』)。

谷口さんは失恋のエピソードともに「牛すじ煮」を、安倍さんは亡きお父さまが大好きだったという高知の郷土料理「とろろ汁」を、のもとさんは地に足をつけた暮らしのなかで作る「なすとピーマンのみそ炒め」をご紹介くださいました。それぞれ、読者の方が自宅で再現できる、レシピつきです。

いずれの作品もあたたかで、じんわりとした読後感。そして、どこかほんのり切なくもある。「幸せのひと皿」なのに切ないとは、一体なぜなのだろう、と制作時にゲラ(校正刷り)を読みながら考えていたのですが、それはたぶん、食事とは、テーブルの光景や漂う空気、ともに食べる人との時間といった、永遠にはとどめておけないものをも味わう行為だからかもしれませんね。
皆さまにとって、「幸せのひと皿」とはどんなものでしょう? 漫画を読みながら、ご自身の記憶の味を反すうしていただけたらと思います。

第2企画「お腹が鳴る漫画」は、漫画好きを自負する方々に、食事シーンが印象的な作品を挙げていただきました。ご参加くださったのは、エッセイストでフードディレクターの平野紗季子さん、ライターで漫画研究家のトミヤマユキコさん、声優で作家の池澤春菜さん、お笑いコンビ「麒麟」として活動する芸人の川島明さん。新旧取り交ぜて、8作品をご紹介いただいています。王道のグルメ漫画だけでなく、なかには「えっ」と思うような作品も。ぜひ、お腹をグゥと言わせながら、読んでみてくださいね。

もちろん、本号も「いつもの『暮しの手帖』」らしい企画は盛りだくさんです。
秋の味覚の代表格きのこで「おかずの素」を作り、その「素」を使って「和」「洋」「エスクニック」とさまざまなメニューに展開する料理記事「アレンジ自在 きのこのおかずの素」。うっとりするほど美しいイラストとともに、身近な場所で見られる秋の実を解説した「秋の実を探して」。薄手のセーターを着るこの時季にぴったりな、毛糸のつけ襟の作り方をご紹介する「つけ襟で小さなおしゃれ」などなど。つけ襟は、今日編み始めて今日仕上がる手軽さがポイントで、編み方もいたってシンプル、むつかしくありません。

秋の夜長にぱらぱらと。本号も、皆さまのおそばにおいていただけましたら、うれしく思います。

『暮しの手帖』編集長 島﨑奈央


44号の目次は下記のリンクよりご覧いただけます。

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