新刊のご案内
編集長より、最新号発売のご挨拶
2026年01月22日

――編集長より、最新号発売のご挨拶
こんにちは、島﨑です。
皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。
だんだんと本格的に寒くなってきました。東京でこんなふうですから、北の方の冷え込みはいかばかりかと想像します。そんな冬本番、このところずうっと、「食べてみたいなあ」と思い続けている料理があります。それは、「かっけ」と呼ばれる小鍋仕立てのひと品。
「かっけ」、皆さん、ご存知ですか? 地元の人には「知らないのかい」なんて言われてしまうかもしれませんが、「かっけ」は青森や岩手ではスーパーマーケットでも売られている郷土食なのだそう。蕎麦粉や小麦粉でできていて、ぺろん、というか、つるり、というか、なんとも不思議な見た目なのです。これをゆでて、ねぎ味噌やにんにく味噌でいただくのですって。ハフハフハフ、こんな寒い日には格別おいしいことでしょう。
私がこの「かっけ」に取り憑かれてしまったのは、最新号に掲載した特集「東北のじみうまを求めて」のゲラを校正中、指をくわえながら、その写真をじっと見つめていたからです。
この企画は、東北地方の地元の味を訪ねる、というもの。フードライターの白央篤司さんが、宮城県名取市のせり農家、青森県八戸市の小料理屋、岩手県大船渡市の漁師町を訪ね、各地の「じみうま」をご紹介しています。「じみうま」とは、見た目は地味ながら滋味深く、しみじみとおいしいもののこと。いずれも現地に行かねば味わえない品ばかり。この記事を読んだ方々が、「じみうま」目当てに東北各地を訪ねてくださったらいいなと思っています。

40号ではそのほか、福島県塙町、宮城県南三陸町も訪ねました。いずれも、よそから移住した方々の取材です。人や風土に惹かれてその土地に移住を決めた彼らの「外の目」を通して、現地の魅力をお伝えできればと考えました。
東日本大震災の発生から15年が経ちます。この歳月の間に変わったこと、変わらないこと。それぞれの15年を振り返る機会になればと願います。
もちろん本号もいつもと同じく、実用記事も充実しています。ちょっと変わった山菜の食べ方に、韓国にルーツを持つ料理家コウケンテツさんに教わる、あたらしいおうち焼肉。身近な紙を使った、枯れることのないペーパーブーケの作り方などなど。
最新号は、愛らしい薄桃色の表紙が目印です。描かれている動物たちは一見、オブジェのように見えますが、よくよく眺めると実は──。ヒントは「バレンタインデー」。ぜひ、お手にとって確認してみてくださいね。
『暮しの手帖』編集長 島﨑奈央
40号の目次は下記のリンクよりご覧いただけます。
▼目次・試し読み
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