新刊のご案内

50周年を記念して、愛蔵版でお届けします。

2025年11月20日

『暮しの手帖』の「黄色いページ」と言えば、ああ、あれね、とお分かりの方もいらっしゃるでしょうか。
2世紀1号から続く連載エッセイ「すてきなあなたに」のことです。

この連載は、創業者である大橋鎭子が「さりげない、ささやかな、ごくふつうの日々の暮らしの一コマを綴りたい」と1969年に開始し、毎号心を込めて作ってきたページです。
その後も、歴代の編集部員が大切に作り続けてきました。

今年は、その大橋が手がけたはじめての単行本化から50年目の年ということで、2013年以降の掲載分からよりぬき、新たな装いで2冊の愛蔵版に仕立てました。

『すてきなあなたに 朝のミルクティー』より

それぞれ134篇、136篇を収録した文章は、カヒミ カリィさん、鈴木るみこさん、細川亜衣さん、堀井和子さん、山野アンダーソン陽子さん、吉本由美さんなど、計22人の豪華な執筆陣によるもの。
ともすれば見過ごされてしまいそうな、ほんの小さな出来事に胸が熱くなったお話、思いがけず出会ったおいしい食べ物のお話、外国や旅先で目にした美しいもの、大切な家族との思い出など。
じんわり心に染み入る名文の数々を十二カ月の章に分けてまとめました。

本編ほぼ全頁にわたって散りばめられているのは、「ミナペルホネン」のデザイナー・皆川明さんの絵です。温かく、愛らしく、味わい深く、ページをめくるのが楽しくなります。
また、画像では分かりづらいのですが、カバーにあしらった愛らしい飾り罫や題字にはプレス加工が施してあります。本ならではの凸凹した手触りをぜひ味わってください。

秋から冬に向かうこの季節。家で過ごす時間もだんだんと長くなってきました。
本の手触りを感じながら、長く読み続けていただければ嬉しく思います。

『暮しの手帖』編集部 中島佳乃

すてきなあなたに 朝のミルクティー
すてきなあなたに 幸せな1ドル