酒粕と出合い直す春

2024年04月04日

酒粕と出合い直す春
(29号「春こそ、酒粕」)

みなさんは、酒粕はお好きですか? 栄養豊富なことから、食事に取り入れたいと一度は買ったことがあるのでは。ただ、独特の風味があり、好みが分かれる食品でもありますね。

この企画では、どなたもおいしく食べられる酒粕料理を、料理家の安田花織さんに教わりました。安田さんは、国内外のさまざまな土地に根ざした食の知恵を学び続け、酒粕についても、長年研究しています。
今回は、酒粕を柔らかく扱いやすくした「酒粕ペースト」をまず作り、にんじんとドライマンゴーのマリネ、漬け玉子、菜の花とひじきのナムルなど6品に展開。そのほか、酒粕をそのまま使った板粕のハーブオイル漬け、レアチーズケーキもご紹介します。

「春こそ」とおすすめしているのは、体が冬の間に溜めた老廃物を排出するのを助けてくれるから。そして、日本酒の製造が終わるのもちょうど今頃で、いろいろなタイプの酒粕が出回るから。よく見かける板粕のほか、練り粕やバラ粕でも作れます。
「酒粕の原料はお米。どこかもわっとした風味が気になるときは、果物やハーブ、レモン果汁や果実酢を合わせると、コクとうま味はそのままに、フレッシュな味わいになりますよ」と安田さん。

どのお料理も「んん⁉(これが酒粕?)」とうなってしまう、驚きのおいしさです。酒粕ペーストは汁ものや炒めもの、ポテトサラダなど、いつもの料理にもひとさじ、ふたさじ加えて使ってみてください。新しい酒粕のおいしさにきっと出合えます。(担当:佐々木)


暮しの手帖社 今日の編集部