自分らしい台所

2023年12月05日

自分らしい台所
――別冊編集長より、新刊発売のご挨拶

最近、肩に痛みがあるので布巾掛けの位置を10cmほど低くしました。もともと、猫が飛びついて悪戯しないように高い位置にあったのを、「お互いもういい年なのだから」と猫と自分に言い聞かせ、布巾を楽に干せる位置まで、低くしたのです。
たった10cmのことですが、痛みを伴った作業がなくなり快適になりました。

暮しの手帖社創業者の大橋鎭子は、取材などで得た知識をもとに創意工夫に満ちた台所を作り上げました。すぐに手に取れるように壁に吊るされた鍋、一升瓶の出し入れがしやすい斜めに仕切りがついた引き出し……。「しずこさんの台所」を訪れた編集者の一田憲子さんは「『ここにコレがあったらいいな』という主婦の知恵が、生き生きと見えてきます。」と評しています。そして最後は「台所に必要なものは愛情と合理性という一見真逆な、ふたつの視点なのかもしれません。」と締めています。

住まいの中でも台所は特殊な場所です。そこには多くの働きを求められます。
料理を「効率」よく、たくさんの食器や器具などを「収納」し、いつも「清潔」で……。さらに、居心地がよくなるような「こだわり」も大切。
今回の特集では暮らしを大切にしている9人の台所を「効率」、「清潔」、「収納」、「こだわり」という4つの視点で取材しています。それぞれの方の考え方や使い方に合わせた台所は、きっと、参考にしていただけると思います。
 
すべての人に満点な台所はありませんが、自分にとって満足できる台所を目指すことはできるはずです。小さな不便や不足を放置せず、ひとつひとつ解消してゆけば、自分にとって快適な台所に近づくのです。大規模なリフォームをするまでもなく、調理器具の収納場所を変えたり、引き出しの中を見直したり、必要な場所にフックを付けたり……。たとえば、布巾掛けの位置を10cm下げるだけでも台所は使いやすく、「自分らしい台所」になるのです。

別冊編集長 古庄 修

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暮しの手帖社 今日の編集部