理想の台所は、ささやかな工夫から

2023年12月06日

あなたにとって、「理想の台所」とはどんな空間ですか?

台所は料理を作る場で、要素と言えばコンロ・流し台・作業台・収納・冷蔵庫が基本でしょうか。役割も構成もシンプルですが、「理想の台所」がどんな空間か、具体的なイメージが浮かばないという方は案外多いかもしれません。

かくいう私も「小さな不満はあるものの、我が家はシステムキッチンだから仕方ない」と、恥ずかしながら、これまで台所と真剣に向き合ったことはありませんでした。

そんな考えを改めるきっかけになったのが、クリス智子さんのこんな言葉です。

「実際に使ってみて、たとえ、おや? と思うところがあったとしても、それはそれでOK。キッチンの特性に自分が合わせていけばいい」

クリスさんは、新刊『台所と暮らし』にて、「自分らしい台所」と「愛用の台所道具」を見せてくださった9名の内のお一人です。

先の言葉通り、クリスさんの「理想の台所」づくりは大らか。多少の不満があっても、便利な機能を加えるのではなく、基本的にはシンプルな方法で解決するスタイルです。例えば、ホームパーティーで、客人が自由にカトラリーを取れるように棚を配置したり、左利きのクリスさんでもストレスなく使える道具を選んだり、台所はささやかな工夫で溢れています。

「自分は台所でどう過ごしたいのか」「家族や客人にどう過ごしてほしいのか」。日々台所に立ちながら、考え、立ち止まり、微調整する。「理想の台所」のイメージは、そうした試行錯誤の中から見えてくるのかもしれません。

今、我が家では、台所をマイナーチェンジしています。近年の家族の変化に合わせ、食器を移動させたり、動線を見直したり。正直トライ&エラーの繰り返しですが、それ自体が「台所との対話」のようでなかなか楽しいものです。

まずはすぐにできそうなものを一つ、見直してみませんか? 案外小さな工夫が「理想の台所」への大きな一歩になるかもしれません。(担当:須藤)

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暮しの手帖社 今日の編集部