不思議な、底なしの魅力

2017年08月04日

やんばるDSC_0065

不思議な、底なしの魅力
(89号「やんばるのひと」)

沖縄に、おもしろい人がいるんだよ。ユニークな方法で自然農をやっててさ。シャイで、ゴツゴツ無骨な人なんだけど、あたたかくてやさしくて。農業をしながら反基地運動もしてるんだ。島崎さんに一回、会ってほしいな。きっと好きになるよ。
友人のそんな言葉から、この企画は、スタートしました。向かったのは、沖縄県の北のほう。「やんばる」と呼ばれるうつくしい大きな森に隣接した、静かな村です。
「沖縄の人はそういうふうだから大丈夫」という友人の言葉を鵜呑みにし、アポイントも取らずに(!)ふらりと農場を訪ねた私も私ですが、「きょうは1時間くらいしか時間が取れないから、明日またおいでよ」と言って、翌日には、どこの馬の骨とも知れない私に何時間も割いてくれたその人もその人です。
命を尊ぶ農業のあり方、持続可能な生活、沖縄がたどってきた歴史、反戦と平和を願うこころ、反基地運動への思い――。
不思議な、底なしの魅力にひきつけられながら、私はたくさんの話を聞きました。これは、沖縄について、私たちと沖縄のこれからの関係について考えた、ある旅の記録です。(担当:島崎)


暮しの手帖社 今日の編集部