その人が滲み出る「10曲」

2018年12月06日

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その人が滲み出る「10曲」
(97号「わたしの大好きな音楽」)

様々な分野でご活躍の方々に、ノージャンル、自由なテーマで「大好きな10曲」を挙げていただく連載企画です。
初回はフジコ・ヘミングさん、2回目は群ようこさん、3回目にあたる今回は、いしいしんじさんにご登場いただいています。
それぞれの方の「らしさ」が浮かび上がるテーマの設定や、10曲のうちに紛れ込む意外な選曲が見どころのひとつで、フジコ・ヘミングさんから「天城越え」、群ようこさんから宇多田ヒカルのアルバムが挙がったときには、胸が熱くなったものです。
今回のいしいしんじさんは、こんなテーマを掲げてくれました。
「蓄音器という名のタイムマシーンで聴く10曲」。
なんと蓄音器。テーマからして攻めています。
蓄音器自体も入手困難ですが、蓄音器で聴くことができるのは、今では廃盤になった「SP盤」というレコードのみなので、一般の方にとってはかなりハードルの高いテーマ。
それでも、読み進めていただくと分かります。
蓄音器について語ってはいるのですが、音楽の世界に没入することの普遍的な楽しさ・豊かさが滲み出てくるような文章なのです。
私自身、いつのまにか「移動しながら・何かしながら」の「ながら聴き」で音楽を楽しむことがほとんどになっていることに、はたと気付きました。
それも結構だけれども、音楽って、異次元に連れていってくれるような、もっとワクワクするものだったはず。
そんな甘酸っぱい気持ちがよみがえりました。
音楽好きの方はもちろん、しばらく音楽から遠ざかっている方にも、ぜひお読みいただきたい連載です。
「あの人が、この曲を?」という驚きもお届けします。
どうぞお楽しみに。
(担当:田島)


暮しの手帖社 今日の編集部