玄関は自由だ

2019年02月14日

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玄関は自由だ
(98号「玄関のしつらえ」)

 昨年の10月半ばからの2カ月間、
わたしの頭の中は、「玄関」でいっぱいでした。
ただきれいだね、すてきだね、で終わらない、住人らしさや主張のある玄関は一体どこにあるものか……。街を歩いていても、この家の玄関はどうかしら……と、見知らぬお家を見定めたりして(たいへん失礼なことです)。遠方のため、取材が難しいということもありました。
玄関ハンターと化した私は、すべての取材先が決まるまでの間、緊張と不安で眠りの浅い日々を送ったのです。
 かくして年が明け、その企画がようやく形になりました。
「玄関を見せていただけませんか? ええ、玄関だけでいいんです」という、ちょっと不思議なお願いに応えてくださった、マンションあり、一軒家ありの8軒、職業もさまざまの11名の方々。本当に有難いことです。
 ぜひ、玄関を大きく切り取って見せた写真をご覧になってみてください。お話もたくさん聞かせていただきましたが、その人が大切にしていること、家や家族の歴史など、一枚の写真から伝わるものがあります。
 いわゆる表玄関や内玄関といった空間の使い分けが減った昨今、玄関のありようも人それぞれ。取材を終えた今は、それぞれの感性がこんなにものびのびと表れていて、玄関って自由でいいんだ、と感じます。(担当:佐々木)


暮しの手帖社 今日の編集部