活版印刷の目次画とプレゼントはがき
(1号「目次より」)
昨日までは記事紹介が続きましたが、「目次」について書くという当番が私に巡ってきました。「目次」の紹介をするなんて不思議ですよね。でも、今号は目次画の制作とともに5世紀1号記念のプレゼントはがきについてお話とお知らせがあります。
目次画を描いてくださったのは画家の牧野伊三夫さん。「暮らしまわりのモノを生きものらしきものになぞらえてください」という編集部の願いに応えて、「じょうごの顔の熊のような動物」と「フライがえしの熱帯魚」の絵が届きました。原画は墨の濃淡で表現されていてまるで水墨画のよう。それだけで十分に趣きがあるのですが、その絵を樹脂版に加工してもらい、凹凸のあるハンコのような版を作りました。
台所道具のお店が並ぶ合羽橋の近くに活版印刷所を構えるFirst Universal Pressの溪山丈介(たにやま・じょうすけ)さんを訪ね、小型の活版印刷機でこの樹脂版を使った2枚の絵を刷ってもらうことにしました。
牧野さんから指定された色はそれぞれにローズ色と茶系の瓦色。インクの混ぜ具合は難しく、手作業で色合わせの試し刷りをしては印刷機を洗い、もう一段階明るくするなど繰り返し調整をしました。やっと色合いを定めたら、次は刷りの調整です。強め、やや弱めなど絵の線でしっかりと出したい所やかすれを意図したい部分など、それはそれは神経を使う作業でした。
どちらの絵も印刷までの過程を経て、手仕事のぬくもりという息吹をそそがれ、ちょっぴり滑稽な仕草で誌面の上で動きだしそうに見えます。
この感触を読者のみなさまにもお届けできたらと思いたち、ささやかですが目次画を活かした活版はがきを作りました。
抽選で100名の方に5世紀1号の記念としてプレゼントいたします。巻末のアンケートはがきでご応募ください。お待ちしております。
まだまだ記事紹介は続きます。(担当 上野)
活版印刷の目次画とプレゼントはがき
2019年08月10日