目にもうるわしいお菓子はいかがでしょう

2021年06月08日

目にもうるわしいお菓子はいかがでしょう
(12号「お菓子と包みの物語」)

この一年、宅配便を使う機会が増えたと思うのですが、
お菓子を取り寄せて楽しんだり、贈ったりした方も
多かったのではないでしょうか。
お菓子をいただいたときや選ぶときには、中身だけでなく、
包みにも工夫があると、ぐっとくるものですよね。
お菓子の包みには隅々まで意匠がこらされているものも多く、開ける前から楽しめます。

今号では、そんな包みも素晴らしい
とっておきのお菓子にまつわる「物語」を、
目利きのお二人に寄せていただきました。

和菓子を選んでくださったのは、料理家の長尾智子さん。
旅先で出合ったという箱根〈ちもと〉の湯もちは、
緑の包み紙に赤い掛け紐が粋です。
中身はふんわりと柔らかな餅菓子で、
撮影の後にいただいてみたところ、
今までに味わったことのない不思議な食感と味わいに驚きました。
箱根にこんな和菓子があったとは……。
次に訪れる際にはぜひ買い求めたい、と思ったものです。

洋菓子の選者は、本誌連載「また旅。」でおなじみの編集者、岡本仁さんです。
美術にも明るい岡本さんが挙げてくださったのは、
西荻窪〈こけし屋〉のレーズンパイ。
ラム酒漬けのレーズンとりんごの蜜煮が入ったうすいパイは、
お酒をたしなむ方への贈りものにもよさそうです。
画家の鈴木信太郎の絵があしらわれた、シックな深緑色の包装紙は、
じっと眺めていたくなる魅力があります。
10枚入りは、帽子をかぶった女性の絵が
ちょうどよい位置にくるように包んでくれますよ。

いずれも、目も舌も楽しませてくれる選り抜きのお菓子たちです。
お二人の物語とともに、どうぞお楽しみください。
贈りもののご参考にも、ぜひ。(担当:佐々木)


暮しの手帖社 今日の編集部