貴重な暮らしの「定点観測」です

2021年10月06日

c05_014_66-67

貴重な暮らしの「定点観測」です
(14号「手と足と、知恵を使って生きていく)

みなさんは新潟県上越市にある集落、
「中ノ俣」をご存じですか?
そこは、お年寄り50人ほどが暮らす小さな村。
山に囲まれ、コンビニやスーパーなどのお店はなく、
夏は草木が生い茂り、冬はドカ雪が降る、
実に自然のきびしいところです。

世界中の辺境を旅してきた写真家の佐藤秀明さんが
この地を初めて訪れたのは、約20年前のこと。
「最初は珍しいものを撮るようにレンズを向けていましたが、
次第にここに暮らすお年寄りたち一人ひとりの個性に惹かれ、
『人間』を撮りたいと思うようになりました」
と話してくださいました。

今回の特集では、長年、佐藤さんが中ノ俣に通い続け、
撮りためてきた写真と住民とのエピソードをご紹介します。
「婆さま」「爺さま」とのほのぼのとしたやりとり、
たくましく暮らし、日々を楽しむ様子など、
佐藤さんが綴る文章のすみずみに、温かな情景が宿っています。
そして、自然の脅威や住民の並々ならぬ苦労話も。

いまは各地でもう失われてしまった、
昔ながらの農村の暮らしが、まだここには残されています。
佐藤さんによる貴重な「定点観測」をぜひご覧ください。(担当:中村)


暮しの手帖社 今日の編集部