本当のぜいたくって、こういうこと

2021年10月08日

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本当のぜいたくって、こういうこと
(14号「新米をおいしく食べたい」)

こんにちは、編集長の北川です。
せわしなく暮らしていると、旬の味を楽しみ尽くす前に「名残」の時季も過ぎてしまい、がっくりすることがあります。
そんな私でも、毎年、心待ちにしているのが新米の季節。炊き立てのご飯を、まずはおむすびにして、大きな海苔を巻いて食べる。最高です。
「新米をおいしく食べたい」の企画を考えたとき、「炊きたてによく合うおかず、この方に教えていただけたらなあ」とすぐに思い浮かべたのは、料理研究家の有元葉子さん。いつも撮影にお伺いすると、お料理はもちろん、ぴかっと炊き上がったご飯がたいへんおいしくて、いつかコツを教えていただけたらと思っていました。
「新米には、シンプルなおかずを取り合わせて、お米のおいしさを楽しむのがいいですね」と有元さんはおっしゃり、塩むすびとおかずを「お弁当風」に大皿に盛りつける楽しみ方、それから「のっけご飯」4種を教えてくださいました。
のっけご飯は、焼いた椎茸をとろろなどと合わせるものや、エビと三つ葉のかき揚げ、「サバでんぶ」など。
サバのでんぶとは、ちょっと聞きなれないかもしれませんが、サバをしょうがと一緒に甘辛く煮て、そぼろ状にし、お好みで実山椒の佃煮などと合わせたもの。これは、ご飯が進みすぎて困るなあ……という「ご飯のおとも」で、こうして書いているうちに、食べたくてたまらなくなりました。
いつもより少し心配りをして、じょうずにご飯を炊いたら、好みのおかずと取り合わせていただく。これぞ、家庭料理の本当のぜいたくですね。(担当:北川)


暮しの手帖社 今日の編集部