心の声を聞きつづけて

2023年03月30日

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心の声を聞きつづけて
(23号「心、解き放たれて 岡田美佳さんの刺繍画」)

ごちそうの並ぶ食卓、緑豊かな自然。これらのモチーフを緻密かつダイナミックに、唯一無二の手法で描き続けてきた刺繍画家・岡田美佳さん。
26年前、小誌は美佳さんの記事を編みました。「美佳の食卓の風景」と題されたその記事では、母・享子(きょうこ)さんが、発達障害のために発語のない美佳さんについて、また美佳さんが始めたばかりという刺繍の制作について語っています。
今年は美佳さんが刺繍画に取り組んで30年の節目の年。今、美佳さんはどんなふうに作品を作っているのでしょうか。
前回、取材に応えてくれた享子さんは、残念ながら昨春に亡くなられ、お目にかかることができませんでした。代わって、美佳さんの兄・武(たけし)さんがお話を聞かせてくれました。
美佳さんが生まれて以来、共に暮らし、もの言わぬ美佳さんの心の声に耳を傾け続けてきた武さん。そんな武さんの言葉は重く、しかし淡々としてもいて、私の心に深く残りました。記事を作り終えて改めて感じることですが、この記事の主役は美佳さんと武さん、おふたりなのだと思います。
今回、掲載した美佳さんの作品は選りすぐりの9点。静かに続くふたりの日常に思い馳せながら、じっくりと眺めていただけたらと思います。(担当:島崎)


暮しの手帖社 今日の編集部