海外での暮らしを綴っていただきました

2020年06月04日

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海外での暮らしを綴っていただきました
(6号「住む国変われば」)

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっているいま、
海外の政策や暮らしを目にしたり、調べたりする方が多いのではないでしょうか。

今号から始まる新連載「住む国変われば」では、
日本に生まれ育ち、長年海外に暮らす方に、日本とは異なる暮らしについて執筆していただきます。
執筆者は毎号変わり、初回はスウェーデン在住のガラス作家・山野アンダーソン陽子さんにお願いしました。

スウェーデンといえば、新型コロナウイルス対策で、
北欧諸国も含むヨーロッパの多くの国が全国的な封鎖措置を取り、厳しい移動規制を敷いるなか、
厳しいロックダウン(都市封鎖)を行わない国として、世界中の注目を集めています。

5月上旬、陽子さんからこんなメールをいただきました。

スウェーデン政府と公衆衛生局は、早い段階から”コロナと共存の道しかない”と判断しました。
ワクチンや特効薬がないので、感染しないに越したことはないけど、
経済活動等の生活をを止めるわけにはいかないので、
国民一人一人が心がけつつ、出来るだけ通常通り生活を送り、
医療崩壊しないようにゆっくり感染していきましょう、というスタンスです。

スウェーデン、大丈夫か?! と思っていたのですが、
日数が経つにつれ、補償がきちんとされる国だから成り立つことや、
人口が少ないのでできる対策だと感じます。
延命もしないので、医療崩壊もしていません。
3000人以上が亡くなっていますが、95%以上が60歳以上の方です。
死生観が違うということもありますし、個人主義だな、合理的だな、と感じることが
いつもより一層増えました。

正直、カルチャーショックはありますが、誰にも正解がわからない状況の中で、
感情的ではなく、きちんとした科学的根拠の元に判断し、
今ある情報をクリアーに提示している。
理にかなった対策や補償もきちんとしているので、他の国と比べるとストレスが少ないと思います

私は今回の「自由と責任は同時にやってくる」がテーマの原稿を読んだこともあり、
スウェーデンがなぜそのような対策を取るのか、腑に落ちるところがあります。

日本で当たり前のことは、海外ではありえなかったり、その逆もある。
海外での暮らしを知ることで、少し視野が開けたように感じます。
みなさんにとっても、自分の住む国のこれからについて、考える機会になればと願います。(担当:平田)


暮しの手帖社 今日の編集部