この町に根を張って

2024年04月08日

この町に根を張って
(29号「三春町から、こんにちは」)
福島県三春町で器と生活雑貨の店「in-kyo」を営む長谷川ちえさん。東京から三春町へと生活の場を移したのは、2016年のことでした。
長谷川さんには、『まよいながら、ゆれながら』という著書があります。東日本大震災から2年経って発表されたこの本は、長谷川さんが懇意にしていた福島市の果樹園「あんざい果樹園」についてのルポルタージュ。原発事故後、一家がどのような決断を迫られ、どのようにそれぞれの道を選んでいったのかを静かな筆致で綴っています。
とどまるもいい、ほかの土地へ行くのもいい。本の中で、ひとりひとりに寄り添い、それぞれの決断を肯定していた長谷川さんは、どのような思いで、自身の三春町への移住を決めたのでしょう。あの日から13年、今も変わらず心の中に「重石を持ち続けている」という長谷川さんに、当時考えていたことや、現在の心境、穏やかでやさしい三春の日々について綴っていただきました。(担当:島崎)


暮しの手帖社 今日の編集部