偶然から生まれた、小さなかたまり

2020年12月04日

らっぱさん_DSC7663

偶然から生まれた、小さなかたまり
(9号「らっぱさんのブローチ」)

ものづくりをする作家さんは、
ふたつのタイプに分かれるように感じています。
ひとつのこと、素材と向き合って、くり返し作り続けて深めていくタイプ。
反対に、ひとつのことをくり返すよりもいつも新しいものに挑戦することを好むタイプ。
今回ご紹介する曽田らっぱさんは、まさに後者のタイプでした。

らっぱさんの小さなブローチに出合ったのは、とある展示会でのこと。一畳ほどの大きさのテーブルに、100個を超える数のブローチやイヤリングが一面に並んでいて、目を奪われたのです。ひとつとして同じものがなく、それぞれが個性的で不思議な存在感。
「どんな人が作っているのだろう」
「こんなにたくさん、どうやって作るんだろう」
と興味が湧きました。

2年越しの願いが叶い、らっぱさんのご自宅兼アトリエへお邪魔しました。
とにかく、手を動かすことが好きならっぱさん。素材も作り方も、面白いと感じたらすぐに試しては、毎日、心の赴くままに自由にブローチを拵えます。作りたて(または制作中)のたくさんのちいさな欠片を前に、ものづくりへの想いをたっぷりとうかがいました。
読んだらきっと、うずうずと何かを作りたくなってくるはずです。(担当:小林)


暮しの手帖社 今日の編集部