季節の移ろいも、星のまたたきも

2021年09月28日

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季節の移ろいも、星のまたたきも
(14号「山の版画家 大谷一良さん」)

お菓子のパッケージに描かれた、静かな冬の山並み。
どこか物語を感じさせる色使いと世界観に惹かれ、作者の名前を調べてみると、
木版画家の大谷一良(おおたにかずよし)さんという方が描いた作品だということ、
作品名は「春を待つ日」だということがわかりました。

ほかにどんな作品を描いたのだろう、
大谷さんとはどんな人物だったのだろう。
むくむくと興味が湧き、ご遺族のもとを訪ねたところ、
5cm角の小さなものから、B4サイズのものまで、
合計500点にもおよぶ作品を見せてくださいました。

大学時代に独学で木版画を始め、会社員時代も、退職後も、山を描き続けた大谷さん。
幾重にも版が重なった絵をじっくり眺めると、
季節の移ろいや星のまたたきなど、さまざまな気配が伝わってきます。

秋から冬へと移り変わるなか、ぜひゆったりとした気持ちで、
大谷さんの作品の世界を楽しんでいただけたらと思います。(担当:井田)


暮しの手帖社 今日の編集部