お弁当のよろこびを再確認

『あゆみ食堂のお弁当』
『あゆみ食堂のお弁当』 大塩あゆ美 著
文化出版局 1,500円+税 装釘 装釘 TAKAIYAMA inc.

みんなにごはんを作って、ワイワイと食べることが大好きな、「あゆみ食堂」の大塩あゆ美さん。真っ直ぐな瞳がまぶしい、チャーミングな方です。あゆみさんの彩りゆたかなおいしいごはんを食べると、元気がむくむく湧いてきます。
そんなあゆみさんが「自分の大切なお弁当の記憶をたどろう」と始めたプロジェクトが1冊の本になりました。
「あなたがお弁当を作りたい人は誰ですか?」
と募集を始めると、その問いかけに全国から200通以上のお便りが集まりました。そのお便りへのお返事が、あゆみさんが考えた23コのお弁当です。
社会人1年生の娘へ、新幹線通勤する妻へ、部活に励む息子へ、育児を頑張る娘のパートナーへ……。23コのお弁当とともに、23通りの物語があります。相手を思う気持ちがやさしくてまぶしくて、思わず目頭が熱くなります。
誰かのためのお弁当は、やっぱり食べてくれる人のことを考えながら作るもの。でも、毎日作っていると大変すぎて、そんな気持ちも薄らいでしまいがち。この本のあたたかいエピソードを読むと、作り始めたころの気持ちなんかを、思い出せるかもしれません。
もちろんそれぞれのお弁当のレシピはどれも秀逸。お弁当をあけた瞬間の、うれしそうな笑顔が目に浮かびました。(小林)


暮しの手帖社 今日の編集部