1. ホーム
  2. > Blog手帖通信

・「戦争中の暮しの記録」のドキュメンタリーが、いよいよ今週放送です。

2017年08月17日

01_dairy

半世紀の時を越えて、本誌特集「戦争中の暮しの記録」に投稿してくださった方の「それからと現在」を追ったドキュメンタリー番組、ETV特集「描き続けた“くらし” 戦争中の庶民の記録」が今度の土曜日、19日の23時からNHK Eテレで放送されます。

準備は昨年の9月から始まりました。
編集部も企画初期の段階から協力し、昨年末までに番組スタッフとともに30名近くの方にお会いして、暮しの手帖からの協力のお願いと番組の趣旨説明をさせていただきました。
すでに投稿されたご本人は他界されていて、そのご遺族にお目にかかることもありました。
写真は、その中のひとり「百姓日記」の著者、田中仁吾さんのご遺族を佐賀にお訪ねしたときのものです。現在はお孫さんの代になっています。「戦争中の暮しの記録」に掲載された日記は昭和20年1月1日から8月15日までのものでしたが、田中さんは何十年間もずっと日記をつけていらっしゃり、それがすべて保管されていました。

02_dairy

そして昭和42年の日記には、暮しの手帖社から取材に来たという記録も残っていました。

その後半年以上にわたってNHKの独自取材が続き、佐賀に何度も撮影に行ったことや、それとは別に難航していた勝矢武男さんのご遺族とついにコンタクトが取れたことなど、編集部もたびたび進行状況を聞いておりました。
しかし当然細かい番組構成内容までは知りません。いったいどんな番組になっているのか、私たちもワクワクしながら放送日を待っています。(久我)

◎詳しくは下記の番組サイトをご覧ください。
http://www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2017-08-19/31/9594/2259595/

平塚らいてうさんから辻村深月さんまで、ずっと続いています。

2017年08月14日

随筆DSC_0048

平塚らいてうさんから辻村深月さんまで、ずっと続いています。
(定例「随筆」)

「随筆」って、ちょっと古めかしい言い方ですね。エッセイとも言います。
辞書によれば、「自己の見聞・体験・感想などを、筆に任せて自由な形式で書いた文章」とあります。
『暮しの手帖』では、昭和23年の創刊当初からずっと続いている頁です。創刊編集長・花森安治の考えで、各界で活躍する著名人に、専門のことではなくふだんの「暮らし」について書いていただいています。
当時は、森田たま、平塚らいてう、志賀直哉、井伏鱒二、三島由紀夫などの作家をはじめ、芸術家や学者、政治家、主婦などさまざまな方に寄稿していただきました。裁縫や料理など実用の記事だけでなく、読み物も人気の頁でした。なかでも昭和24年の、東久邇成子の「やりくりの記」は、皇族も戦後直後は爪に火を点すような苦労と工夫をして生活していることを伝え、たいへん話題になりました。
いまも、日常の暮らしの中で体験したことや感じたことを、毎号ちがう6人の方々に随筆を書いていただいています。
さて、今号執筆していただいたのは、作家の辻村深月さん、京都大学総長の山際壽一さん、フリーアナウンサーの魚住りえさん、学術書編集者の橘宗吾さん、東京工業大学准教授の伊藤亜紗さん、画家の安野光雅さんです。
直木賞作家の辻村さんのお話は、子どものころ習っていた書道の先生との時間を超えた交流について。ゴリラなど霊長類の研究者である山際さんは、小笠原の父島で経験したエコなトイレのこと。美学と現代アートを専門とする伊藤さんは、目が見えない人の髪についての興味深い考察を。安野さんは、戦後の小さな出会いのなかで聞いた、今も心に深く残る言葉について。
どのお話も、とてもユニークでおもしろいです。実際の「体験」と「感じたこと・思ったこと」だから、いきいきとして情感に満ちた文章を読むと、共感したり、こちらも考えるヒントになったり、ドキドキはらはらしたり、心があたたまったり。
毎号ぜいたくな顔ぶれがそろいますから、どうぞお楽しみに。(担当:宇津木)

やってみて、わかることがあるんです。

2017年08月10日

試作室料理DSC_0027

やってみて、わかることがあるんです。
(89号「試作室から」料理編と手芸編)

「試作に立ち会うことなんてないので、この感じが新鮮です!」
編集部にいらした料理家の先生たちが口々にそう仰います。
他誌ではなかなかないことのようですね。しかもそれを記事にしてしまうということも。

「試作室から」は、そもそも私たちがどうやって記事をつくっているかや、誌面に盛り込めなかったコツやポイント、そして料理家の先生のお人柄を読者にお伝えできたらという思いで、始まった企画です。
が、先生方も試作に立ち会うことで、料理を客観的に見られて、気づきが多いと大変好評です。
ありがとうございます。

今回の先生は、「気楽な春巻き」でお世話になった按田優子さん。
本編の撮影に立ち会っていない私は、「春巻きなんて、巻くだけでしょ」なんてたかをくくっていましたが、さにあらず。
巻き方にこそ、春巻きの極意と言っていいほど奥深いコツが隠れていました。
その極意をユーモラスに教えてくださる按田さんのキャラクターと相まって、さっそく春巻きをつくってみたくなりました。

試作室カゴDSC_0025

そして今号は、特別編「つくってつかう籐のカゴ」のYOSHIKOさんもお呼びして、「手芸編」にも取り組みました。
難解そうに見える籐で編むカゴですが、実はとてもシンプルなもの。料理と違い長丁場の撮影でしたが、YOSHIKOさんと楽しみながら編む担当編集者の様子から、籐のカゴの魅力が伝わればと思います。
本編とあわせてお楽しみください。(担当:矢野)

荻上チキさんとヨシタケシンスケさんの好評連載

2017年08月09日

みらいめがねDSC_0039

荻上チキさんとヨシタケシンスケさんの好評連載

(89号「みらいめがね」)
「みらいめがね」は、評論家、編集者、ラジオパーソナリティの荻上チキさんの生い立ちを語りながらのエッセイに、絵本、イラストエッセイなどでご活躍の、ヨシタケシンスケさんのひねりのきいた画風が掛け合わされ、毎回文章も絵にも、「なるほど」「うーん」とうなってしまいます。
今回のテーマは、「僕の声とラジオ」。
チキさんがパーソナリティの番組、TBSラジオ『荻上チキ・Session22』は、今年ギャラクシー賞のラジオ部門大賞を受賞しました(昨年は同じくギャラクシー賞のDJパーソナリティ賞を受賞)。それなのに、「インポスター現象=詐欺師症候群」に悩まされるというチキさん。
これは、他人から見たら高い能力を持っていたり、相応の成果を上げていたりするのにも拘わらず、本人には成功しているという実感が乏しいという現象を指す言葉です。ちなみに編集長の澤田も「ぼくもそうかも。いつも達成・成功の実感がない……」とのこと。
ヨシタケさんのイラストは、若いころの甘酸っぱい恋の思い出が……あなたも覚えはないでしょうか、という結果に! 私もやってしまったことがあります。(担当:高野)

旅情に溢れる場所

2017年08月08日

今日の買い物02IMG_9651
岡本さんが撮影した向島への渡船からの光景です。

旅情に溢れる場所
(89号「今日の買い物」尾道へ)

編集者の岡本仁さんが、好きな街へ出かけ、歩いて食べて、そして何かを買って帰ってくる旅の記録のようなページ。それが、「今日の買い物」です。
取材前に岡本さんと相談をするのは、「次はどの土地へ行くか」ということだけ。
どのお店を紹介するか、何を買ってきていただくか、詳細を事前に決めることはしていません。
岡本さんがその土地を実際に訪れたときに「あ、ここを紹介したいな」と感じたところだけを誌面でお伝えしたいからです。
今号でお届けする尾道の旅は、いつにも増して旅情たっぷり。岡本さんの文章と写真からは、現地の心地よい空気が伝わってきます。
なかでも心惹かれたのが、尾道から渡船で5分で行けるという向島(むかいしま)。この短い船旅が気持ちよくて、岡本さんは何度も渡船に乗ったとか。
そのほか、島で出合った愉快な3人の若者が作るチョコレートのこと、尾道市内にある志賀直哉と所縁のある蒲鉾屋さんのことなどなど……。
私はまだ尾道に訪れたことがありませんが、原稿を読み進めるうちに、すっかり魅了されてしまいました。(担当:井田)

今日の買い物01DSC_0050

土井善晴さんの「切る」の秘けつ

2017年08月07日

汁飯香DSC_0055

土井善晴さんの「切る」の秘けつ
(89号「汁飯香のある暮らし」)

突然ですが、みなさんの「ごぼうのささがき」はどんなやり方ですか?
私は長年、水をはったボールをシンクに置き、その中めがけて鉛筆削りの要領でやっていました。
今回、土井善晴さんが教えてくださった方法は、まったく違います。
まず、ごぼうはまな板に横にして置く。
庖丁を右手で持ってごぼうにあてたら、庖丁の腹(顎のような部分です)に右手の人差し指をあて、軽く押して刃にわずかな角度をつける。
左手でごぼうを回し、右手の庖丁は手首を支点にワイパーのように動かせば、ごぼうは実に滑らかに削れていくのです。
1本をシャシャッと1、2分で切れる、この速さ、この気持ちよさ!
きんぴらごぼうを苦も無く作れて、しかも歯触りのよいこと。
あたりまえだけれど、きれいに的確に速く切れたら、料理はラクで楽しくなるし、何よりおいしくなるのですね。
今回は、キャベツのせん切り、白ねぎのみじん切り、カツオの平造り等々、いろんな切り方を、写真を添えてご紹介しています。
ふだんお使いの庖丁で試したら、「こんなに切れたっけ?」と、きっと驚かれますよ。(担当:北川)

テキは手強い。1年のつもりが3年、10年

本屋さん_『どこにいるの イリオモテヤマネコ』
ふれあい写真えほん 『どこにいるの イリオモテヤマネコ』
横塚眞己人 写真・文 小学館クリエイティブ 1,400円+税
装釘 美柑和俊+MIKAN-DESIGN

 沖縄県西表島に棲む、イリオモテヤマネコ。特別天然記念物であり、絶滅危惧種。現在の生息数は、わずか100頭余り。森の奥に潜み、夜行性で鋭敏、人間にはなつかない。そのため、現地の人たち、猟師さんですら見かけるのは2~3年に一度なのだそうです。

 この獣を撮影するために島に移り住んだのが、著者の横塚眞己人さん。動物写真家。2ページ目から始まる本編には、イリオモテヤマネコの姿はなかなか出てきません。海辺に向かい、森に分け入って、被写体を探し続ける横塚さん。やっとその写真が登場するのは、16ページになってからです。実は、初めて撮影に成功するまで、3年がかかっています。つまり、それがこの16ページの時間経過。表紙を合わせた38ページは、10年にわたる活動からできているのです(最初は1年くらいの予定だったのだそうですが……)。

 なぜ、最初の1カットに3年がかかったのか。なぜ、それからは撮れるようになったのか。読者は、横塚さんと一緒にイリオモテヤマネコを追う「探偵の視点」「エコロジストの視点」になって本を読み進めていきます。ヒントとなるのは、島の自然と生き物たちの生態。『どこにいるの イリオモテヤマネコ』は、「イリオモテヤマネコがいるのはどういうところなのか」を考えてみることができる一冊でした。(菅原 歩)

不思議な、底なしの魅力

2017年08月04日

やんばるDSC_0065

不思議な、底なしの魅力
(89号「やんばるのひと」)

沖縄に、おもしろい人がいるんだよ。ユニークな方法で自然農をやっててさ。シャイで、ゴツゴツ無骨な人なんだけど、あたたかくてやさしくて。農業をしながら反基地運動もしてるんだ。島崎さんに一回、会ってほしいな。きっと好きになるよ。
友人のそんな言葉から、この企画は、スタートしました。向かったのは、沖縄県の北のほう。「やんばる」と呼ばれるうつくしい大きな森に隣接した、静かな村です。
「沖縄の人はそういうふうだから大丈夫」という友人の言葉を鵜呑みにし、アポイントも取らずに(!)ふらりと農場を訪ねた私も私ですが、「きょうは1時間くらいしか時間が取れないから、明日またおいでよ」と言って、翌日には、どこの馬の骨とも知れない私に何時間も割いてくれたその人もその人です。
命を尊ぶ農業のあり方、持続可能な生活、沖縄がたどってきた歴史、反戦と平和を願うこころ、反基地運動への思い――。
不思議な、底なしの魅力にひきつけられながら、私はたくさんの話を聞きました。これは、沖縄について、私たちと沖縄のこれからの関係について考えた、ある旅の記録です。(担当:島崎)

夏休みの旅行の移動中や、昼下がりのお休みに

2017年08月03日

夏休みの旅行の移動中や、昼下がりのお休みに
(89号「オーディオブック――耳で読む本のいま」)

オーディオDSC_0032

いつでもどこでも本が読みたい、そんな読書好きな方にぴったりの頁です。もし、あなたがスマホを使っていたら、すぐに本が聴けます。
スマホの増加と歩みを合わせるように、オーディオブックの種類や配信サイトが増えています。コンテンツは、ネットからダウンロードできるので、炎天下の中を買いに出かける必要がありません。そんなオーディオブックの魅力と配信サイトについて紹介しました。
担当の私も、始めてみました。手に取ったことがなかった『源氏物語』は半分以上読み進み、苦手だった歴史の流れにも近づけ、『奥の細道』のリズムにうっとりし、人工知能について知り、ヤングアダルト小説にワクワクし……。その間に掃除は進み、通勤時間の苦痛が減りました。
小説の朗読では複数の声優によるドラマ形式、方言を活かしたもの、子どもに読み聞かせるような朗読や古典のリズムを活かしたものなどあります。好みのコンテンツがあるかどうか、ぜひ試聴してみてください。
また、同じ号の定例「買物案内」の「使って見よう スマホのブルートゥース」の中では、コードがなくて使いやすいワイヤレスイヤホンも紹介しています。このイヤホンなら聴きながらの作業がしやすくなりますから、合わせて参考にしていただければ幸いです。(担当:高野)

2、3個編めば職人さながら

2017年08月02日

2、3個編めば職人さながら
(89号「つくってつかう 籐のカゴ」)

カゴ02
左が先生のお手本、右がわたしのランドリーカゴ(できたてほやほや)です。なんだか形に性格が出ているような……。

 数年前に、友人が竹カゴ編みを習いに長野まで通っていると聞いて、秘かに憧れていました。カゴを編むなんて、かっこいいなあ……と。でもなかなか長野までは通えないし、わたしにはムリかなあ。
そんなときに出会ったのが、籐編み作家のYOSHIKOさんでした。時折ワークショップもなさっている彼女に相談すると、「籐は比較的手に入りやすいし、柔らかくて扱いやすいので、カゴ編み入門にぴったりですよ」とのお返事。
 早速編集部までお越しいただき、教わりながらたどたどと編んでみると、これがもう、たまらなく楽しくて、夢中で編み進めました。2時間半ほどで小ぶりのカゴができあがりました。
 「籐編みは初心者でも、出来上がりにそこまで差がでなくて、意外と失敗なく編めるんです。少し歪んでも、ぬれているうちに手で整えてあげるときれいになります。少し陶芸にも似ています」とYOSHIKOさん。
 「陶芸かあ……」と目から鱗が落ちました。その後、試作を重ねていくつかのカゴを編みました。一番の大物は、直径30cmを越えるランドリーカゴ。大きい作品には太めの籐を使うので、やはり最初は苦戦しながらも、ものの2時間でカゴ本体を編み終えていました。
 ほかのスタッフから、「もう職人みたいだね」なんて言われて気分を良くしたり(職人さんに失礼ですね)。でもそれくらい、編み始めればスイスイ編み進められ、次第にそれが快感に変わります。少しくらい歪んでいても、そこに愛着がでてきます。こんな楽しいカゴ編みを、ぜひみなさまにも体験していただけたら、と思います。
 材料はどこで? と心配なさるかもしれませんが、通信販売や大型手芸店などでも手に入ります。ぜひこの夏、好みのカゴを編んでみませんか。(担当:小林)

カゴ01_DSC_0046

8歳の自分からの手紙

2017年08月01日

カレー01DSC_0041

8歳の自分からの手紙
(89号「真子(まさこ)さんのカレー物語」)
こう暑い日が続くと、無性にカレーを食べたくなりませんか?
発売中の『暮しの手帖』90号では、ある女性シェフのカレーにまつわる物語をご紹介しています。
彼女が20年前に埋めたタイムカプセルから出て来たのは、8歳の自分からの手紙。
そこには、思いがけないことが書かれていたのです。
どんな物語なのかは、ぜひ誌面をご覧くださいね。

もちろん、カレーレシピも教えていただきました。
彼女が長年の研究によって生み出した、本格的なスパイスカレーを、ご家庭でも手軽に作りやすいよう工夫していただきました。
カレーはルーからしか作ったことがないわたしでしたが、インド食材店や通販などでスパイスを買い込み、いざ挑戦。
スパイスを計りながら作る感覚は、まるで化学の実験のよう。
試作のキッチンからはいい香りが漂い、自然と編集部員も覗きに来ます。
工程を追う度に鍋中はめまぐるしく変化し、味見するのがいつも以上にわくわくしました。
そして1時間後には、自分が作ったとは思えないような絶品カレーが出来上がったのです。
すっかりスパイスの魅力にとりつかれて、その後もう何度も作っています。

この夏のけだるさは、スパイシーなカレーで吹き飛ばしましょう!(担当:平田)

カレー02DSC_0026

暑い日だってやる気になる

2017年07月31日

春巻き_DSC_0038

暑い日だってやる気になる
(89号「気楽な春巻き」)

「えっ、これ具を生のまま包んでるんですか?」
試食をした編集部員から、何度もこの声が上がりました。
そうなんです。今回の春巻き、具を事前に炒めたりすることなく、生のまま包んで、揚げるだけなのです(7品中1品を除き、ですが)。
揚げれば、具にもきちんと火が入るレシピになっています。
タイトル通り、本当に気楽。暑い日だってやる気になる春巻きです。
それは揚げ方にしてもそうで、油は少なくても、また油の温度に神経質にならなくても、面白いようにカラリときつね色に揚がるのです。快感!
その秘密は「巻き方」にありますので、ぜひ誌面で極意をご覧くださいませ。
そして、これまた気楽な生春巻きのレシピも掲載しています。特別な日や、おもてなしの時だけでなく、普段の食卓にものせたくなる生春巻きです。(担当:田島)


暮しの手帖社 今日の編集部