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創刊70周年記念号は24ページ増の「料理力」大特集です。

2018年09月24日

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創刊70周年記念号は24ページ増の「料理力」大特集です。 ──編集長より最新号発売のご挨拶

今年の夏はずいぶん乱暴な足取りでやってきて、けっこう長く居座って、急にどかどかと去っていった、そんな印象です。
日照りに大雨、台風に、地震まで……全国各地に残された傷がまだまだ癒えぬまま新しい秋を迎える、ざわざわとした列島です。
どうぞここからは、おだやかで優しい、豊かな実りの季節となりますように。

さて、96号のご案内です。
1948年9月に創刊した小誌は、この号で70周年を迎え、異例の24ページ増の特大号でお送り致します。
巻頭特集は約70頁の「料理力って何でしょう?」。
外で食べる「よそいきのごはん」ではなく、「うちのごはん」。あなたが家で自分や誰かにつくるごはんのお話です。
答えてくださったのは、8人の料理家さんたち──
たとえば、
「家の料理はつどつど違うからおもしろいのよ」とホルトハウス房子さん。
「大切なのは食材の面倒をしっかりと見ること」と瀬尾幸子さん。
「見てかいで触って聴いて。自分の感覚を全開にする」と高山なおみさん。
「料理力ってのは、人を幸せにする力なんですね。自分の幸せは、本来、人の幸せの後についてくるもんです」と土井善晴さん。
……等々、すでにそれらは、生きる力そのもののようで、素敵です。

「料理力」をお伝えする、合計50品となったお役立ちレシピ、編集部員がほぼ全員参加し、すべてを編集部の台所で試作・試食済み、おいしさは折り紙つき。
明日からは、各担当者が記事作りの現場からご報告します。
おつきあいのほど、どうぞよろしくお願いします。

編集長・澤田康彦

高田賢三さんの魅力にせまる一冊

『夢の回想録 高田賢三自伝』
『夢の回想録 高田賢三自伝』 高田賢三 著
日本経済新聞出版社 1,900円+税 装釘 ALBIREO

 世界的ファッションブランド「KENZO」を誕生させたデザイナー、高田賢三さんの自伝です。華やかなファッションの世界で活躍する賢三さんのことを、知ってはいるものの、どこか遠い存在。それもそのはず、私の普段の生活では、ファッションショーは縁遠いですし、このブランドを身につける機会もありません。

 そんな賢三さんを身近に感じ、彼の半生を知りたいと思った出来事があります。
 皆さんは、2004年におこなわれたアテネオリンピックの開会式で日本人選手が身につけた衣装を覚えているでしょうか?この衣装をデザインしたのが高田賢三さんだったのです。「多様な色、柄、素材のなかから選手が好きな組み合わせを選ぶ」というのは、五輪のユニフォームでは初の試みだったそうです。
 選手団全体をカメラで捉えた映像からは、軽やかな白い洋服を着た人たちのなかにちらほらとプリント模様が見え、帽子の裏地がキリッと差し色になっている。シンプルなデザインを好む日本人が着こなしやすく、楽しめる組み合わせだと思いました。開会式をテレビで見ていた私は、子どもながらに「素敵な洋服だなぁ。集まって着るだけでこんなに印象がちがうなんて。不思議」と、深く記憶に刻まれたのでした。

 この本では高田賢三さんが子ども時代を過ごした兵庫県姫路でのエピソードから、東京で文化服装学院に通う頃、パリまでの船旅やKENZOというブランドができる全てのことが綴られています。誰もが知る「高田賢三」になるまで、色々な失敗はあるものの、くよくよ考え込むことなく、明るく前を向いている、彼のおおらかで優しい人柄に周囲の誰もが惹きつけられていきます。
 文中には「さぞかしみんなが驚くに違いない」「私は人を驚かすのが大好きである」「みんなに喜んでもらいたい」といった少年のように素直で、遊び心たっぷりな賢三さんの言葉が何度も出てきます。どんな状況におかれても、この思いを貫き続ける賢三さんの生き方に感銘を受け、今後も彼の活躍に目が離せないと感じました(山崎)。

追悼 樹木希林さん

2018年09月19日

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3世紀1号のインタビューより/1986年

小誌95号の記事「あの夏の日の写真」のために、直筆原稿と写真をご郵送くださった樹木希林さん。
久しぶりに目にしたパノラマ写真には、若き日の希林さんと内田裕也さんの姿がありました。
淡々とした調子でご夫婦の関係を語る原稿に、最初はこれって笑っていいの? と戸惑ったものの、だんだんと可笑しくなってきて、ついに声を出して笑ってしまいました。なんて気持ちがよくて、かっこいい人なんだろう!
メッセージには「誤字、送りがな よろしくお願いします 謝礼は不要です」とありました。
 
その後、原稿確認のお返事を、お電話でいただきました。
「肩書きだけど、俳優っていうのはちょっとね。役者がいいわ。文章は好きに直してちょうだい」
さらに謝礼と見本誌をお届けしたい旨を伝えると、
「みんな、色々なものを送ってくるんだけど、箱を開けてそれを分別してゴミに出してって、本当にめんどくさいのよ。いくら言っても、送ってくるの。だから、送らなくて結構です。自分で書店に行って買って見るから」

その話しぶりが本当にこりごり、という感じだったので、私も潔く諦め、お礼のハガキだけをお送りしました。封筒を開けなくていいように。

希林さん、誌面を見てくださったかなぁと気になっていた折、亡くなられたとの一報を耳にしました。あの率直で、何をお話しされてもどこかユーモアがにじむ電話越しの声が甦り、にわかには信じられませんでした。
お手紙と、ほんの数分の電話のやり取りですら感じられた清々しさ、温かさ。電話を切ったあとの、胸がいっぱいの感覚は忘れることはできないでしょう。
あのお人柄が、誌面からわずかでも伝われば、と願っています。
(掲載誌95号を、ぜひご覧ください。まもなく96号が店頭に並びます。)

樹木希林さん、力を貸してくださり、本当にありがとうございました。
心からご冥福をお祈り申し上げます。

暮しの手帖社 編集部
佐々木朋子

・『暮しの手帖』97号のアンケートにご協力ください。

2018年09月14日

『暮しの手帖』は現在、「ホントに『ママがいいに決まってる』?」(仮題)と題して、育児における性別役割分担について、また、社会の意識や制度のあり方について考える特集を企画中です。
その中で、皆さまから、育児体験や子育てに関するお考えをお聞かせいただきたく、アンケートを行っております。
アンケートは、子育て経験のあるなしにかかわらず皆さまにご意見をお尋ねする「第1部」、現在子育て中の方々にそれぞれの実情やご意見をお尋ねする「第2部」に分かれています。
必ずしも、すべての質問にお答えいただかなくても、答えにくいものは、とばしていただいても結構です。
また、質問に直接関係しないことでも、「育児と社会」「夫婦と育児」「女性と社会」についてご意見がございましたらお聞かせいただけますと幸いです。
アンケートの実施期間は、2018年9月30日(日)までです。
詳細は下記のリンクよりご覧ください。
皆さまのご回答を、編集部一同、心よりお待ちしております。

アンケート本文のページへ

ふつうの人々の、ちょっと奇妙な暮らしの風景

『小型哺乳類館』
『小型哺乳類館』 トマス・ピアース 著 真田由美子 訳
早川書房 2,000円+税 装釘 仁木順平

 『絶滅からの生還』というアメリカのテレビ番組があるそうです。クローン技術を使って、サーベルタイガーやドードーなど、死滅した太古の動物を実際に甦らせて、その生態や絶滅のいきさつなどが解説され、生きた姿が披露される。そして、番組の最後には「絶滅動物園」に「帰還」させているのです。賛否両論あるらしいけれど、人気番組だそうですが、とんでもない番組です。
 ある日、ひとりで暮らすおばあちゃんのところに、番組のホストを務める息子トミーが、1万年の時を超えて甦らせた矮小型マンモスを、極秘にしばらく預かってと置いていく。あり得ない生命に責任を持って接する年老いた母の奇妙な奮闘の日々が始まります。
 この本に描かれているのは、日常の中で起きる不合理な事件の数々。もちろん、上記のお話も真っ赤なフィクションです。でも、読んでいて感じる、物語に流れる空気は、なぜか心地いい。それは、登場人物に向けられた作者の目線がやさしくて、そこに繰り広げられる暮らしの風景を、そして、人物の動作や場面のディテールを淡々と写し取るように描写する文章のせいでしょうか。その細やかな描写は、人物が思っていることや起きたことを説明することなく、しっかりと読む者に伝えてくれます。
 思い込みが激しかったり、突飛で、滑稽で、自分勝手な行動をしたり、自分の弱い面と向き合って奮闘していたり。愛らしくてユニークな人々の日常を描いた短編集です。
 「シャーリー・テンプル三号」は冒頭で紹介した、科学の力で現代に甦らせてしまったマンモスの世話を、息子に押し付けられたおばあちゃんのお話で、題名は、そのマンモスにつけられた名前。「実在のアラン・ガス」は、恋人に、夢の中では夫がいるという告白をされて、いるはずのないその“夫”を現実社会の中に探してしまう男の話。題名は、“夫”の名前。
 この本のタイトルでもある「小型哺乳類館」は、ピピンモンキーなる絶滅危惧種のレアな動物の赤ちゃんを公開している動物園の飼育棟のこと。タイトルからしてユーモラスで興味をひくものが、目次に並びます。
 登場人物たちは、ありふれた日常の中で不合理な事象に遭遇し、ばかばかしいような人間臭い悶着を演じます。その中で自分たちの本質を見つめ直す。だからどうだということまでは語られないけれど、読む者は、そのシュールな寓話の中に、自分を、家族や近しい人を見出すのだと思います。(宇津木)

なんだか愉快な気持ちに

『おかお みせて』
『おかお みせて』 ほし ぶどう作
福音館書店 800円+税 ブックデザイン 佐々木暁

 通勤電車で赤ちゃんを連れた出勤中のお母さんを見かけるのは、最近それほど珍しいことではありませんね。お母さんに、前向き抱っこされた子と目が合うと、つい 「いないいないばー」なんてしてしまいます。時代は変わっても、「いないいないばー」をすると、にこにこと笑ってくれるのには、ほっとして心が和みます。
 『おかお みせて』は、初めて動物たち(もしかしたら誰か)と対面したら、ひょっとしてこんな対話になるのかなというお話です。こちらに背を向けた動物が、ページをめくると「おかお」を見せてくれる。そんな単純な動きの繰り返しです。もしやこれも一種の「いないいないばー」ではないでしょうか。
 そえられた文は最小限なので、読むたびに、あるいは見るたびに、自由にお話を膨らますことができます。絵は愉快でちょっぴり間抜けだけれど、それぞれの動物の特徴がやんわりと浮かび上がっていて、ほのぼのします。そしてこの本全体にゆったりとした余白が保たれているので、 読み手はその空間に浸って遊べます。
 ところで、パンダ、カピバラ、サーバルキャットやハシビロコウと、登場するのは、私の子ども時代には出会うことのなかった動物たちばかり。そこに時代感が盛り込まれているように感じます。
 本の大きさは19 × 18cmと小型で、角は丸く加工がほどこされた製本。持ち歩きにも配慮を感じる優しいあかちゃんの絵本です。ブックデザインは小社の『戦中・戦後の暮しの記録 君と、これから生まれてくる君へ』でお世話になりました佐々木暁さんです。(上野)

暑さも吹き飛ぶおいしさ!

2018年08月10日

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暑さも吹き飛ぶおいしさ!
(95号「まぶしい夏のアイスクリーム」)

「なに、このアイス!? 夢のようにおいしいね!!」
『暮しの手帖』のデザインを手がけてくださっている林さん(大のアイスクリーム好き)の口からこんな言葉が飛び出したのは、本特集の撮影後に、試食をしていたときのことでした。
そんな感動のおいしさのレシピを教えてくださったのは、人気焼き菓子店・メルシーベイクの田代翔太さんです。お店では販売していらっしゃいませんが、実はアイス好きという田代さん。
今回は、旅先で出合ったという「ブリオッシュアイスサンド」(イタリアでは、老若男女が頬張っているそう)をはじめ、すっきりした甘味と清涼感あふれる食感がたまらない「スイカとトマトのグラニテ」や、清々しいミントの香りが漂う「チョコレートとフレッシュミントのアイス」などなど、素材の組み合わせが絶妙な、魅惑のアイスを考案してくださいました。
どれも驚くほどかんたんなのも、うれしいところ。
ぜひ、食べたいときに気軽に作ってみていただけたらと思います。
冷凍庫で固めたアイスをスプーンで混ぜたり、グラニテを砕いているときの「シャリッシャリッ」という音を聞いているだけでも、涼やかな気持ちになりますよ。(担当:井田)

「睡眠」は現代人の必須科目

2018年08月08日

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「睡眠」は現代人の必須科目
(95号「快適に眠れていますか?」)
「どうも疲れが抜けない」「最近、風邪をひきやすい」
と感じる人は、少なくないでしょう。
その原因は、睡眠にあるかもしれません。

テクノロジーが進歩したのに、
楽になるはずが、どんどん忙しくなっている。
そんな矛盾を抱える現代人が時間を作るとき、
真っ先に削られるのが睡眠時間です。
みなさんの周りにも、
「昨日は徹夜でさ」とか「3時間しか寝てないよ」
なんて、寝不足自慢をする人はいませんか。

しかし、海外に目を向けてみると、
睡眠は肥満と並んで、社会人としての
自己管理能力が表れるところと捉えられています。
また、メジャーリーグや海外のサッカークラブは、
睡眠の専門家をチームに招き入れるなどして、
能力が最も発揮できる睡眠環境作りに余念がありません。

今回の取材で感じたことは、
睡眠こそ、現代人の必須科目かもしれないということと、
ちょっとした心がけで、睡眠の質は高められるということです。
その土台となるは、睡眠についての正しい知識。

睡眠研究の第一人者、白川修一郎先生に、
その睡眠の知識と暮らしに取り入れるコツを教わりました。
できることから少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。
(担当:矢野)

知る楽しさ、作る喜び

2018年08月06日

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知る楽しさ、作る喜び
(95号「荻野恭子の自家製は愉し うちで作れる世界の調味料」)

自家製、それは私にとって、魅惑の言葉。「自家製」欲が異様に強い私は、これまで、ジャム、みそ、梅干しなどはもちろん、果てはカラスミまで、さまざまなものを「自家製」してきました。
本号からはじまった「荻野恭子の自家製は愉し うちで作れる世界の調味料」は、そんな私の趣味が高じて作ってしまった(?)連載頁です。海外の食文化に詳しい料理家の荻野恭子さんに、毎号1品ずつ(2品のときも!)、その時々の旬の食材を使った、各国の調味料のレシピを教わります。
記念すべき第1回で取り上げるのは、「豆板醤」。荻野さんが本場・中国に何度も通って習得したというレシピをご紹介します。荻野さんの現地での思い出話も楽しめる、楽しい頁です。
漠然と「これは市販品を買うもの」と思い込んでいる食べものの作り方を知るワクワク。自分の手で作り出す喜び。そして、その格別のおいしさ! まことに、「自家製は愉し」です。皆さんもぜひ味わってみてください。
(担当:島崎)

子ども時代をやり直したい!

2018年08月03日

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子ども時代をやり直したい!
(95号「瀬尾新聞」)

「素材の味を生かす」……って、よく聞くフレーズですよね。
でも、ふかぶか考えると、それってどんなことだろう? 
あれは青葉の頃だったか、瀬尾幸子さんと二人、掘り炬燵で健康茶をすすりながら話をするうちに、ふとそんな話題になったのです。
「私はね、『キャベツを炒めるなら、きっちり4分炒めてね』ってよく言うでしょう? 『心の中の4分じゃなくて、タイマーをかけて4分ね』って」と瀬尾さん。うんうん、確かに先生はよくそうおっしゃいます。
「キャベツは、それくらいよくよく炒めると、本当に甘くて美味しくなるの。その美味しさを補う程度に、ほんのちょっぴり、塩やお醤油で味つけしてあげる。それが、素材の味を生かすってことじゃないかな」
ああ、なるほどなあ。では先生、そういうことを、理屈っぽくなく、楽しく教えてくれる取材先って、どこでしょうね?
私たちはうーむと腕を組み、そして思い当たったのが、今回お伺いした「東大駒場地区保育所」でした。
こちらの保育所は、その名の通り、東京大学駒場キャンパスのひと隅にあります。三角屋根の木造の園舎は、ひろーいウッドデッキがぐるりとめぐらされていて、そのデッキで子どもたちは給食を食べるんです。
そう、この給食こそが、今回の取材の目玉。玄米ご飯とお味噌汁、大根と豚肉の炒り煮、おひたし……そんな、なんとも渋い和食の献立なのですが、さてどんなふうに素材の味が生かされているのか、ぜひ記事でお確かめください。
給食だけではなく、みんなで泥だらけになって外遊びをしたり、デッキを雑巾がけしたり、素足で駆け回って体操したりと、とにかく子どもたちがキラッキラとしていて、なんだかうらやましい! と思った瞬間、瀬尾さんが隣でぽつりとつぶやきました。
「私もこんな保育所で子ども時代をやり直したいなあ」
先生、私も同感です。(担当:北川)

この夏、いつものなすが格段においしくなります

2018年08月01日

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この夏、いつものなすが格段においしくなります
(95号「下ごしらえで、おいしい旬のなす」)

一番好きななす料理って、なんですか?
和洋中なんでもあって、いろいろと思いつきますね。だからこそ答えに窮するほど、身近でみんなが好きな夏野菜の代表的なもののひとつといえますよね。
この間までは、シンプルに焼いて、しょうがじょう油で食べる「焼きなす」こそが、一番おいしいと思っていました。あ、あとは麻婆茄子ですね。

でも、今回の特集で、料理家の手島幸子さんに教えていただいたのは、一度火を入れてから仕上げて、さらにおいしくするという手法でした。
「下ごしらえで、おいしい旬のなす」という記事です。
マリネ、和えもの、おひたし、みそ汁……。一見シンプルだけど、いつものなす料理よりも、ぐっとおいしくて、ちょっぴり驚くくらい。この暑い夏にぴったりなお料理ばかりです。いつもとはひと味ちがう、涼やかで香りよくて、つるんとのどごしなめらか。

夏のなすの魅力である、瑞々しさと力強い味。でも、そこにはアクと苦味もある。それを下ごしらえで抑えて、さらにうま味を引き出すのだから、とってもおいしくなるわけです。
記事には、なすをこよなく愛する手島幸子さんだからこそといえる、きめ細かな、ちょっとした調理のポイントがそこかしこに散りばめられています。今回のレシピで作っていただいたら、そこにお気づきいただけると思います。そして、夏のなすをいっそうおいしく楽しんでいただけることでしょう。(担当・宇津木)

いろんな人が集う場所

2018年07月31日

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いろんな人が集う場所
(95号「水車でつくるみんなの家」)

今日は皆さんに、ある人が遺した言葉を紹介します。
「(ジグソーパズルの)ピースは一つとして同じではなく、しかもその占める位置は他のピースでは代わることが出来ない。この社会全体、人類世界をジグソーパズルの全体と見るならば、人間一人一人がどんな人であれ、その一人をも何故に捨ててよいだろうか」
これは、故人・宮嶋眞一郎さんの言葉です。宮嶋さんはクリスチャンで、学校の先生をしていた方。こんなことも仰っています。
「ジグソーパズルには格差はないのであります。色や形が違っていてもひとつひとつの価値に違いはない。これが本当の公平であり、平等ではないでしょうか。円満(の鉛筆)のように全部同じではない。あなたという人は地球始まって以来、絶対いなかったはずです。あなたという人は地球が滅びるまで出てこないはずなんです。わたくしはそう思っています」
宮嶋さんは視力を失う病気を得たのをきっかけに、1974年、長野県は小谷村に、「共働学舎」という名の共同体を作りました。皆さんのなかには、本橋成一さんが作られた映画「アラヤシキの住人たち」をご覧になって、ご存じの方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
「競争社会より、協力社会を」。共働学舎は、そんな理念で作られた場所です。心身に不自由がある人も、そうでない人も、みんなが安心して働き、暮らせるところ。そこでの人々の暮らしは、いったいどんなものでしょう。編集部は、山道を2時間ほど歩いたところにある、「真木共働学舎」を訪ねました。
(担当:島崎)


暮しの手帖社 今日の編集部