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防災を主体的に考えるために

2020年07月31日

防災リュックDSC_0118

防災を主体的に考えるために
(7号「アウトドアグッズで揃える わが家の防災リュック」)

水害や地震、噴火など、
私たちの生活を脅かす自然災害。
恥ずかしながら私自身は、
非常用持ち出し袋、いわゆる「防災リュック」の
準備さえもしていませんでした。
編集部内で防災リュックについてたずねると、
「持ってはいるけど、もう何年も開いていない」
「重すぎて、背おって避難できる気がしない」
など、なんとも後ろ向きな意見が多く聞かれました。

「それならば」と思いついたのが、
自分で防災リュックを見繕うこの特集です。
自分に本当に必要なものを取捨選択してパッキングすることで、
他人任せではなく、防災についてきちんと考えることが
できるのではと考えました。

せっかくなら、デザイン性もよく、
ふだんの暮らしにも役立つアウトドアグッズをご提案できたらと、
アウトドアライターの内田一成さんに選び方や使い方のアドバイスをいただき、
イラストレーターのくぼあやこさんに、
4年前に自身で準備した防災リュックを見直していただきました。

「防災リュックとは」という基本的なことから、
内田さんおすすめのアウトドアグッズの中から20点を厳選し、
それらをくぼさんが実際に使ってみた感想をイラストとともにご紹介しています。

防災リュックをお持ちの方も、そうでない方も、
防災についていま一度思いを巡らせ、
この中からひとつふたつと、ご自身に適したものを見つけてみませんか?(担当:小林)

防災リュックアザー
本編がモノクロページのため、実物の色をお見せできなかったのですが、くぼさんも担当者も一目見て「これがいい!」と声をあげ、編集部内でも「かわいい!」と評判だったリュックがこちらです。

おいしい中国料理で、身体をととのえましょう

2020年07月30日

夏の中華DSC_0085

おいしい中国料理で、身体をととのえましょう
(7号「身体をいたわる 夏の中国料理」)

長い梅雨があけると、いよいよ夏本番。
なんとなくだるかったり、食欲がわかない、そんな日が増えてきます。
そうなると、料理を作る気にならないし、食べる気にもならず、
ますます身体の調子が悪くなる……という、負のスパイラルに陥ってしまいますよね。

「季節がめぐるように、私たちの身体も季節に応じて変化する」
昔からそう考えてきた中国の人たちは、
自分の身体をととえるために、いま「食べるべきもの」がわかるそうです。
それは平たく言えば、「旬のものを食べる」こと。
毎日、旬の食材を食べ続けることにより、
身体の水分が巡り、熱が調整され、元気な身体がつくられていくのです。

そこで、中国各地を訪ね歩き、家庭料理を食べて学んできた料理家の荻野恭子さんに、
夏を元気にのりきるための中国料理を教えていただきました。

中国料理といっても、今回ご紹介するものには、特別な材料や難しい技術は必要ありません。
たっぷりの旬の食材に、ごく普通の調味料を合わせて、手早くできる。
なのに、おいしくて、身体にいいなんて、一石三鳥です。

自分の身体の声に耳を傾け、身体が欲する旬の食材を意識して、
日々の食事をこしらえる、その一助になれば幸いです。(担当:平田)

・新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言を受けまして

2020年07月30日

新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言解除後も
当社は引き続きシフト勤務態勢を実施しております。

従いまして、時間帯によりましては、電話に応対できないことがございます。
みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解をいただけますようお願い申し上げます。

なお、出版物に関する緊急のお問い合わせにつきましては、
下記メールアドレスか、ファックス番号でも対応させていただきます。

メール:eigyo2@kurashi-no-techo.co.jp
ファックス:03-5259-6004

ご用件とご連絡先(お名前・電話番号・FAX番号・メールアドレス)をご記入いただきましたら、
いずれかの方法にて、こちらから折り返しご連絡さしあげます。
少々お時間を要する場合もございますが、どうぞご了承ください。

いま、言葉を信じたい

2020年07月29日

表紙正体DSC_0055

いま、言葉を信じたい
――編集長より、最新号発売のご挨拶

梅雨が抜けきらないなか、全国で新型コロナウイルスの感染者数が増えつつあり、どうにも気持ちが落ち着かない日々が続きます。いかがお過ごしでしょうか?
過日は、九州地方をはじめとする各地で、豪雨によりたくさんの方々が被害に遭われました。心よりお見舞い申し上げます。ご不便が一刻も早く解消され、そして、深い苦しみや悲しみが少しでも癒されますように。

私たち編集部は4月から在宅勤務態勢に入り、それはいまでも続いています。最新号は、撮影を始めようとした矢先に「緊急事態宣言」が出されたため、ある企画は内容をがらりと変更し、いくつかの企画はギリギリまで撮影を日延べして、さらに発売日を7月25日から29日に延ばすことで、なんとか発行まで漕ぎつけました。
いつもよりもお待たせしてしまい、申し訳ありません。
最新号の大きなテーマは、「暮らしから平和を考える」。このテーマを考え始めたのは、確か昨年の10月あたりのことで、私の頭にあったのは、「戦争と平和」、そして「台風への備え」くらいでした。まさか、世界中の誰もが同じ困難と向き合い、「平和」の希求がこんなに切実なものになろうとは、思ってもみなかったのです。
正直に言えば、「撮影ができないかも」となったとき、過去の料理記事などを再編集して頁をつくろうかとも考えました。それだって、みなさんのお役に立つのなら、決して悪くはない手段ですよね。
でも、なぜだろう。私はどうしても、新しくつくった記事を載せたかったのです。いま、みなさんと同じ空気を吸い、この苦しみを味わっている私たちが、できる限りの、精一杯のものをつくって差し出す。ちょっと見栄えは冴えなくなるかもしれないけれども、それが大事かもしれない、そう思いました。
じつは私自身が、このコロナ禍のなかで大きな不安に押しつぶされそうでした。まだ感染の危険があるなかで、スタッフを撮影に送り出していいのだろうか、という迷い。ビデオ通話での打ち合わせはしているにせよ、会わずに進めることでコミュニケーションに齟齬が生じ、ひいてはそれが出来上がりに響くのではないか、という焦り。
どんな状況下でも、なるたけいい本をつくって、きちんと売りたい。いや、売らなければ、制作は続けていけない。世間でよく言われる、「いのち」と「経済」のどちらが大事なんだ? なんて問いかけは、答えようのないものとして重く胸の底に沈んでいました。そんなのは、どちらも大事に決まっているじゃないか。
みなさんのなかにも、そう心のうちで叫んだ方はいらっしゃるでしょうか? 私たちは、正解が一つではない世界を、迷いながら、悩みながら、歩んでいるんですよね。でも、なんとか自分で道を選んで、歩んでいかなくちゃいけない。それがおそらく、暮らしていくこと、生きていくことだから。

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今号の巻頭は、「いま、この詩を口ずさむ」という特集としました。6編の詩と、それに寄り添う写真や絵で構成する、いたってシンプルな頁です。
夜更けに食事をつくってテレビをつけると、街角で、この数カ月の困窮をぽつりぽつりと語る人がいます。一方で、そんな他者の生活苦を顧みないような軽々しい言葉、あるいは、なんだか格好いいけれども実のない言葉を発する政治家がいる。SNSをちらっと覗いてみると、「それ、匿名だから言えるんじゃない?」と思うような、毒々しい誹謗中傷が飛び交っている。
言葉って、こんなふうに使っていいものだったっけ。ふと思ったのです。人をまっとうに扱うように、暮らしを自分なりに慈しむように、心から誠実に言葉を発していきたい。たとえ不器用でも、言葉は完璧じゃないとわかっていても。ここでは、そんな思いを呼び覚ましてくれる詩を選びました。
たとえば、黒田三郎の「夕方の三十分」は、いまで言うワンオペ育児をするお父さんと、その娘が繰りひろげる、夕餉の前のひとときを描いた詩です。ウィスキイをがぶりと飲みながら、玉子焼きなどをつくるお父さん(飲酒しながら火を使うのって、ほんとうはダメですが)。そんな父の作業をたびたび邪魔して、しかもだんだん口が悪くなる幼い娘。ふたりはいさかいを起こします。
どんな家でも見られそうな情景ですが、最後の数行を読むと、心がしんとします。ああ、暮らしって、親子って、こういうものじゃないかと思う。ぜひ、島尾伸三さんによるモノクロームの写真とともに味わってみてください。「このところ、しゃべる機会がめっきり減って、口のまわりの筋肉が凝り固まっているようだ」という方(私がまさにそうですが)、音読することをおすすめします。

最後に。今号の表紙画は、画家のミロコマチコさんに描き下ろしていただいた「月桃の花」です。
自分でも意外なほどすっかり落ち込んでしまっていたとき、「心を照らすような、希望を感じさせてくれるような絵を描いていただけませんか」と、ただそれだけをお伝えして待ちました。この絵が奄美大島から届いたときのうれしさと言ったら。「なんだか、魔よけみたいだね」とみんなで言い合ったものです。
いまは、この号を傍らの本棚に立てかけ、ときどき表紙に目をやりつつ、次の秋号を制作しています。取材・撮影がふつうにできること、人と会って言葉を交わせることは、なんてうれしく、ありがたいんだろうと思いながら。私たち一人ひとりが、決して完璧ではないけれども、それぞれに愛すべき暮らしを抱えながら。
つまずいても、悩んでも、日々は続いていくのですね。どうかみなさん、お元気で。心身をいたわって、すこやかにお過ごしください。

『暮しの手帖』編集長 北川史織

・海外宛の定期購読発送について 重要なお知らせ

2020年07月01日

新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、
各国・地域において、国際郵便物の受け入れ停止等の措置が取られております。
そのため、日本から発送する国際郵便物の一部につきまして、
日本郵便による引き受けが停止されております。

「SAL便」は、全ての国・地域宛の引き受けが停止、
「航空便」「船便」につきましても、一部の国・地域宛の引き受けが停止
となっております。
詳しくは、下記の日本郵便ホームページをご覧ください。
国際郵便物の一時引き受け停止および遅延等について(日本郵便ホームページ)
https://www.post.japanpost.jp/int/information/2020/0423_01.html

『暮しの手帖5号』(2020年4-5月号)
3月19日に定期発送を行いましたが、
航空機の大幅な減便により、一部当社に返送されております。

『暮しの手帖6号』(2020年6-7月号)
引き受け停止に該当する国・地域にお住まいのお客様へは、
日本郵便による引き受けが再開され次第、お送りいたします。

5号の返送分と6号以降の新刊につきまして
「航空便」での発送が可能な国・地域宛でしたら、
「SAL便」でご予約いただいているお客様へも、
航空便に変更してお送りいたします(その際の送料の差額は小社が負担いたします)。
SAL便・航空便ともに発送が不可能な国・地域にお住まいのお客様へは、
日本郵便による引き受けが再開され次第、お送りいたします。

お届けが遅れますこと、心よりお詫び申し上げます。
ご不明な点がございましたら、営業企画部(eigyo2@kurashi-no-techo.co.jp)まで
お問い合わせください。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解いただけますようお願い申し上げます。

・『花森安治選集』第2、第3巻 刊行日変更のお知らせ

2020年06月24日

5月下旬の第1巻を皮切りに、刊行を開始しました『花森安治選集』全3巻は、
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初の刊行予定日から、
下記の通り延期させていただくこととなりました。

  第2巻 【変更前】7月中旬 →【変更後】9月下旬
  第3巻 【変更前】9月下旬 →【変更後】11月下旬

楽しみにお待ちくださっている皆さまには、
ご迷惑をおかけしますこと、心よりお詫び申し上げます。
何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

暮しの手帖だよりVol.21 early summer 2020

2020年06月12日

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絵 牧野伊三夫

言葉に力をもらいながら、
これからの暮らしのあり方を考えて。
在宅勤務のなかでつくりあげた、
初夏号をお届けします。

文・北川史織(『暮しの手帖』編集長)

 

編集部にその封筒が届いたのは、4号が出てしばらく経った頃ですから、2月半ばくらいだったでしょうか。中身は、一冊の詩の雑誌と丁寧な直筆のお手紙で、「今度、私たちの雑誌で石垣りんさんの特集を組むので、そこに文章を寄せてくださいませんか」とのご依頼でした。
正直、困ったなと思いました。石垣りんさんの詩は、もちろんいくつかは知っていますが、詩を愛する人たちの雑誌に何を書けるだろうか。
でも、無下にお断りするのも失礼ではないかと思い、その方へメールをお送りしました。自分は適任ではないと思いますが、おすすめの一冊があればそれを読んで考えたいと思います、いかがでしょうか。
そして教えていただいたのは、『空をかついで』(童話屋刊)という、文庫本サイズの愛らしい詩集です。私は何度か読み返し、心に触れる詩は何編もあったものの、やっぱりうまく言葉にできそうになく、お断りしてしまったのでした。

 

*

 

時は流れて東京の桜が満開を過ぎた頃、私たち編集部員は在宅勤務態勢で6号の校正作業をスタートさせました。
私の一日といえば、簡単な朝食をとって身なりを整えたら、机の前に座り、あとはひたすらパソコンや校正紙とにらめっこ。はっと気づけば昼はとうに過ぎていて、大急ぎで何かをつくって食べ、また机に向かう。次に我に返ると、とっぷりと夜は更けている……という有様でした。

遅い晩ごはんを食べながらテレビをつけると、先の見えない日々のなか、つらい思いをしている人びとの姿が映ります。思わず、涙が出てきます。
この試練は、私たちに何をもたらすのだろう。雑誌はこんなとき、何ができるのだろう。必死の制作も自己満足に思え、真っ暗闇にボールを投げるような気分になりました。
そんなときでした、あの詩集を寝る前に開くようになったのは。
一編を読むと、しばらく頭のあたりに留まっていますが、やがてすっと胸にしみ込む瞬間がある。生きること、暮らすことへの切実な思いや発見が、丹念に磨かれて「言葉」のかたちをとり、それはいつか必要とされるまで、ただそこで待っている。
安直な励ましの言葉ではないからでしょう、本当の意味で慰められた思いがしたのです。

そこで思い出したのが、6号の巻頭記事の取材のとき、科学者の中村桂子さんが引用した詩でした。
まど・みちおさんの「空気」。一部をご紹介します。

 

〈ぼくの 胸の中に


いま 入ってきたのは


いままで ママの胸の中にいた空気


そしてぼくが いま吐いた空気は

もう パパの胸の中に 入っていく

同じ家に 住んでおれば


いや 同じ国に住んでおれば


いやいや 同じ地球に住んでおれば


いつかは


同じ空気が 入れかわるのだ


ありとあらゆる 生き物の胸の中を (後略)〉

『まど・みちお全詩集』(理論社刊)より

 

生き物の科学を研究してきた中村さんは、この詩にあるように、「(人が)生き物として生きる以上、中と外をきっちり分けることなんてできない」と話します。
「地球に優しく」なんて言い方は「上から目線」。私たちは、他の生き物とのつながりのなかで生きているのだから、「中から目線」で暮らしを見て、根っこにある幸せを考えなければならないと。

取材は「コロナ禍」が始まる前のことでしたが、いま読むと、その言葉の一つひとつに胸をつかれます。
もちろん、私たちには暮らしへの夢や欲もありますから、ここでいきなり悟って「小さな暮らし」に切り替えるのはむずかしいかもしれません。けれども、いま何を変えていけば、この苦難を将来の糧にできるのか。社会のために、自然環境のために、そして自分のために。
私自身、まだ答えは出せていませんが、闇に目を凝らすようにして考え続ける日々です。

 

**

 

さて、気を取り直して、巻頭に続く記事をご紹介しましょう。

私は数年前に『暮しの手帖のクイックレシピ』という別冊をまとめたことがあり、その際、「切る手間を省けば、時短になるんだな」と実感しました。
忙しいときは、みじん切りやせん切りのある料理を敬遠しがちではありませんか? では逆に、切ることが得意で好きになったら、料理はもっとラクで楽しくなるんじゃないかな。
「庖丁仕事はリズムにのって」は、そんな発想で企画しました。

まずは、指導者の渡辺麻紀さんに、編集部のキッチンでいろんな切り方のレッスンを受けました。姿勢や庖丁の握り方、まな板の扱い方などの基本も。数時間後、担当の平田と佐藤がせん切りする様子は、まさしく「リズムにのって」いる。
ああ、切ることってこんなに楽しかったのか! そんな感動と発見を盛り込んだこの記事、ぜひ、お役立てください。

新連載「有元葉子の旬菜」は、いまや薄れつつある食材の旬やその背景を知り、季節に寄り添う料理をこしらえながら、日々の食を見つめ直すという内容です。
今回登場するのは、新れんこん、新にんにく、新ごぼうと、「新」がつく野菜。たとえば新ごぼうをごく細切りにし、さっと湯通しすると、食感も香りも損なわない。それを刻んだニラ入りのしょう油ダレで和えるサラダは、まさにこの時季だけの味わいです。
野菜は自然の一部であり、キッチンは自然とつながっている。そんな実感が湧いてくる頁です。

「干物をいろんな食べ方で」は、「魚をもっと食べたくても、日持ちしないから買いにくい。ならば、干物を活用してみるのは?」と、担当の田島が発想して生まれました。
ツレヅレハナコさんの「アジの干物のたっぷりディルのせ」、田口成子さんの「アジの干物と葉野菜の炒めもの」などの料理はいずれも、ひと皿で野菜もたっぷりとれるのがうれしいところです。
お酒のおつまみに、お昼ごはんにと、いろいろ活用できますよ。

ところで、みなさんの家には、割れたり欠けたりしたままの器がありませんか? 
もしかしたら、こうお考えでしょうか。「金継ぎはなんとなく知っているけれど、プロに頼むほどの高価な器でもないし、自分でやるのはむずかしそう。でも、愛着があるから捨てられない……」。
そんな方のための記事が、「至極やさしい金継ぎ教室」です。指導の山下裕子さんに相談し、道具も手順も、省けるところはなるべく省いてシンプルに。初心者ばかりの編集部員を生徒にした教室を開き、どんなポイントで迷うのかなど、しっかり取材してつくりあげた記事です。
たとえ思い通りに美しく仕上げられなかったとしても、自分で繕うと、なぜだか愛着が増す。それも金継ぎのいいところですね。


最後にご紹介したいのは、「等身大の介護」。
執筆者の一条道さんは、35歳のときから5年間、母を自宅で介護する傍ら、『かいごマガジン そこここ』を創刊しました。若くして大変な経験をされてきたのだなあ、と思うのですが、一条さんと話すと、気負いやつらさは感じさせず、じつに朗らかなのです。
記事では、自身のやりたいことも大切にしながら試行錯誤して見つけた介護のかたちを綴り、さらに、介護生活を模索中の二組のご家族を取材しています。
「人は一人ひとりが違っているのだから、介護のかたちもさまざまなはず」と一条さん。
タイトルに添えたコピーは、「無理しない、抱え込まない、でもちゃんと向き合う」。介護のプロにも頼りながら、ストレスをため込まずに向き合っていくにはどうしたらいいか、考えるヒントにしていただけたら幸いです。

 

***

 

いまはウイルス感染拡大の影響で、介護の現場を支える方々も、ご家族も、ふだん以上の苦労があると聞きます。どうか、この社会がごくふつうに助け合い、支え合う姿に変わっていけますように。
緊張感のある日々が続きますが、みなさま、お身体をいたわってお過ごしください。

 

下記の見開きページの画像をクリックすると、拡大画面でご覧いただけます。

 

◎リーフレット「暮しの手帖だより」は、一部書店店頭にて配布しています。
印刷される場合は、下記のトンボ付きPDFをダウンロードし、A3で両面カラー印刷されると四つ折りリーフレットが作れます。

・暮しの手帖だよりVol.21 PDFをダウンロード

浴衣のおしゃれで気分転換

2020年06月09日

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浴衣のおしゃれで気分転換
(6号「浴衣を粋に着こなしたい」)

最後に浴衣を着たのはいつですか?
わたしはおよそ15年前。
社会人になり、転勤などで引っ越すたびに、いつしか袖を通さなくなってしまいました。
いざ着てみたいと思っても、着付けがわからず……。お手上げ状態でした。
今回ご紹介するのは、久しぶりに浴衣を着たいと思っている人や、
初めての方に向けた着付けの方法です。
監修の浜美雪さんは、着物文化に詳しい編集者。
「着崩れないポイントを押さえ、足袋と草履などを合わせれば、
浴衣でもきちんとしたおしゃれ着になるんですよ」とおっしゃいます。
また、「せっかくなら呉服屋さんで反物から選び、あつらえるのも楽しいです」とのこと。
そこで呉服屋さんに取材に伺うと、流行に左右されない伝統的な柄の反物が豊富で、いかにも涼しげで粋。
自分のサイズにぴったりの一枚を作れば、着崩れしにくいそうです。
店によっては購入後もメンテナンスに応じてもらえるそうで、
なんだかとても頼もしいですよね。
記事では、着付けのほか、帯の結び方や畳み方なども写真とイラストで解説。
これを読めば、もう迷うことはありません。
まだまだ気楽に出かけられる状態ではありませんが、
この先、安心して外出できる日が来たときに、
ぜひ参考にしていただけたらと思います。(担当:中村)

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写真は、指導者の浜美雪さんから編集部員が帯の巻き方の指導を受ける様子です

編集部の5人が挑戦しました

2020年06月08日

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編集部の5人が挑戦しました
(6号「至極やさしい金継ぎ教室」)

“いつかやってみたいこと”のひとつに、
割れた器を修繕する「金継ぎ」がありました。
でも、なかなか重い腰が上がらなかったのは、
「手間がかかってむずかしそう」
「お金がかかりそう」
という先入観があったから。

金継ぎ師の山下裕子さんに出会って、
なるべくシンプルな方法を考えていただくと、
「あ、これなら私にもできるかも」と気持ちがあがりました。
そして編集部のなかにも、同じく金継ぎに興味津々の人たちが。
そんな金継ぎ初心者5人が、それぞれの器を手に集い、
「暮しの手帖金継ぎ教室」が始まりました。
いつか直そうと思っていた器たちが、ようやく日の目を見たのです。

「金継ぎっていうけど、金で仕上げなくてもいいんだ!」
「私、この作業好きだなあ」
「今日はもう終わり? あっという間!」

和気あいあいと、ときに黙々と作業を続け、
全5回、およそ1カ月半にわたる金継ぎ教室を終え、
それぞれの出来栄えは……?
どうぞ誌面でお確かめください。

金継ぎに適した季節は、湿度の高い梅雨時期です。
おうち時間にぜひお試しください。(担当:小林)

金継ぎ風景
写真は、金継ぎ教室の様子。漆を塗る細かい作業のため、みんな真剣そのもの!

ひと手間で、洗濯が変わります

2020年06月05日

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ひと手間で、洗濯が変わります
(6号「白いシャツを真っ白く」)

洗濯機に洗濯物を入れて、洗剤を入れて、スタートボタンを押す。
来る日も来る日も、何の疑いもなく、そうして洗濯を続けてきました。
汚れが落ちていなかったり、部屋干しの臭いが気になると、
洗剤や洗濯機の性能のせいにしたりして……。
「洗濯機に入れる前の処理が大切なんです」。
正しい洗濯の方法を広める活動をしている茂木康之さんのお話を聞いて、
すべて洗濯機に“おまかせ”にしていた日々を反省しました。
茂木さんが提案しているのは、
衣類を洗濯機に入れる前に、汗や皮脂などの汚れが付いた部分に
プレウォッシュ液(洗剤と水を混ぜた液)を吹き付けてから、
洗濯ブラシで10分ほど叩く方法です。
このひと手間で、洗剤を浸透させ、汚れを浮かすことができるそうです。

今回は、汚れや黄ばみや目立ちやすい「白いシャツ」に絞って、
日常の洗濯から、漂白、シミ取り、干し方、しまい方までをご指導いただきました。
白いシャツをいつまでも真っ白なまま着続けるための手順を、ぜひお試しください。
もちろん私も試してみました。
やってみる前は、「10分叩き続けるのは大変そうだなあ」と心配だったのですが、
アップテンポな音楽をかけて、リズムに合わせて洗濯ブラシでトントコ、トントコ。
ドラマー気分で叩いていたら、あっという間に10分が経っていました。
本来なら、指導していただいた方法を会社で試す(社内に洗濯機もあります)のですが、
このときは、コロナウイルス対策で在宅勤務中。
自宅にいたからこそ思いついたこの方法を、皆さんにもおすすめします!(担当:田村)

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追記:
まったくの偶然なのですが、
今号で取材にご協力くださった生命誌研究者の中村桂子さんのブログに、
「真っ白なシャツから始まって」という素敵なお話が掲載されています。
白いシャツを真っ白なまま着続けるためには、ほんのちょっと手間がかかります。
でも、ほんのちょっと手間をかけたシャツが真っ白に洗い上がると、
何とも言えないうれしい気持ちになるのです。
暮らしってそういうこと、それでいいんだよなあと、
中村さんのブログを拝読して改めて思いました。
https://www.brh.co.jp/salon/blog/article/detail/343

海外での暮らしを綴っていただきました

2020年06月04日

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海外での暮らしを綴っていただきました
(6号「住む国変われば」)

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっているいま、
海外の政策や暮らしを目にしたり、調べたりする方が多いのではないでしょうか。

今号から始まる新連載「住む国変われば」では、
日本に生まれ育ち、長年海外に暮らす方に、日本とは異なる暮らしについて執筆していただきます。
執筆者は毎号変わり、初回はスウェーデン在住のガラス作家・山野アンダーソン陽子さんにお願いしました。

スウェーデンといえば、新型コロナウイルス対策で、
北欧諸国も含むヨーロッパの多くの国が全国的な封鎖措置を取り、厳しい移動規制を敷いるなか、
厳しいロックダウン(都市封鎖)を行わない国として、世界中の注目を集めています。

5月上旬、陽子さんからこんなメールをいただきました。

スウェーデン政府と公衆衛生局は、早い段階から”コロナと共存の道しかない”と判断しました。
ワクチンや特効薬がないので、感染しないに越したことはないけど、
経済活動等の生活をを止めるわけにはいかないので、
国民一人一人が心がけつつ、出来るだけ通常通り生活を送り、
医療崩壊しないようにゆっくり感染していきましょう、というスタンスです。

スウェーデン、大丈夫か?! と思っていたのですが、
日数が経つにつれ、補償がきちんとされる国だから成り立つことや、
人口が少ないのでできる対策だと感じます。
延命もしないので、医療崩壊もしていません。
3000人以上が亡くなっていますが、95%以上が60歳以上の方です。
死生観が違うということもありますし、個人主義だな、合理的だな、と感じることが
いつもより一層増えました。

正直、カルチャーショックはありますが、誰にも正解がわからない状況の中で、
感情的ではなく、きちんとした科学的根拠の元に判断し、
今ある情報をクリアーに提示している。
理にかなった対策や補償もきちんとしているので、他の国と比べるとストレスが少ないと思います

私は今回の「自由と責任は同時にやってくる」がテーマの原稿を読んだこともあり、
スウェーデンがなぜそのような対策を取るのか、腑に落ちるところがあります。

日本で当たり前のことは、海外ではありえなかったり、その逆もある。
海外での暮らしを知ることで、少し視野が開けたように感じます。
みなさんにとっても、自分の住む国のこれからについて、考える機会になればと願います。(担当:平田)

「ひきだし」がリニューアルしました

2020年06月03日

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「ひきだし」がリニューアルしました
(6号「てと、てと。」)

取材・文は渡辺尚子さん、写真は松本のりこさんのコンビで、
2014年から続けてきた連載「ひきだし」が、
このたびタイトルを変えて、新たなスタートを切りました。

暮らしのなかで、食事をするように、息を吸うように、
ものづくりをされている人の、
生活や生き方、思想などをご紹介する
ドキュメンタリーのページです。

新タイトルの「てと、てと。」(手と、手と。)は、
ものづくりのために大切な「手」に着目し、
ひとりの右手と左手、という意味や、
親子や夫婦のふたりの手、
手から手へつながっていくもの、
というような意味を込めて名づけました。

第一回の「手」は、
陶芸家の小方英理子さんの、やさしく、
そして力強い手。
母として、作家として
いつも何かを作っている手に出会いました。(担当:小林)


暮しの手帖社 今日の編集部