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優しい時間が流れる場所で

2023年10月05日

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優しい時間が流れる場所で
(26号「これからの暮らしの話をしよう ミロコマチコ×カプカプーズ」)
連載「ミロコマチコ奄美大島新聞」で、島での暮らしを伝えてくださっている画家・ミロコマチコさん。彼女には、2カ月にいっぺん、飛行機に乗って訪れる場所があります。それは、横浜にある喫茶店「喫茶カプカプ」です。

「喫茶カプカプ」では、「障害がある」とされる人たちが働いています。彼らは店名にちなんで、「カプカプーズ」と呼ばれています。「私はこの場所に助けられている」。ミロコさんにそうまで言わしめるこの店は、いったいどんなところなのでしょう。

本企画では、店を運営する鈴木励滋さん、スタッフのすずきまほさん、ミロコさんが、誰もが安心して存在できる場所づくり、社会のあり方について話し合いました。ミロコさんと「カプカプーズ」が12年間続けている、ワークショップの模様もお伝えします。(島崎)

武田さん、沖縄を訪ねる

2023年10月04日

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武田さん、沖縄を訪ねる
(26号「これからの暮らしの話をしよう」武田砂鉄×上間陽子)

自分の暮らしはこの社会と地続き、そんな観点から見えてくるものとは――。
特集「これからの暮らしの話をしよう」では、本誌で連載中の著者3名が、今会いたい人に会いに行き、語り合いました。

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まずは、連載「今日拾った言葉たち」の著者でライターの武田砂鉄さん。沖縄へ、教育学者の上間陽子さんを訪ねます。上間さんは、県内の風俗業界で働く若い女性たちの支援・調査に携わり、3年前に発表した著書『海をあげる』では、沖縄に存在する暴力の連鎖、その不条理を広く世間に伝えました。その1年後に10代の妊産婦のためのシェルター「おにわ」を立ち上げ、支援活動を続けています。

対談内容は、「おにわ」の活動や、沖縄と東京の関係、ここ最近の政治の動きなど。そう聞くと、日々の暮らしとは別次元の問題のように思えるかもしれません。でも、取材後に対談の音声データを繰り返して聴くうちに、これらの問題は遠からず自分とつながっていると、わたしは感じました。ぜひ、みなさまのご感想をお聞かせください。(担当:中村)

あの日々を振り返って、今思うこと。

2023年10月03日

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あの日々を振り返って、今思うこと。
(26号「コロナ下の暮らしの記録」)

今年5月の連休前、ホームページやSNSを通じて、「コロナ下であなたが経験した、日常の暮らしについてお書きください」と呼びかけました。新たな感染症が発生し、日常が一変してから、早3年半。この間、みなさまはどのような毎日を送り、何を考えて過ごしたのか。大きなニュースの影で続いてきた、ひとりひとりの暮らしを知りたいと考えたのです。
日々を振り返って文章にまとめるのは手間がかかりますから、どのくらい集まるだろうかと、正直不安に思っていたところ、ひと月のうちに170編のお原稿が寄せられました。ご投稿くださったすべての方々に、この場を借りて心よりお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

誌面には、そのうち18編を掲載しています。できるだけいろいろな地域や職業の方のお話を載せたいと考え、編集部で繰り返し読み、悩みながら選びました。

エッセンシャルワーカーとしてドラッグストアの店頭に立ち続けた。自営のお店をたたんだ。一斉休校をきっかけに子どもが不登校になった。オンライン授業の運営に奔走した。コロナ下での出産や介護、闘病体験、海外との行き来で困難に直面したなど。
暮らしを変えざるを得なかった当時のことを素直に綴った文章は、何度読んでも胸に迫るものがあります。少し意外に感じたのは、どんな状況でもささやかな幸せを見つけ、前向きに生きていこうとする内容が多かったこと。それに慰められる一方、子どもや学生、新入社員など、年若い方々の苦労も忘れることができません。

現在も続いている「コロナ下」。18名の記録をご覧になって、あなたの暮らしと、その時の社会はどうであったか、振り返るきっかけになればと願っています。
そしてまた、新型コロナウイルスの感染により亡くなられた方のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。(担当:佐々木)

昨日の晩ごはん、何食べましたか?

2023年10月02日

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昨日の晩ごはん、何食べましたか?
(26号「ずっと、食べていく 大原千鶴さん」)

「家のごはんは、昨日何食べたか覚えてへんくらいでいいのよ」
そう言うのは、3人のお子さんを育ててきた料理研究家の大原千鶴さん。もうそれぞれ大きくなって、毎晩家族で食卓を囲むことも少なくなったそうですが、お子さんが小さかったころや食べ盛りのころなどは、さぞ大変だったことは想像に難くないでしょう。

「大原さんの撮影は、本当に早い」というのは、編集部内でも有名な話。手際がよいのはもちろん、料理の手順も調味料もシンプル、それでいてとてもおいしい。やはりそこには、これまでの経験が詰まっているのです。

今回は教えていただいたのは、”おうちごはんならではのレシピ”。
たとえば、スーパーのおつとめ品で安くなっていたパックのお刺身。おいしく食べるコツは、そのままではなく、塩水やしょう油ダレに1分漬けること。たったこれだけで、生臭さがなくなっておいしくいただけるのです。
もうひとつ、これはわが家の子どもたちがたいそう気に入ったのですが、パックに入っているツマごと、煮立たせたあんに入れて作る、海鮮あんかけ丼。お刺身なので小骨などの心配もなく、子どもたちにも安心ですし、ダシ香るあんがやさしく染み入ります。

そのほかにも、少ない調味料でジャッと炒める3皿や、ダシいらずのダシ巻きふう玉子、余りがちな香味野菜のおいしい食べ方など、目から鱗のうれしいレシピを紹介しています。
心がじんわり温まるおうちごはんを、ぜひお試しください。(担当:小林)

ごきげんでいるために

2023年09月29日

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ごきげんでいるために
(26号「ずっと、食べていく 本田明子さん」)

「ごはんを作って食べるときだけは、きげんよく楽しみたい。大切にしているのは、そのことくらいかな」
取材中、料理家の本田明子さんの言葉にドキッとしました。前日に晩ごはんを作っていたとき、時間に追われてついイライラしてしまった自分の姿が浮かんだのです。
「わが家にもそれなりにいろんな出来事があって、理想を手放さないと暮らしが成り立たないような時期もありました。それでもなんとか笑って、日々のごはんを作り続けてきたの」
ご家族が闘病中だったときのことを振り返りながら、本田さんはそう話してくださいました。
誌面では、そんな本田さんがいま実践している生野菜やゆで野菜、ゆで鶏などの「下準備」とともに、それらを使って手軽に作れる料理をご紹介しています。
また、一人暮らしのお父さまのためにこしらえている作り置きの中から、「切り身で作るブリ大根」「牛肉とトマトときのこの煮込み」「里いもの煮っころがし」「サバみそ」の4品を教えていただきました。
日々の暮らしは、ゆとりのある日もあれば、心も体も疲れている日もある。だから、そのときどきで気持ちを切り替えて、「どうすれば穏やかでいられるか」を考えてみる。その方法の一つとして、本田さんのお料理を思い浮かべて、作ってみていただけたらうれしいです。(担当:井田)

ずっと誰かのために作ってきた

2023年09月28日

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ずっと誰かのために作ってきた
(26号「ずっと、食べていく 三好悦子さん」)

「ずっと、食べていく」というテーマが決まったときに、まっ先に思い浮かべたのは、山梨県北杜市で「ギャラリートラックス」を営む、三好悦子さんでした。

わたしが悦子さんの料理をいただいたのは10年以上前。友人たちと訪れたトラックスは、初めての場所とは思えないほど心地よく、すっかり寛いでしまいました。そして展示のオープニングパーティーのために続々と並ぶ料理の美しさに圧倒されながら、ひとつひとつ目と舌でしみじみと味わったのです。このたくさんの料理を、オーナーの悦子さんがほとんど1人で作っているということをのちに知って、とても驚きました。

今回、久しぶりにお会いした悦子さんは相変わらず朗らかで、いつも人に囲まれていました。撮影中、「ちょっと食べてみて、ほらほら」と次々に味見をさせてくれ、「お腹すいたでしょう?」とあれやこれやごちそうしてくれました。こんなふうに、悦子さんはいつも誰かのことを心に置きながら、料理を続けてきたのだろうなぁと感じました。

「料理は食べたらなくなって、それでおしまい、だからいいのかな」と悦子さんは言います。
でも、悦子さんの料理は、10年経ってもわたしの記憶に鮮明に残っていました。あのときの心地よい空気とともに。

悦子さんの料理にレシピはありません。いつだって、そのときの心の赴くままに、味見を繰り返しながら作っていくからです(カレーは100回くらい味見するとか)。そんな悦子さん流の2つの料理の作り方をお教えていただきました。分量もなくざっくりとしていますが、それこそが悦子さんの持ち味。
みなさんも、心の赴くままに作ってみませんか? 自分好みの味が見つかるかもしれません。(担当:小林)

体も心もほぐす、ダシのおいしさ

2023年09月27日

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体も心もほぐす、ダシのおいしさ
(26号「ずっと、食べていく 対馬千賀子さん」)

料理家・辰巳芳子さんの内弟子として、17年間、一緒に暮らした対馬千賀子さん。いまはスープ教室の講師として、辰巳さん直伝の「いのちのスープ」の作り方を伝えています。
対馬さんに家のごはんで大切にしていることを伺うと、「季節の食材を使って料理をすること、そしておダシをひくこと」と教えてくださいました。「ダシをひく食べ方を守っていきたい」というお話に、ダシは日本の風土の恵みで、祖先の知恵、失ってはいけない大切なものだと、ハッとさせられました。

誌面では、おいしいダシのひき方を、手順写真とともにわかりやすくご紹介しています。教えていただいた方法でダシをひくと、昆布のうま味が出て、だんだんと深い味に変化する過程に感動します。私はこれまでダシをひく習慣がありませんでしたが、1週間分のダシをひき、冷蔵庫や冷凍庫にストックする習慣が身についたいま、安心感が生まれて、本当に助けられています。おみそ汁のほか、煮ものにもすぐに使えますし、おいしくて満足する味わいに気持ちが落ち着くのです。

ダシを使ったおつゆには、「つくねいものすり流し汁」「けんちん汁」「焼きなすのみそ汁」「里いものみそ汁」「鶏そぼろ入りにゅうめん」の5品を教えていただきました。あたたかいおつゆは身体にやさしく、疲れているときほど沁みるものです。ぜひ、ほっとするおいしさを味わってみてください。(担当:佐藤)

台所や食卓の情景と結びついた料理

2023年09月26日

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台所や食卓の情景と結びついた料理
(26号「ずっと、食べていく 松本未來さん、松本裕美さん」)

食べることは大切だとわかっていても、料理だけがやるべき仕事ではないし、理想通りにいかないこともままある。けれども、人生のそのときどきで、自分なりの知恵と喜びを見いだして、ずっとずっと食べていけたなら。
第一特集「ずっと、食べていく」では、「あなたが家のごはんで大切にしていることは、何ですか?」という問いを胸に6名の方を訪ね、その方の人生の変遷とともに、お話に結びついた料理のレシピを教えていただきました。

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緑豊かな山間にある、大分県山香町で暮らす松本未來さんと松本裕美さんを取材したのは、6月末のことでした。10歳の時に家族5人でこの土地に移り住み、四季折々の畑仕事に参加してきた未來さん。一方、大分の市街地で生まれ育ち、畑仕事とは無縁の生活を送ってきた裕美さん。
異なる道を歩んできた二人が家族となり、農家民泊「糧(かて)の家」を営んで、家族で育てた無農薬の米や野菜を使った料理を提供しています。
「宿泊客の方々にも、自分たちがふだん食べているものと同じ、素朴な『家庭の味』が感じられるものをお出ししています」と裕美さん。今のメニューに行き着くまでの道のりを伺うとともに、「糧の家」の朝ごはんと晩ごはんで提供している松本家の定番メニューの中から、「だんご汁」や「高野豆腐と根菜の煮もの」、「ピーマンの肉詰め」などの作り方を教わりました。
取材中、だんご汁をクツクツ煮ている鍋から湯気が上がり、窓の光が当たっている情景がきれいで、とても印象に残りました。日々のごはん作りを支えているのは、こういった何気ない台所の情景や記憶なのかもしれない。そんなことを感じた瞬間でした。(担当:井田)

自分の手でものを作る喜び

2023年09月20日

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自分の手でものを作る喜び。
(創刊75周年記念別冊「リンゴ箱で作る椅子」)

創刊75周年記念別冊を編むにあたり、編集部に保管されているバックナンバーを読み直しました。当時の号は紙質が粗く、年月が経って日に焼けているので、今にもポロポロと破れてしまいそうです。一頁一頁を、そっとめくりました。

戦後しばらくの間は、人々は必要に迫られて、なんでも手作りする時代でした。創刊当時の『暮しの手帖』では、身の周りのものを使って少しでも心地よく暮らすための工夫や知恵をたくさん紹介しています。1世紀2号(1949年)の、リンゴ箱を利用して作る椅子の記事も、その一つ。当時のリンゴ箱は、二十円ほどで果物屋で購入できたそうです。アイデアが興味深く、シンプルなデザインで作りやすそう。そこで実際に作ってみたら、どんな発見があるだろう?と思い、企画しました。

監修は、古材を使った家具や店舗の空間づくりをされている、ReBuilding Center JAPANの東野唯史(あずの・ただふみ)さん。東野さんもこの企画を面白がってくださり、当時の記事を読み解きつつ、ていねいにご指導いただきました。

おがくずとリンゴを入れて、全国を移動してきた働き者のリンゴ箱は、一つ一つに個体差があり、実際に解体して椅子を作るのは、思っていたよりもずっと大変でしたが、図工室にあったような、素朴な椅子が出来上がりました。
手作りの家具は愛着がわきますし、暮らしの一部を作っている実感があってうれしいものです。手でものを作ることのゆたかさ、大切さを思い、『暮しの手帖』の原点に触れたような経験でした。(担当:佐藤)

ランプに時計、風の子、ねこなど、12種類の絵柄です

2023年09月19日

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ランプに時計、風の子、ねこなど、12種類の絵柄です
(創刊75周年記念別冊 花森安治の挿画ステッカー)

編集部一同で頭を悩ませた、今回の特別付録。
色々な案が出た中から「ステッカー」に決定したものの、さて、どんなステッカーだと喜んでもらえるだろうか、貼ってもらえるだろうか……、そもそもステッカーってみんな何に貼るの? と付録作りに不慣れなメンバーで試行錯誤しながら作りました。

やっぱり花森さんの挿画を使いましょう! と決まったら、次は絵柄選びです。イラストデータを1世紀1号からすべて見返し、よさそうなものを(個人的な嗜好をもとに)集めてみたものの、編集長から「これはちょっと、トンガリすぎているのでは」との指摘を受け、選びなおし……。というやりとりを繰り返して、何とかできあがったのがこちらです。花森さんの挿画と『美しい暮しの手帖』のロゴ、合わせて12種類のステッカーです。

制作途中に届いた試作品を、まわりの席のスタッフに配って試し貼りをしてみたときのこと。私は仕事道具であるタブレットのカバーに、右隣の佐々木さんは手帳に、左隣の難波さんは卓上扇風機に、営業の関さんと進行の空地さんはスマホに……と各々好きなところにペタリ。「おお、かわいい!」

スマホやPCなどの持ち物や、お手紙などにも使えるサイズです。ぜひあちこちに貼ってお楽しみください。(担当:小林)

台所から生まれた、ユニークで愛らしい図案

2023年09月15日

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台所から生まれた、ユニークで愛らしい図案
(創刊75周年記念別冊「台所にある図案 花森安治の絵を刺繍に」)

ある日、『暮しの手帖』のバックナンバーをめくっていた時のことです。1954年に発行された、1世紀27号の「台所にある図案」という記事に目がとまりました。
「たとえば台所のいろんな器具も、
その目でみれば、またちがつた味の、
たのしい図案になりそうである」
誌面ではそんな言葉とともに、初代編集長の花森安治が描いた泡立て器やフライ返し、コーヒー茶わんなどの図案が紹介されています。なかには、蛇口や焼き魚をモチーフにしたユニークなものも!
これらの図案をハンカチやキッチンクロスなど、身近なものに刺繍してみたい……。そんな思いがむくむくと湧き、刺繍作家の髙知子(たか・ともこ)さんにご相談してみると、「コーヒ茶わんは、サテンステッチがいいかな。蛇口のモチーフは、チェーンステッチがおすすめ」などなど、図案に合ったステッチを提案してくださいました。

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暮らしの中に楽しさを見いだす、花森の眼差しが感じられる図案の数々。ぜひお好きなものをひとつ、刺してみていただけたらと思います。(担当:井田)

多くの人に愛されて

2023年09月14日

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多くの人に愛されて
(創刊75周年記念別冊「ロング連載を紹介します」)

暮らしに役立つ、ちょっとした知恵を募る「エプロンメモ」。
毎日をみずみずしく保つ、小さな心がけを綴る「暮らしのヒント集」。
ささやかな、けれどキラリと光るすてきな出来事をご紹介するエッセイ「すてきなあなたに」。
読者の方々に、家族にまるわる物語を寄せていただく「家庭学校」。

これらはいずれも、『暮しの手帖』愛読者にはおなじみの連載です。けれど、長い読者の方々でも、それぞれの長い歴史についてはあまりご存じないのかも……? ということで、創刊75周年記念別冊では改めて、ロング連載の成り立ちを紐解く頁をもうけました。

「エプロンメモ」の頁では、連載を開始した1世紀25号(1954年)以降の1世紀号の中から、22編を選りすぐってご紹介。「暮らしのヒント集」は、初回の2世紀1号(1969初夏)をはじめ、時代ごとに4号分を再録しました。同じく2世紀1号にスタートした「すてきなあなたに」の初回や、「家庭学校」傑作選も掲載しています。

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これらの頁を編むにあたり、バックナンバーを読み漁っていると、その時代、その時代の読者の方々の顔が、くっきりと見えてくるようでした。ことに、五十余年分の「家庭学校」の投稿を読み込んだ時には、深く感じ入るものがありました。
子どもの心配、夫婦の葛藤、嫁姑問題……。いつの時代の、どんな人の暮らしにも、何かしら悩みの種があり、みんな泣いたり笑ったりして生きてきた。そうして連綿と続く歴史の先に、今がある。そう考えると、投稿してくださった方々、読者の皆さん、そして現代を生きる私たち、すべての人の人生が、なんだかとてもいとおしく思えてくるのです。

こんなふうに温かい気持ちになれるのも、この連載が、この雑誌が、長きにわたって多くの人に愛されてきたからこそ。改めて感謝の気持ちが湧いてきます。(担当:島崎)


暮しの手帖社 今日の編集部