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おいしくて、楽しい時間をご一緒に

2021年12月02日

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おいしくて、楽しい時間をご一緒に
(15号「つくっておける 祝い席のおつまみ」)

年末年始は、会食が増える季節ですね。
今は外食を控え、親しい人を家に招いてささやかに乾杯する、
という人も多いでしょう。
が、そんな時、少しプレッシャーになるのがお料理の準備です。

私の場合、家に人をお招きすると、
「次はあれを出して、その次はこれ。ああ、あっちも仕上げなきゃ」
なんて具合に台所に立ちっぱなしになり、
結果、会が終わるとグッタリと疲れているうえ、
「あれ、私、みんなとほとんどおしゃべりできなかったな」
ということもしばしばなのです。

うーむ、これはどうにかならないものか……。

そんな時に思いついたのが、こちらの企画。
事前につくっておいておける、
あるいは、完成の手前まで準備しておける、
おつまみメニューを選りすぐってご紹介しています。

料理家の渡辺麻紀さんが教えてくださったお料理は、
おいしいのはもちろん、見た目にも華やかで、お祝いの席にぴったり。
みんなでテーブルを囲んで、どうぞよい時間をお過ごしください。(担当:島崎)

来年こそは穏やかな年になりますように

2021年12月01日

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来年こそは穏やかな年になりますように
(15号特別付録「山口一郎『暮らしのカレンダー』)

現在発売中の『暮しの手帖』15号には、「特別付録」としまして、
画家の山口一郎さんによる「暮らしのカレンダー」をおつけしています。

山口さんといえば、本誌10号から目次の絵を描いてくださっていますが、
このカレンダーでは毎月12ヵ月分、その季節にぴったりのすてきな絵を描き下ろしていただきました。
最後には、2022年をしめくくる可愛らしいページもあり、めくるのが楽しみになるカレンダーです。
どんなインテリアにもなじみそうな、シンプルなデザインで、やや小ぶりなサイズ。
リビングやキッチンなどでご愛用いただけたらと思います。

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また、カレンダーが入っているとじ込みの袋には、来年の干支・寅の絵が描かれています。
袋はミシン目があり、本体から切り離してカレンダーを取り出せるようになっていますので、キレイに切り離していただいて、この寅の絵もお正月に飾っていただけたらうれしいです。

本誌は隔月発行で、発売日は奇数月の25日。
「覚えにくい」とおっしゃる方も多いので、このカレンダーには、さりげなく発売日も記しました。
来年もひきつづき『暮しの手帖』をご愛読くださいますよう、
どうぞよろしくお願いいたします。(担当:空地)

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今年は自分で作ってみませんか?

2021年11月30日

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今年は自分で作ってみませんか?
(15号「ショートケーキはいかが?」)

スーパーやデパートなどで、クリスマスケーキの予約告知が目につくようになってきましたね。
純白のクリームにいちごをのせたショートケーキは、見るだけでウキウキしてきます。
思いきって、今年は自分で作ってみませんか?
「いやいや、作るのは難しそう……」と思うかもしれません。
私もお菓子作りに自信はありませんが、
いつか自分で作ってみたいな、と思い続けてきました。
そこで今回、ご指導を仰いだのは相原一吉先生。
40年以上お菓子を教えてきた、先生の黄金レシピであるスポンジ生地を、
上手に作る秘訣を教えていただきました。
工程ごとのポイントや、「なぜ、そうするのか」という理由がわかると、
「なるほど!」と楽しくなり、作る度に上達しました。
「売り物のように完璧に仕上げなくてもいいんです。
家で作るお菓子には別のおいしさがあるんですよ」という先生の言葉が胸に響きます。
幼い頃、母と一緒にケーキを作り、
クリームをしぼるのが楽しかったこと、自分で作ったことの達成感で、
とびきりおいしく感じたことなどを思い出し、とても励まされました。
今回は特別に、クリームに水きりヨーグルトを加えた軽やかなショートケーキをご考案いただきました。
まさにお店では買えない味で、手作りするからこそ味わえるおいしさです。
ぜひ、ご家族やご友人と一緒に、ショートケーキ作りを楽しんでみてください。
みなさまにとって、思い出の味になりますように。(担当:平田)

その日の体調にあわせて

2021年11月29日

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その日の体調にあわせて
(15号「冬の養生中国料理」)

一年の疲れがどっと出やすい時季です。
なんとなく身体が重かったり、体調を崩しがちだという方が
多いのではないでしょうか。
「なんだか風邪をひきそうだぞ」という時に私が最近よく作るのは、
塩味でシンプルな「きくらげとやまいも炒め」や、
甘辛味で食が進む「牛肉とさつまいもの米粉蒸し」です。

レシピを教えてくださったのは、料理研究家の荻野恭子さん。
ご好評いただいた7号の「身体をいたわる 夏の中国料理」に続き、
今回も、「食養生」の知恵が詰まった、
中国の家庭料理を提案してくださいました。

荻野さん曰く、「旬のものには、その季節を健やかに過ごすために
必要な栄養や効能がある」とのこと。
例えば、きくらげは冷えに弱い腎臓の働きを助けたり、
やまいもは、滋養強壮の効果があるのだそうです。

調べてみると、この食材にはこんな効能があったのか! と驚くとともに、
食卓に取り入れるのがだんだんと楽しくなっていきます。

ご紹介するレシピは、身近な食材を使ったものばかりですし、
効能も誌面でご紹介しているので、
その日の体調にあわせて、ぜひお試しください。
食べ終わると、身体の内からポカポカと温まりますよ。(担当:井田)

暮しの手帖別冊『お金の手帖』が発売になりました

2021年11月26日

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お金と暮らしは切っても切り離せないもの。
とても身近な存在なのに、どうしてお金との付き合いは、
こんなに難しいのでしょうか?

「将来が心配で、お金を使うのがこわい」
「お金についてわからないこと、迷うことが多すぎる」
「お金のことを語るのは卑しいという気持ちがあり、家族と話し合えない」
事前に行ったお金についてのアンケートでは、こんな声が並びました。

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そこで私たちは、この本を
お金についての不安な気持ちに寄り添うものにしよう、と決めました。
「なんのためにいくら貯めたら安心なのか、よくわからない」
「家計簿をつけるべきですか? 続ける自信がありません」
「税金が高過ぎる。吸い取られている感じで、つらいです」
みなさんから届いた正直な声を、家計や経済の専門家に投げかけ、
そのやりとりから一冊を作りました。
気になるところだけを拾い読みできる、
Q&A形式にもこだわりました。

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家計の整え方だけでなく、日本経済が抱える課題についても、
かわいいイラストとやさしい文章で、わかりやすく解説しています。
今の日本の状況がわかれば、家計の中で必要な備えが、
自然に浮かび上がってくるからです。

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前編は「経済を通じて社会を知ろう」と題し、
年金、少子化、貧困、働き方、税金など、今の日本を知るための
重要なトピックスを揃えました。

後編は「家計の不安を取りのぞこう」と題し、
基本的な家計の整え方から、住宅費用、教育費、老後資金、
保険、投資に至るまで、充実の内容。
特別ふろくとして、ズボラさんでも記入できる
家計の「年間決算シート」「定年後の収入見える化シート」もついています。

また「新しい窓を開ける」というインタビュー集では、
従来のお金の価値にとらわれない
ヤマザキマリさん、松村圭一郎さん、植本一子さん、伊藤洋志さんが、
家計・経済についての新しい視点を語ります。

読むうちに、「今も未来も、きっと大丈夫」。
そんなふうに気持ちが変わっていくはずですよ。(担当:田島)

心しずかに暮らしを見つめるために

2021年11月25日

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心しずかに暮らしを見つめるために
――編集長より、最新号発売のご挨拶

在宅ワークをしていると、飼い猫が腕にぴったりとくっついて、からまってきます。夜寝るときも同じで、こちらはぬくぬくと幸せです。暖冬といっても、寒くなったんだなあと思うこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
いろいろあったこの一年、年末年始に、心しずかに暮らしを見つめる一冊をお届けしたい。今号は、そんな思いをこめて編みました。
表紙画は、デザイナーの皆川明さんによる「北の森の朝」。
依頼を差し上げたときの手紙を読み返すと、「先行きに不安を感じる人が多いいま、『心の安堵』や『深い幸せ』をテーマに描いていただきたい」とあります。そののちのやり取りで、「冬の澄んだ空気を深呼吸するような」というイメージが浮かび、やがて受けとったのがこの絵。ちいさな花々が寄り添って息づく様子は、なんだか私たち人のようだと思いませんか。

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巻頭記事は「わたしの手帖 オリジナルでいこう」。
今回、取材にお伺いしたのは、介護施設で働く森岡素直(もとなお)さんと、絵を描く仕事をする中井敦子さん。お二人の間には昨年末、待望の赤ちゃん、満生(まを)さんがやってきました。
じつは、素直さんは女性として生まれついた人で、ゆえにお二人は婚姻関係を結ぶことができせん。たがいに心ひかれ、寄り添って暮らし、新しいいのちを育てていく、という点では、ごくふつうのカップルであるにもかかわらず。
私がお二人とはじめてお会いしたのは昨年のいまごろで、中井さんのおなかには満生さんがいました。ざっくばらんにいろんな話をし、この方たちを記事としてご紹介したいなあと思ったものの、いったいどんな記事にしたらいいものか、しばらく考えあぐねました。
誰もが「家族」になれる社会に、少しずつでも変わっていけたらいい。満生さんの、そして、すべての子どもたちの未来のために。
そんなお二人の願いを受けとりながらも、うまく言えないのですが、このメッセージが「主義主張」として太字で記されるような記事ではなく、隣にいる人の「暮らしの物語」として受け止めてもらえる読み物にできたらいいな……そんな思いが浮かび、「わたしの手帖」がしっくりくるのではないかと考えました。
「わたしの手帖」は、「どんな人の胸にも、暮らしのなかで摑んだ、きらめく言葉が書かれた手帖がある。そんな言葉を見せていただき、読む人と分かち合いたい」というコンセプトで続けているシリーズ企画です。しぼった文字数と写真で構成された、いわば「余白」の多い記事ですが、読む方には、ご自分の暮らしと重ね合わせて何かを感じとり、ひととき足を止めて考えていただけたら、うれしい。今回の記事についても、そう願っています。

そのほか、『暮しの手帖』ともゆかりのある、物理学者で随筆家でもある中谷宇吉郎博士の横顔を娘さんたちが語る「雪の博士 中谷宇吉郎さんの家族アルバム」、版画家のわだときわさんの「ままならないから、豊か」という人生の物語を綴った連載「てと、てと。」など、人の生きざまが胸にしみいる読み物をそろえました。
年末年始の季節、腕を振るって分かち合いたい料理やケーキ、贈り物にもぴったりな「猪谷さんの靴下」など、「つくること」を楽しむ記事にも力を入れました。来週から、担当者が一つずつご紹介しますので、ぜひお読みください。

また、今号には特別付録として、「山口一郎 暮らしのカレンダー」を綴じこみました。山口一郎さんは、今年1年間の目次絵を描いてくださった画家で、私もじつは大ファン。部屋には山口さんの抽象画を置いて日々眺めています。
小ぶりなカレンダーですが、山口さんの絵は実物以上に大きく見えるといいますか、のびやかで、心をふっと解放させてくれるような明るさがあります。カレンダーを入れた封筒と表紙には、来年の干支の寅が描かれています。封筒は、本誌を開いた真ん中(ノドと言います)のミシン目からきれいに切り取ることができますので、大掃除を終えたら、この寅の絵も飾っていただけたらうれしいです。
それぞれの人が、それぞれの持ち場で頑張り、踏ん張って、日々をまわしてきたような一年でした。自分の暮らしが、じつは多くの人によって支えられている、そのことにあらためて、感謝の思いも湧いてきます。
どうか、みなさまの年末年始が、心おだやかで、幸せなものでありますように。お身体を大切にお過ごしください。

『暮しの手帖』編集長 北川史織

イタリア宛ての定期購読発送について 重要なお知らせ

2021年11月24日

日頃より『暮しの手帖』をご愛読いただきまして、誠にありがとうございます。

新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、
各国・地域において、国際郵便物の受け入れ停止等の措置が取られております。

イタリア宛ては、昨年4月以降、「SAL便(エコノミー航空便)」の引き受けが停止されておりましたが、今年の10月15日より「航空便」も引き受けが停止されております。

そのため、11月25日発売の『暮しの手帖15号』(2021年12月・2022年1月)は
発送を保留にしております。
15号以降の新刊は、日本郵便による引き受けが再開され次第、お送りいたします。

お届けが遅れますこと、心よりお詫び申し上げます。
ご不明な点がございましたら、営業企画部(teiki@kurashi-no-techo.co.jp)まで
お問い合わせください。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解いただけますようお願い申し上げます。

がんばっている、すべての人へ

2021年10月11日

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がんばっている、すべての人へ
(14号「田村セツコさんとの25年 セッちゃんと、いっしょに」)

こんにちは、編集長の北川です。
全国で緊急事態宣言が解除されましたが、これまで休業や時短営業をしていた飲食店の方たちにお話を伺うと、「ようやくこの日を迎えられた」と安堵の声も聞こえてきます。まだ通常通りとはいかなくても、街に灯りと活気が少しずつ戻ってきたようにも思えます。

東京・原宿のビルの地下街にある喫茶店「シーモアグラス」は、この9月で25周年を迎えました。絵本をこよなく愛する店主・坂本織衣さんが一人で切り盛りする店は、絵本がぎっしり詰まった本棚があり、壁のあちこちに、作家のみなさんが残していった絵が飾られています。
開店当初からしょっちゅう姿を見せるのが、ご近所に暮らすイラストレーターの田村セツコさん。セツコさんが描く、夢見るような大きな瞳、すらりとした手足の女の子の絵は、きっと誰もが目にしたことがあるでしょう。
今回は、「セッちゃん」「おりえちゃん」と呼び合う、お二人の間にある物語を、坂本さんが綴ってくださいました。
私がセツコさんのお話を伺っていて、特にぐっときたのは、
「ウインクしている女の子を描くときは、一人でがんばっている女性に『大丈夫、大丈夫』って声をかける気持ちで描いているの」
という言葉でした。
いま、ひそかにがんばっている、すべての人に読んでいただきたい物語です。

なお、今回誌面でご紹介している、田村セツコさんが絵を描く手もとの写真(撮影は松本のりこさん)が、シーモアグラスで展示中です。お近くにいらしたら、ぜひ、ご覧ください。(担当:北川)

本当のぜいたくって、こういうこと

2021年10月08日

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本当のぜいたくって、こういうこと
(14号「新米をおいしく食べたい」)

こんにちは、編集長の北川です。
せわしなく暮らしていると、旬の味を楽しみ尽くす前に「名残」の時季も過ぎてしまい、がっくりすることがあります。
そんな私でも、毎年、心待ちにしているのが新米の季節。炊き立てのご飯を、まずはおむすびにして、大きな海苔を巻いて食べる。最高です。
「新米をおいしく食べたい」の企画を考えたとき、「炊きたてによく合うおかず、この方に教えていただけたらなあ」とすぐに思い浮かべたのは、料理研究家の有元葉子さん。いつも撮影にお伺いすると、お料理はもちろん、ぴかっと炊き上がったご飯がたいへんおいしくて、いつかコツを教えていただけたらと思っていました。
「新米には、シンプルなおかずを取り合わせて、お米のおいしさを楽しむのがいいですね」と有元さんはおっしゃり、塩むすびとおかずを「お弁当風」に大皿に盛りつける楽しみ方、それから「のっけご飯」4種を教えてくださいました。
のっけご飯は、焼いた椎茸をとろろなどと合わせるものや、エビと三つ葉のかき揚げ、「サバでんぶ」など。
サバのでんぶとは、ちょっと聞きなれないかもしれませんが、サバをしょうがと一緒に甘辛く煮て、そぼろ状にし、お好みで実山椒の佃煮などと合わせたもの。これは、ご飯が進みすぎて困るなあ……という「ご飯のおとも」で、こうして書いているうちに、食べたくてたまらなくなりました。
いつもより少し心配りをして、じょうずにご飯を炊いたら、好みのおかずと取り合わせていただく。これぞ、家庭料理の本当のぜいたくですね。(担当:北川)

無理なく続ける、ハンドケア

2021年10月07日

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無理なく続ける、ハンドケア
(14号「いたわりのハンドケア」)

初めて会う人や、電車やバスで目の前にいる人など、
顔と同じくらい目が行くのは、手元ではないでしょうか?
肌に潤いがあって清潔な手元は、
その人の印象をぐんと良くしてくれます。

そうは分かっていても、私の場合、顔や髪の手入れには気を遣うのに、
手はついつい後回しにしがちです。
食器洗いや洗濯物干し、トイレやお風呂の掃除など、
日々こなしている水仕事が多すぎて、
「ハンドケアの時間がない!」と思っていました。

今回ご紹介するハンドケアは、
手洗いのついでに取り入れられるかんたんなものや、
日々使い続けている洗剤や石鹸の見直しなど、
気軽に始められるものばかりです。

「大切なのは毎日続けること。自分が無理なく続けられる方法で、
毎日がんばる手をいたわってあげてください」と、監修の加藤先生はおっしゃいます。

みなさんも、毎日の生活に取り入れられるヒントとして
ぜひ、お試しになってください。(担当:山崎)

貴重な暮らしの「定点観測」です

2021年10月06日

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貴重な暮らしの「定点観測」です
(14号「手と足と、知恵を使って生きていく)

みなさんは新潟県上越市にある集落、
「中ノ俣」をご存じですか?
そこは、お年寄り50人ほどが暮らす小さな村。
山に囲まれ、コンビニやスーパーなどのお店はなく、
夏は草木が生い茂り、冬はドカ雪が降る、
実に自然のきびしいところです。

世界中の辺境を旅してきた写真家の佐藤秀明さんが
この地を初めて訪れたのは、約20年前のこと。
「最初は珍しいものを撮るようにレンズを向けていましたが、
次第にここに暮らすお年寄りたち一人ひとりの個性に惹かれ、
『人間』を撮りたいと思うようになりました」
と話してくださいました。

今回の特集では、長年、佐藤さんが中ノ俣に通い続け、
撮りためてきた写真と住民とのエピソードをご紹介します。
「婆さま」「爺さま」とのほのぼのとしたやりとり、
たくましく暮らし、日々を楽しむ様子など、
佐藤さんが綴る文章のすみずみに、温かな情景が宿っています。
そして、自然の脅威や住民の並々ならぬ苦労話も。

いまは各地でもう失われてしまった、
昔ながらの農村の暮らしが、まだここには残されています。
佐藤さんによる貴重な「定点観測」をぜひご覧ください。(担当:中村)

困ったときにも、自分らしく

2021年10月05日

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困ったときにも、自分らしく
(14号「人間らしい暮らしって?」)

私事で恐縮なのですが、私には2歳になったばかりの子どもがおり、ときどき、その幼い寝顔を見ながら、こんなことを考えます。

「この子が大人になる頃、社会はどんなふうになっているんだろう」
「ちゃんとした暮らしができるといいけれど」

毎食、豪華でなくとも、ちゃんと栄養のある食事を食べられますように。
毎日お風呂に入って、清潔な布団で眠りにつけますように。
趣味に興じたり、買い物をしたり、友達と会ったりして、生きることを楽しめていますように……。

そんなことを祈ります。人によっては「ずいぶん『ふつう』だなあ」と思うことばかりかもしれませんね。

でも、今の社会には、こうした「ふつう」の暮らしを送れない人がいます。安心して働ける職場がない人。いくつもの仕事を掛け持ちして、長時間働いても、食べていくので精一杯な人。コロナ禍で、これまで「ふつう」の暮らしをしていたのに、それが叶わなくなった人も。昔も今も、いつの時代にも、そういう状況に置かれている人が一定数いるというのが現実です。

この企画は、万が一、生活に困ったときにも、私たちが自分らしく生きていくために、どんな福祉が必要か、どんな社会であったらそれが可能か、考えたいと思って編んだものです。

生活に困っている人の支援をつづける団体「つくろい東京ファンド」の代表理事・稲葉剛さん、貧困問題に詳しいジャーナリスト・水島宏明さん、実際に生活に困窮した経験を持つ二人の方にお話を伺いました。(担当:島崎)


暮しの手帖社 今日の編集部