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揺るぎない暮らしのすがた

2021年09月25日

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揺るぎない暮らしのすがた
――編集長より、最新号発売のご挨拶

窓を開けて仕事をしていると、川辺のグラウンドから、野球少年たちの歓声が聞こえてきます。風が心地よく、見上げる青空は高い。ようやく、ひと息つける季節がめぐってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
今号の表紙画は、イラストレーターの秋山花さんによる、「on the wind」。黄金色の空を、紙飛行機に乗った2匹の犬がすーっと飛んでいきます。まさに、風まかせの気ままな旅。うらやましいな。
まだいろいろと不自由な状況ですが、せめて心はどこか遠くへ飛ばして、すがすがしい空気を胸いっぱいに吸い込みたい。今号は、そんな思いをこめた特集を組みました。

一つは、巻頭特集の「山の版画家 大谷一良さん」。青や緑を基調とした山々の風景画は、ひととき眺めていると、心が静まっていくようです。
大谷一良さん(1933~2014年)は学生時代、串田孫一さんが部長の山岳部で活動しつつ独学で版画を始め、卒業後は商社マンとして働きながら、文芸誌『アルプ』の表紙画や挿画などを手がけました。超多忙な日々、制作はもっぱら休日をあてて行っていたそうですが、いったいどうしたら、そんな二足の草鞋を履けるのだろうと思います。その作品世界は世事とは無縁、澄みきって見えます。
実在の山ではなく、「自分のなかにある山」を描き続けたという大谷さん。だからこそ、その「山」にはふしぎな抽象性があり、見る人がそれぞれに抱く「山」の記憶やイメージ、何か揺るぎないものを呼び覚ますのかもしれません。

もう一つの特集「手と足と、知恵を使って生きていく」の舞台は、新潟県の山あいにある小さな集落、「中ノ俣」です。著者は、ここに20年来通い続ける写真家の佐藤秀明さん。棚田が広がる山村の四季折々の風景と、そこで暮らすお年寄りたちの日々を撮った写真には、「まだ日本にもこんな暮らしが残っていたのだなあ」と思わされる、驚きと懐かしさがあります。
親しく交流するお年寄りたちは、たとえ足が弱ってきても田畑を懸命に耕す働き者ばかりで、藁細工でも山菜料理でも、ささっと器用にこしらえてしまう。大きな笑顔がすてきで、厳しい自然とともに生きながらも、暮らしをめいっぱい楽しんでいるのです。
佐藤さんは、仲ノ俣に着くと棚田のてっぺんに向かい、そこで集落を見下ろして、流れる空気を感じながらしばし過ごすといいます。
「天日干しされた稲の香りを含んだ風が吹いてくる、秋の昼下がりがたまらなくいい。その甘さを含んだ風は、肺の中に入ってきて体全体に広がってゆく」
ああ、そんな空気を吸い込んでみたいなあ、と思わされる、実感のこもった一節です。

制作中、初校を読みながら気づいたのですが、この特集2本はどちらも、文中の肝となる部分で「揺るがず」「揺るがない」という言葉が使われていました。もしかしたら、いまそうしたものを、私たちが求めているということでしょうか。
自粛生活も1年半になると、外に楽しみを求められないぶん、本当の意味で「暮らしを楽しむ」って何だろうと、よく考えるようになりました。一つにそれは、ともすればただ流れていく一日一日のなかで、誰もが行う日常茶飯にどう工夫して「楽しみ」を見いだせるかな、という「能動的な自分」が必要な気がします。
新米が手に入ったら、おいしく炊いて、シンプルなおかずで味わってみる。手もとにある余った毛糸で、家事に役立つ愛らしい小ものを編んでみる。いまだからこそ、「公助」って何なのか、考えてみる。
今号も、暮らしを能動的に楽しみ、しっかり向き合って考える、そんな特集記事をそろえました。お茶でも淹れて、ゆっくりと読んでいただけたらうれしいです。どうぞ、健やかな日々をお過ごしください。

『暮しの手帖』編集長 北川史織

郵便局関係者の新型コロナウイルス感染に伴う、定期購読配達遅延のお知らせ

2021年09月24日

日頃より『暮しの手帖』をご愛読いただきまして、誠にありがとうございます。

9月25日発売の『暮しの手帖』14号の定期購読につきまして、
郵便局関係者の新型コロナウイルス感染に伴い、一部エリアで到着が遅れる可能性がございます。
詳しくは「日本郵便ホームページ」をご覧ください。
https://www.post.japanpost.jp/newsrelease/
※新しい情報は、上記「日本郵便ホームページ」内「お知らせ」欄に掲示される「郵便局関係者の新型コロナウイルス感染に伴うゆうパック等の引受停止について」にて、随時更新されます。
※ご不明な点は、暮しの手帖社 03-5259-6008までお問い合わせください。

あらかじめ、ご理解、ご容赦賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
時節柄、どうかご自愛の上お過ごしください。

暮しの手帖別冊『気分を大事に 続ける料理』が発売になりました

2021年09月16日

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「料理するの、楽しい!」という日もあるし、「料理するの、しんどいなあ」という日もある。
「何を作ろうかな」とワクワクする日もあるし、「あ~もう、考えるのもいや」という日もある。
私たちは、日々、いろいろの気分を抱えながら、台所に立ち続けていますよね。

この本は、そういう自分の体と頭、心の状態と気分を大事にしながら、「よしよし、それなら今日はこんな方法で、自分に優しくしよう」と料理したり、食べることができるといいな、と考えて編みました。
頑張って気持ちを奮い立たせたりせず、あるがままの自分を受け止めて、無理のない方法を選んで料理するのです。
気分や合う方法は、人によってさまざまでしょうから、できるだけたくさんの個性豊かな方々にご指導いただきました。

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1章「考えないで作る料理」は、「考えて決める、それがしんどい……」という時に、
2章「時間を味方にする料理」は、「夜はバタバタ、時間があるうちに作っておきたい……」という時に、
3章「食べて養生する料理」は、「なんだか食欲すら落ちてきたみたい……」という時に、
4章「買ってひと手間、満足ごはん」は、「とにかく疲れた、すぐ食べたい……」という時に、
5章「夢中になって楽しむ料理」は、「料理って楽しい!」そう実感したい時に、役立つレシピです。

さらに特別取材「わたしの続ける気持ちと料理」では、タブラ奏者のU-zhaanさん、漫画家のよしながふみさん、モデル・女優の滝沢カレンさん、やり過ごし料理研究家のやまもとしまさんの4名に、台所に立つモチベーションをお聴きしています。

総勢15名の、やさしさが詰まったエピソードとレシピで、どんな日も減ってしまうお腹を温かく満たし、明日の元気につなぐことができますように。(担当:長谷川)

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10/29(金)開催!『みらいめがね2 苦手科目は「人生」です』   発売記念 著者・荻上チキさんオンライントークショー

2021年09月13日

『暮しの手帖』の大人気連載「みらいめがね」の書籍化第2弾『みらいめがね2 苦手科目は「人生」です』の刊行を記念して、著者・荻上チキさんのトークイベントを行います。

今回は、下記の対象書店でご購入した方限定でご参加いただけるオンラインイベントです(主催:文化通信社)。
荻上さんのお話を聴く貴重な機会、ぜひふるってご参加ください。
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開催日時:2021年10月29日(金) 20~21時予定(約1時間)

参加条件:『みらいめがね それでは息がつまるので』(第1巻・既刊)『みらいめがね2 苦手科目は「人生」です』(第2巻・最新刊)のいずれか1冊を下記の対象書店でご購入された方(参加費なし、本代のみ)

参加方法:購入時に提供されるチラシ(もしくはレシート)に記載のイベント参加URL(もしくはQRコード)から参加登録

配信:Zoomウェビナー(※一般参加者の顔は映りません。Zoomアプリがない場合でも、Webブラウザからご参加いただけます)

イベント問い合わせ:文化通信社オンラインイベント事務局 TEL:03-3812-7466

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対象書店(順不同 店頭に在庫がない場合は各書店様でご注文ください)

岩手大学生活協同組合購買中央店
大垣書店 イオンモールKYOTO店
大垣書店 イオンモール京都桂川店
大垣書店 イオンモール富士宮店
大垣書店 亀岡店
大垣書店 烏丸三条店
大垣書店 京都駅ビル ザ・キューブ店
大垣書店 京都ファミリー店
大垣書店 京都本店
大垣書店 ジ アウトレット広島店
大垣書店 髙島屋店
大垣書店 豊中緑丘店
大垣書店 二条駅店
大垣書店 ブックパル桂南店
Paypayモール内「京都 大垣書店オンライン」
かもめブックス
川又書店 エクセル店
川又書店 県庁店
紀伊國屋書店 全店 ※購入時のレシートに申込用QRコードを印字
啓文社 イオン三原店
啓文社 岡山本店
啓文社 コア神辺店
啓文社 コア春日店
啓文社 コア福山西店
啓文社 新浜店
TSUTAYA 啓文社可部店
啓文社 西条店
啓文社 BOOKS PLUS 緑町
啓文社 ポートプラザ店
啓文社 ゆめタウン呉店
三省堂書店 大宮店
三省堂書店 下北沢店
三省堂書店 神保町本店
三省堂書店 成城店
三省堂書店 そごう千葉店
三省堂書店 名古屋本店
三省堂書店 有楽町店
TSUTAYA ピアシティ石岡
TSUTAYA LALAガーデンつくば
八文字屋書店 泉店
八文字屋 北店
こぴあ八文字屋 PS
八文字屋書店 セルバ店
八文字屋 鶴岡店
TENDO 八文字屋
八文字屋 長井店
八文字屋 本店
丸井八文字屋 新庄店
みずほ八文字屋 酒田店
ブックエース イオン小名浜店
ブックエース 茨大前店
ブックエース 植田店
ブックエース 内郷店
ブックエース 小名浜店
ブックエース 春日部16号線店
ブックエース 上荒川店
ブックエース 酒門店
ブックエース 下館店
ブックエース 下妻店
ブックエース 新取手店
ブックエース 杉戸店
ブックエース 総和店
ブックエース TSUTAYA東石川店
ブックエース 東海店
ブックエース 成田赤坂店
ブックエース 坂東店
ブックエース 日立鮎川店
ブックエース 見和店
ブックエース 結城店
ブックスタマ 小作店
ブックスタマ 東大和店
マルサン書店 駅北店
マルサン書店 サントムーン店
マルサン書店 仲見世店
酪農学園生活協同組合書籍部
暮しの手帖社オンラインストア

荻上チキ×ヨシタケシンスケによる、本誌大人気連載の書籍化第2弾! 『みらいめがね2 苦手科目は「人生」です』刊行

2021年09月13日

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生きにくさを感じるのはなぜなのか。生き方を決めつけようとする「~らしく」「~すべき」という「呪いの言葉」がどこから来るのか。分かりやすく解き明かした、大好評の第1巻『みらいめがね それでは息がつまるので』から2年ぶりの新刊です。

2巻では、1巻で告白した荻上さんのうつ症状が緩和されたきっかけや、相手も自分も落とさない笑いとコミュニケーションのとり方、コロナ禍以前に出かけた香港と「雨傘運動」のことなど、ご自身の体験からあふれた言葉が綴られています。

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各話に呼応するヨシタケさんの7コマイラストに登場するのは、お祖母ちゃん、王子様、学生、熊、ロボットなど、実に様々。荻上さんの話を別の視点で眺めつつ、くすっと笑える距離感が絶妙です。

表紙のカバーを外すと、メガネとマスクが外れるしかけや、裏表紙にもご注目。本文のイラストページの配色など、大島依提亜さんによる凝った装釘も、この本の楽しみの一つです。ぜひお手に取ってご覧いただければと思います。

「人によってはギョッとしちゃうかも。それでも読後に、視界がちょっと広がっているかも。どっちに転ぶかわかりませんが、やっぱり、お眼鏡にかないますように」――荻上チキ・まえがきより。
「人間、歳を重ねれば重ねるほど、視野もピントも限られてきます。だからこそ、いろんな『めがね』が必要に、大事になってくるんですね」――ヨシタケシンスケ・あとがきより。(担当:高野)

◎10月29日にこの本の発売を記念した荻上チキさんのオンライントークショーがあります。
対象書店で『みらいめがね』シリーズをご購入した方限定でご参加いただけます。
荻上さんのお話を聴く貴重な機会、ぜひふるってご参加ください。

開催日時:2021年10月29日(金) 20~21時予定(約1時間)

参加条件:『みらいめがね それでは息がつまるので』(第1巻・既刊)、『みらいめがね2 苦手科目は「人生」です』(第2巻・最新刊)のいずれか1冊を下記対象書店でご購入された方(参加費なし、本代のみ)

参加方法:購入時に提供されるチラシ(もしくはレシート)に記載のイベント参加URL(もしくはQRコード)から参加登録

配信:Zoomウェビナー
(※一般参加者の顔は映りません。Zoomアプリがない場合でも、Webブラウザからご参加いただけます)

イベント問い合わせ:文化通信社オンラインイベント事務局(TEL:03-3812-7466)

対象書店リストや詳細については、下記をご覧ください。
・暮しの手帖社ホームページ
「荻上チキさんオンラインイベントのご案内」
http://www.kurashi-no-techo.co.jp/blog/information/20210913

・5世紀13号「ユーモアは大事だと教えてくれる絵本」訂正文

2021年08月16日

13号にて誤りがございました。
「ユーモアは大事だと教えてくれる絵本」67頁下段、
「現在だけなく、いつかの」の文章は、正しくは、「現在だけではなく、いつかの」です。
読者の皆様、ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。

この暑さを逆手に取って

2021年08月10日

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この暑さを逆手に取って
(13号「夏の干し野菜」)

こんにちは、編集長の北川です。
在宅ワークになってからというもの、だいたいは夜明けくらいに目が覚めて、コーヒーを淹れながらパソコンを立ち上げます。
昇ったばかりの太陽がギラギラしていると、「今日も暑くなりそうだなあ」と内心うんざりするのですが、最近は天気予報をチェックし、一日晴れそうなら、すかさず野菜を干すことにしています。
よく干すのは、ミニトマトときゅうり、そしてゴーヤ。半割りにしたミニトマト、スライスしたきゅうりとゴーヤを、大きめの竹ザル2枚にびっしりと並べて、ベランダに出しておく。ものの10分あればできる作業です。
それから仕事にいそしんで、正午前くらいに様子を見ると、きゅうりとゴーヤはいい具合にセミドライになっています。きゅうりは塩水漬けに、ゴーヤは水を少しかけてしんなりさせたら、冷やし中華や冷や奴にたっぷりのせてお昼ごはんに。コリコリッとした歯ごたえがなんともよく、箸が進むのです。
ミニトマトは夕方にはセミドライになっていることが多いのですが、生よりもずっと甘くて濃厚な味わいです。これはオイル漬けにして、グリーンサラダに散らしたり、たっぷりのパセリと和えてパスタにしたり。ああ、おいしい!

今回は、ご好評いただいただ10号の「長尾智子のおいしい干し野菜」の続編として、長尾さんに「夏の干し野菜」を教わりました。
干し野菜のよさは、シンプルな調理でも、おいしいひと品になること。そして、この猛烈な日差しをうまく活用するような、「実験的なたのしさ」があることでしょうか。
本当に暑さ厳しい日々が続きますが、どうかみなさま、しっかり食べて、すこやかな夏をお過ごしください。(担当:北川)

いわさきちひろさんが伝えたかったこと

2021年08月06日

いわさきちひろさんが伝えたかったこと
(13号「いわさきちひろの平和の物語」)

いわさきちひろ。この名を聞いたことがない、という人は少ないでしょう。
おそらく、多くの方が、絵本の挿絵などで、作品に親しんでいるのではないかと思います。
かくいう私もそうです。ちひろさんが絵をつけた絵本をたくさん読んで育ちました。
アンデルセンの「にんぎょひめ」の無垢で愛らしい表情や、
「あかいくつ」に登場する美しくておそろしい赤い靴は、
いまもはっきりと思い出すことができます。

そんなふうにちひろさんの作品を身近に感じながらも、
彼女の生涯について知ったのは、だいぶ大人になってからだったと思います。
親に決められた結婚に納得できず、自分の思いを貫いたこと。
戦後まもなくの時代に画家を志し、絵筆一本で生活を支えたこと。
共産党員として社会運動に関わったこと。
絵本作家の著作権が認められていなかった時代に、
原画の返却と権利を主張し、粘り強く交渉したこと。

その作風から、たおやかなイメージを抱いていたけれど、
自分のため、そして人のために、つよく、闘う人でもあったんだ──。
そんなふうに思い、ちひろさんにますます興味を持ちました。

今回の特集では、ちひろさんが晩年に取り組んだ、
反戦をモチーフとした作品をご紹介します。
病をおし、命を燃やすようにして描いた作品の数々。
そこに込められた思いを、ちひろさんの戦争体験、
および、ひとり息子で美術・絵本評論家の松本猛(たけし)さん、
生前に親交のあった弁護士の平山知子さん、
画家の田島征三さんの証言からひも解きます。(担当:島崎)

じっくりと掘り下げて考えてみたら

2021年08月05日

じっくりと掘り下げて考えてみたら
(13号「わからないって、面白い」)

悩んだとき、落ち込んだとき、「本に救われた」という経験はありませんか?
今回ご紹介するのは、そんな本の力を信じるご夫妻の物語です。

青木真兵(しんぺい)さんは37歳、海青子(みあこ)さんは36歳。
幼い頃から本が大好きなふたりは、奈良県・東吉野村の自宅で私設図書館を開いています。
「縁もゆかりもない山村に移住して図書館を開くなんて、どんな方たちなのだろう」と興味を持った私たちを、
ふたりは、「こんな山奥にわざわざ訪ねて来てくれる人とは、気が合うと思って」と、和やかに迎え入れてくれました。

社会のこと、お金のこと、仕事のこと。
真兵さんと海青子さんとの会話は、はっとするような新鮮な視点をもたらしてくれます。
特に印象的だったのは、海青子さんの言葉。
「”わからない”と言うのは恥ずかしいことだと思っている人もいるかもしれないけど、
わからないって面白いことなんですよ。
”わからない”からはじまることって、いっぱいありますよね」

その言葉通り、疑問や気になることがあると、とことん考えて、話し合うふたり。
問題の根源に立ち返ったり、本を読んで先人たちの知恵を授かることで、意外な答えが見つかるそうです。
だから真兵さんは、「わからないことを増やしていきたい」とも言います。

そんな話を聞いていたら、わたし自身は納得いかないことがあっても、つい忙しさにかまけて、
「そういうものだから、仕方ない」と、手っ取り早く片付けていたことに気づかされました。

人生に行き詰まったときにも諦めずに考え、自分に嘘をつかずに生きていきたい。
ふたりのこれまでの、決して平坦ではない道のりを聞くにつれ、そんなことを考えるようになりました。
みなさんもぜひ、誌面を通してふたりの言葉に耳を傾けてみてください。(担当:平田)

●真兵さんと海青子さんのおしゃべりは、インターネットラジオ「オムライスラヂオ」でも聞くことができます。
https://omeradi.org/

パッと明るい気持ちに

2021年08月04日

パッと明るい気持ちに
(13号「ユーモアは大事だと教えてくれる絵本」)

なかなかおでかけができない夏休み、
頁を開けばパッと明るい気持ちになれる、
そんな絵本はいかがでしょうか?

この頁では、絵本をこよなく愛する3名の方たち、
翻訳者の伏見操さん、漫画家の吉田戦車さん、
ラジオパーソナリティのクリス智子さんに、
それぞれが考える「ユーモア」が描かれた作品を
3冊ずつご推薦いただきました。

コロナ禍で気持ちがふさぎがちな今だからこそ、
幅広い世代の人が楽しめる絵本を通じて、
「ユーモアって何だろう?」と考えるきっかけになればと願い、
立ち上げた企画です。

教えていただいた9冊は、
くすっと笑えるコメディーや、
疲れたときや落ち込んだときに読むとほっと心が落ち着くもの、
突拍子もないアイデアであっと驚かせてくれるものなど、
実にさまざま。
ぜひ誌面でお楽しみくださいね。

トビラのイラストを描いてくださった、
イラストレーターのfancomiさんも
ユーモラスな絵本『SMALL STORY』(SUNNY BOY BOOKS)の作者。
こちらもぜひ、チェックしてみてください。(担当:中村)

今日から始められるストレッチ

2021年08月03日

今日から始められるストレッチ
(13号「すきま時間で、姿勢を美しく」)

自粛生活による運動不足を最初に痛感したのは、昨年の夏頃でした。
久しぶりに外出し、今日はたくさん歩いたなと思った日の夜中に足がつり、
痛みで目が覚めたのです。
このままではダメだ……と思い、休日になわとびをしてみたり、
ちょっとした筋トレをしてみたりしましたが、
なんだかあまり効果が感じられません。

その後、トレーニングを紹介する本をいろいろと見て試すなかで出合ったのが、
姿勢治療家の仲野孝明さんでした。

仲野さんいわく、「筋トレや運動をする場合も、正しい姿勢で行わないと、
かえっておかしな筋肉のつき方をしてしまう」とのこと。
普段の暮らしのなかで姿勢を意識しながら過ごせば、
歩いたり、洗濯物を干したり、キッチンで作業したりするだけでも
トレーニングになるのだと話してくれました。

誌面では、「時間がない時は、これだけでもOK!」と仲野さんが教えてくれた
姿勢をリセットする背伸びの方法のほか、
正しい姿勢へと近づくために、今日からすぐ始められる
ストレッチをご紹介しています。

体験者は、「疲れやすくて、体のあちこちがギシギシする」という
イラストレーターのくぼあやこさん。
実際にストレッチをやってみたくぼさんの感想を交えながら、
それぞれの動きをイラストでわかりやすくお伝えしています。

歯磨きをする時、お茶を淹れるタイミング、お風呂上がりなど、
ちょっとしたすきま時間に、ぜひお試しください。
きっと少しずつ、体の変化を感じられますよ。(担当:井田)

日常生活と地続きのものとして

2021年08月02日

日常生活と地続きのものとして
(13号「映画のアン/ラーニング」)

13号から、新しく映画の連載がスタートしました。
書き手は、映画研究者の三浦哲哉さん。
毎号、1本の映画と、日常生活で遭遇した映画にまつわるあれこれについて綴ります。
第1回に取り上げるのは、村上春樹の同名短編の映画化で、先日行われた第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞などを獲得した『ドライブ・マイ・カー』(監督:濱口竜介)。
三浦さんが幼い愛娘と名作『ミツバチのささやき』(監督:ビクトル・エリセ)を鑑賞した時のエピソードを交えて語ります。

映画は、映画として2時間ほど楽しんで、
あとはきれいさっぱり忘れてしまうこともあれば、
逆に、見終わった頃には価値観がすっかり変わってしまったり、
あるいは考えがあいまいになってしまったりして、
いずれにしても「見る前の自分には戻れない」と思わせられることもあります。
どちらも映画鑑賞の醍醐味です。

映画の中こと、映画の外で起きること。
この連載では、その両方について綴ることで、
日常と地続きのものとして「映画」そのものを捉え、
映画を見るという行為についても、考えを深められたらと思います。(担当:島崎)


暮しの手帖社 今日の編集部